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【2026年版】使っていないライセンスの棚卸しでIT費用を下げる|Microsoft 365・Google Workspaceで減らせる期間と手順

ライセンス棚卸し

「毎月クラウドの利用料を払っているけれど、その金額が本当に今の人数に合っているのか分からない」。中小企業のIT費用を見直すご相談で、いちばん多いのがこの状態です。 
実際に管理画面を開くと、契約しているライセンス数が在籍している社員数より5〜10人分多い、という会社は珍しくありません。

しかもここには、ほとんど知られていない落とし穴があります。 
退職者のアカウントを削除しても、ライセンスの割り当てを外しても、それだけでは請求金額は1円も減りません。 
さらに、契約しているライセンスの数そのものを減らせる期間は、Microsoft 365 も Google Workspace も年に一度しか来ないほど限られています。

この記事では、中小企業の経営者・情シス担当の方に向けて、使っていないライセンスの探し方、実際に請求を減らすための操作、そして「減らせる期間」を逃さないための段取りを、 
公式ドキュメントの記載にもとづいて整理します。30名の会社で年間いくら下がるのかの試算も載せました。

先に結論(3行)
① 割り当てを外すのは「席を空ける」操作。請求を減らすには、サブスクリプションのライセンス数そのものを減らす操作が別に必要です。
② ライセンス数を減らせるのは、Microsoft 365(年間契約)は購入・更新から7日以内、Google Workspace の年間プランは更新のタイミングだけです。
③ だから正解は「契約形態を変える」ことより、更新日の3週間前までに棚卸しを終えることです。

目次

まず30分でやること|契約ライセンス数と実際の利用者数を突き合わせる

最初にやるのは、ツールの導入でも見積り依頼でもありません。今の契約が何人分で、そのうち何人が実際に使っているかを数えることです。次の3つは、どちらの管理画面でも合計30分ほどで確認できます。

やること 見る場所 分かること 所要時間
契約ライセンス数を書き写す Microsoft 365 管理センター[課金]→[製品]/Google 管理コンソール[お支払い]→[サブスクリプション] 購入済み・割り当て済み・空きの数 10分
請求書の数量と社員数を比べる 直近1か月の請求書(PDF) 払っている席数と在籍人数の差 10分
更新日と契約形態をメモする 同じサブスクリプションの詳細ページ いつなら減らせるか 10分

このうち3つ目がいちばん大事です。契約形態が「年間契約」か「月ごとの契約」か、更新日が何月何日かを知らないままだと、あとで説明するとおり、減らせるタイミングを毎年そのまま通過してしまいます。

この3つが分かれば、削減できるかは9割判断できる
・空きライセンスが0で在籍人数とぴったり → 見直す余地は小さいので、次はプランの最適化へ。
・空きライセンスが3以上ある → その分は毎月そのまま無駄になっています。
・更新日が3か月以内に来る → 今すぐ棚卸しに着手すべきタイミングです。

なぜ使っていないライセンスに気づけないのか?

ライセンスが余るのは、担当者の怠慢ではなく仕組みの問題です。実際のご相談で出てくる原因は、ほぼ次の6つに集約されます。

よくある原因 何が起きているか 見つけ方
退職・異動 アカウントは停止したが、契約している席数はそのまま 空きライセンス数を見る
部署ごとに個別契約 同じ製品を2つの契約で買っている 請求書を製品名で並べる
年間契約の自動更新 人数が変わっても毎年同じ数量で更新されている 更新日と数量の履歴を見る
代表アドレスにライセンス info@ や support@ に1人分の有料ライセンスを割り当てている ユーザー一覧で人名でないアカウントを探す
試したまま残ったアドオン Copilot や上位オプションを検証用に買って放置 製品一覧のアドオン行を見る
個人カード決済のSaaS 経費精算で通っていて情シスが把握していない クレジットカード明細・経費精算の履歴

4つ目の「代表アドレスにライセンス」は、金額のインパクトが大きいのに気づかれにくい典型です。 
Microsoft の公式ドキュメントには「リソース メールボックス、会議室メールボックス、 
共有メールボックスにライセンスを割り当てる必要はありません」と明記されています(50GBの容量を超える場合を除く)。つまり、代表アドレスの数だけ有料ライセンスを買う必要はありません。

未使用ライセンス整理

Microsoft 365|使っていないライセンスの見つけ方

アクティブユーザーレポートで「最終アクティブ日」を見る

Microsoft 365 には、誰がどの機能を最後にいつ使ったかを一覧できる標準レポートがあります。追加費用はかかりません。

手順 操作
1 Microsoft 365 管理センターの左メニューで[レポート]を選ぶ(表示されない場合は[すべて表示]→[レポート])
2 [使用状況]を選ぶ
3 [レポート]で[Microsoft 365 アプリ]を選び、[アクティブなユーザー]タブを開く
4 [エクスポート]でCSVに書き出し、Excelで並べ替える

このレポートには過去7日間・30日間・90日間・180日間の傾向が表示され、ユーザーごとに次の列が並びます。90日間まったく動いていない行が、そのまま棚卸しの候補になります。

分かること
Exchange の最終アクティブ日 そのユーザーが最後にメールを使った日
OneDrive の最後のアクティブな日付 最後にファイルを扱った日
SharePoint の最終アクティブ日 最後に共有ファイルを開いた日
Microsoft Teams の最終アクティブ日 最後にチャット・会議を使った日
各サービスのライセンス そのライセンスが割り当てられているか
ライセンスの割り当て日/削除日 いつ付けたか、いつ外れたか
⚠️ 既定ではユーザー名が隠れているので「誰か」が分からない
公式に「既定では、ユーザー名や表示名、グループ、サイトなどのユーザー固有の情報は使用状況レポートでは非表示になります」と記載があります。
個人が特定できる形で見たい場合は、管理センターの設定で「使用状況レポートにユーザー、グループ、またはサイトの詳細を表示」を有効にします。
また各レポートのデータは通常、過去24〜48時間までしか反映されません。今日サインインした人がすぐ反映されるわけではない点に注意してください。

Microsoft Learn「Microsoft 365 アプリのアクティブ ユーザー レポート」 ➡

⚠️「割り当てを外した」だけでは請求は1円も減らない

ここが本記事でいちばんお伝えしたい点です。ユーザーからライセンスの割り当てを解除しても、退職者のアカウントを削除しても、それは「席を空けた」だけで、買っている席数は変わりません。 
公式ドキュメントにもはっきり書かれています。

Microsoft 公式ドキュメントの記載
「すべてのライセンスが現在ユーザーに割り当てられている場合、サブスクリプションのライセンス数を減らすことはできません。ライセンスの数を減らすには、まずユーザーから1つ以上のライセンスの割り当てを解除してから、サブスクリプションからライセンスを削除します」

つまり、請求を減らすには次の2ステップが必要です。1つ目だけで終わっている会社が非常に多く、これが「アカウントは整理したのに費用が変わらない」の正体です。

ステップ 操作 これだけだと
STEP1 席を空ける 対象ユーザーからライセンスの割り当てを解除する(またはアカウントを削除する) 請求は変わらない
STEP2 席を減らす [課金]→[製品]→対象のサブスクリプション→[ライセンスの削除]で合計数量を入力する ここで初めて請求が下がる

STEP2 では、減らす数ではなく「必要な合計数」を入力する点にも注意してください。公式の例では、100個のライセンスがあり25個を削除する場合は「75」と入力します。

⚠️ ライセンスを減らせるのは「購入・更新から7日以内」

そしてもうひとつ、知らないと1年待つことになるルールがあります。Microsoft 顧客契約(MCA)という課金アカウントの場合、公式に次のように書かれています。

Microsoft 公式ドキュメントの記載
「MCA 課金アカウントの種類がある場合は、サブスクリプションのライセンスをいつでも購入できます。ただし、サブスクリプションを購入または更新してから7日以内の場合にのみ、サブスクリプションからライセンスを削除できます
「請求期間の途中でライセンスを購入する場合は、購入したライセンスの数を減らすために購入から7日かかります」

増やすのはいつでもできるのに、減らせるのは購入日または更新日から7日間だけ、という非対称なルールです。年間契約の会社にとっては、実質「更新日の直後7日間」が年に一度のチャンスになります。

解約できる期間

だからやるべきことは1つ|更新日を先に押さえる
・管理センターでサブスクリプションの更新日を確認し、社内カレンダーに登録します。
・更新日の3週間前に「棚卸しを終わらせる日」を入れます(アクティブユーザーレポートの確認と、部署へのヒアリングに2週間はかかります)。
・更新日を過ぎたら、7日以内に[ライセンスの削除]まで実行します。
・当社のご支援でも、この1行をカレンダーに入れただけで翌年の費用が下がった例が複数あります。逆に、ここを押さえていない会社は毎年同じ数量で自動更新されていきます。

なお公式には「ライセンスは、定期請求が有効になっている場合にのみ削除できます」「サブスクリプションが前払いされている場合、ライセンスを削除することはできません」とも記載があります。 
プロダクトキーで前払いしている契約は、少ないライセンス数のキーを買って更新し直す形になります。

Microsoft Learn「ビジネス サブスクリプションのライセンスを購入または削除する」 ➡

「ライセンスの削除」ボタンが押せないときの5つの理由

管理センターを開いたのにボタンがグレーアウトしている、というご相談もよくあります。公式には理由が5つ整理されています。

理由 画面での見え方 対処
与信審査が保留中 ボタンが選択できない 通常2営業日で完了するので待つ
プロダクトキーで前払いしている [購入チャネル]に「前払い」と表示 少ないライセンス数のキーで更新し直す
リセラー(販売店)経由で購入 [購入チャネル]に「リセラー」と表示 販売店・CSPパートナーに連絡する
試用版のサブスクリプション フィルターで[試用版]に該当 先に有償版を購入する
製品が販売終了 「この製品は購入できなくなったため…」と表示 別のサブスクリプションへ切り替える

中小企業でいちばん多いのは3つ目です。代理店から買っている場合は、管理画面をいくら探しても数量は変えられません。 
更新日の1か月前に販売店へ「次回更新は何ライセンスにしたいか」を書面で伝えるのが正解になります。

誰がライセンスを触れるのか|管理者ロール別の権限

「請求は経理、アカウントは情シス」と分かれている会社では、担当者の権限が足りなくて手が止まることがあります。公式のロール別整理は次のとおりです。

管理者ロール ライセンスの割り当て 割り当ての解除 追加ライセンスの購入 アカウントの削除
課金管理者 × × ×
グローバル管理者
ライセンス管理者 × ×
ユーザー管理者 ×
サービス サポート管理者 × × × ×

棚卸しを1人で完走させるなら、グローバル管理者か「ライセンス管理者+課金管理者」の組み合わせが必要です。 
ただしグローバル管理者は権限が強すぎるため、当社では常時グローバル管理者を持つのは2名までにして、 
棚卸しの期間だけライセンス管理者を付与する運用をおすすめしています。

Microsoft Learn「ビジネス向け Microsoft 365 のサブスクリプションとライセンスについて」 ➡

サブスクリプション自体をやめる場合の注意

使わない製品ごと解約する場合は、ライセンス数によって手順が変わります。 
公式には、25個以下のライセンスなら管理センターでそのまま解約でき、25個を超える場合はまずライセンスの数を25以下に減らしてから解約する、 
と記載されています。

あわせて、解約するとデータが失われる点も忘れないでください。 
公式には「残されたお客様のデータは30日後に削除され、解約後180日以内に削除されます」とあり、さらにサブスクリプションを明示的に削除した場合は「猶予期間はスキップされ、 
OneDrive コンテンツを含む SharePoint Online のデータやコンテンツは直ちに削除されます」と警告されています。

Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センターでサブスクリプションを取り消す」 ➡

Google Workspace|使っていないライセンスの見つけ方

管理コンソールの「最終ログイン」で洗い出す

Google Workspace は、もっと簡単です。 
管理コンソールのホームページで[ユーザー]を開くと、一覧の[最終ログイン]列に「2分前」「1日前」「2か月前」といったおおよその時間が表示されます。 
一度もログインしていないアカウントは「未ログイン」と表示されます。

つまり、この列で並べ替えるだけで「数か月ログインしていない有料アカウント」が浮かび上がります。 
公式には「データの反映には数時間〜3日のタイムラグがあります」と注記があるので、判断は数日分の幅を見て行ってください。

Google 公式「ユーザーの最終ログインを確認する」 ➡

⚠️ 年間プランは「更新のタイミング」しか減らせない

Google Workspace のお支払いプランは2種類あり、ライセンス数を減らせるかどうかが決定的に違います。公式の記載は明快です。

Google 公式ドキュメントの記載
フレキシブル プラン:「ユーザー アカウントの追加と削除はいつでも可能です」「お支払いいただくのは、当月に存在したアカウントの料金のみです」「サブスクリプションはいつでも解約でき、解約料は発生しません」
年間/定期プラン:「ライセンス数を減らすことができるのは、契約期間満了時のプラン更新のタイミングに限られます」「更新日前にサブスクリプションを解約した場合は、契約の残期間分が請求され、払い戻しは行われません」

年間プランでは、契約期間中にユーザーを削除しても請求は下がりません。公式にも「契約の更新時のみ可能。 
更新までは、購入したすべてのライセンスのご利用料金をお支払いいただく必要があります」と書かれています。 
Microsoft 365 の「7日以内」と同じく、年に一度しかチャンスが来ないという構造です。

フレキシブルと年間プランの差額(日本円)

では、いつでも減らせるフレキシブルにしておけばよいのか。公式に公開されている日本円の価格を並べると、判断材料がはっきりします。 
いずれも1ユーザーあたりの月額で、公式の注記どおり消費税10%は含まれていません。

エディション フレキシブル(月額・税抜) 年間/定期プラン(月額・税抜) 1人あたり年間の差額
Business Starter 950円 800円 1,800円
Business Standard 1,900円 1,600円 3,600円
Business Plus 3,000円 2,500円 6,000円

30名で Business Standard を使う場合、年間プランなら年576,000円、フレキシブルなら年684,000円で、 
差は年間108,000円です。柔軟に減らせる代わりに約19%高い、というトレードオフになっています。

Google 公式「フレキシブル プランと年間/定期プランを比較する」 ➡

年間からフレキシブルへの切り替えは「更新日より前」に予約する

年間プランからフレキシブルへは、いつでも切り替えられるわけではありません。公式には、無料試用期間中か、または更新日より前に手続きをして更新日に有効になる、と記載されています。 
手順は次のとおりです。

手順 操作
1 管理コンソールで[お支払い]→[サブスクリプション]へ移動(お支払いの管理者権限が必要)
2 対象のサブスクリプションをクリックし、[プランの更新]で契約更新日を確認する
3 [更新設定の変更]→[フレキシブル プランに切り替える]を選び、保存する

逆にフレキシブルから年間プランへは管理コンソールでいつでも切り替えられますが、1年分の料金を前払いすることになります。 
人数が増える一方の会社は年間プラン、季節で人数が動く会社はフレキシブル、という切り分けが基本です。

安い方は減らせない、柔軟な方は約2割高い|両社共通のトレードオフ

ここまで別々に説明してきましたが、Microsoft 365 と Google Workspace は実は同じ構造をしています。 
安い契約形態は人数を減らせず、いつでも減らせる契約形態は約2割高いのです。2026年9月時点の公式価格で並べると、こうなります。

契約形態 1ユーザー月額(税別) 人数を減らせるタイミング 安い方との差
Microsoft 365 Business Standard/年間契約 2,098円 購入・更新から7日以内
Microsoft 365 Business Standard/月ごとの契約 2,518円 毎月 約20%高い
Microsoft 365 Business Premium/年間契約 3,298円 購入・更新から7日以内
Microsoft 365 Business Premium/月ごとの契約 3,958円 毎月 約20%高い
Google Workspace Business Standard/年間プラン 1,600円 更新のタイミングのみ
Google Workspace Business Standard/フレキシブル 1,900円 いつでも 約19%高い

では、月ごとの契約に切り替えるのは得なのか。 
30名の Business Standard で計算すると、年間契約が年755,280円、月ごとの契約が年906,480円で、 
柔軟さの代金は年間151,200円です。一方、使っていないライセンスを5人分放置した場合の無駄は年125,880円。 
つまり金額だけ見ればほぼ同じで、「柔軟な契約に変えて解決」にはなりません。

当社の推奨|契約形態を変えるより、更新日を管理する
・人数の増減が年に数名なら、年間契約のまま、更新日に人数を合わせるのがいちばん安く済みます。差額の2割は毎月かかり続ける固定費です。
・人数が半年で2倍・半分になるような業種(季節雇用、プロジェクト単位の増減)は、月ごとの契約やフレキシブルにする価値があります。
・迷ったら「過去2年で最も人数が少なかった月の人数」を年間契約で買い、それを超える分だけ月ごとの契約で買い足す、という2本立てが実務的です。

ライセンスを買わずに済ませる4つの方法

棚卸しの次に効くのが、「そもそも有料ライセンスを買わなくてよいもの」を切り分けることです。中小企業で実際に金額が下がるのは、次の4つです。

方法 何に使うか 費用 使えるサービス
共有メールボックス info@ や support@ などの代表アドレス ライセンス不要(50GBまで) Microsoft 365
会議室・リソースメールボックス 会議室や社用車の予約用アカウント ライセンス不要 Microsoft 365
グループのメールアドレス sales@ など複数人で受ける窓口 ライセンス不要 Microsoft 365/Google Workspace
アーカイブユーザー 退職者のメール・ファイルを残す 通常より安い専用ライセンス Google Workspace

金額に直すと分かりやすいです。 
代表アドレスを3つ、Business Standard のユーザーライセンス(月2,098円)で持っている会社なら、 
共有メールボックスに切り替えるだけで年間75,528円が不要になります。5つなら年125,880円です。

退職者のメールも同じです。 
「あとで問い合わせが来るかもしれないから残しておく」という理由で有料ライセンスを維持している会社は多いのですが、 
Microsoft 365 なら共有メールボックスに変換すればライセンスは不要になり、Google Workspace ならアーカイブユーザーに切り替えることで通常より安く保持できます。

プランを下げる|全員に同じプランを配るのをやめる

空きライセンスをゼロにしても、まだ削れる余地があります。全員に同じプランを配っている会社では、使っていない機能に払っている人が必ずいます。まず2026年9月時点の公式価格を確認しましょう。

プラン 1ユーザー月額(税別・年間契約) 主な内容 向く人
Microsoft 365 Apps for business 1,499円 デスクトップ版Office中心(法人メールは付かない) 他社メールを使い続ける人
Microsoft 365 Business Basic 1,049円 法人メール+Web版Office+Teams(デスクトップ版Officeなし) メールと共有が中心の現場・パート
Microsoft 365 Business Standard 2,098円 Basic+デスクトップ版Office 資料を作る事務・営業
Microsoft 365 Business Premium 3,298円 Standard+端末管理・高度なセキュリティ 情シス機能まで必要な会社

たとえば30名のうち、メールとファイル共有しか使わない現場の10名を Standard から Basic に変えると、差額は1人月1,049円。 
年間125,880円下がります。 
ただし Basic はデスクトップ版の Excel・Word が付かずブラウザ版のみになるため、関数やマクロを本格的に使う人には向きません。 
ここは実際の使い方を1人ずつ聞いて判断してください。

⚠️ 2026年7月に価格が改定されています
Microsoft 365 の法人向けプランは2026年7月に価格が改定されました。ネット上には Business Basic 899円・Business Standard 1,874円という改定前の金額を載せた記事がまだ多く残っています。
見積書や社内資料で古い金額を使うと、稟議のあとで金額が合わなくなります。必ず公式の価格ページで確認してください。

Microsoft 公式「一般法人向け Microsoft 365 プランと価格」 ➡

アドオンの棚卸しも忘れないでください。Copilot や上位のセキュリティオプションを「まず試してみよう」と数人分だけ買って、そのまま何か月も経っているケースがよくあります。 
アドオンは製品一覧の別の行に並ぶため、本体のライセンス数だけを見ていると気づけません。

現場・店舗の担当者には Frontline 向けプランという選択肢もある

工場や店舗、配送など、パソコンをほとんど使わない現場の従業員が多い会社では、事務職と同じプランを配る必要がありません。 
Microsoft 365 にも Google Workspace にも、現場担当者(フロントライン ワーカー)向けの単価が低いプランが用意されています。

ただしこの種のプランは、デスクトップ版のOfficeが付かない、メールボックスの容量が小さい、使えるアプリが限られるなど制限が大きく、 
あとから「これでは仕事にならない」となるケースもあります。単価だけで決めず、必ず公式の機能比較表で「その人が毎日使う機能が入っているか」を確認してください。

⚠️ 容量を追加購入する前に|ストレージも棚卸しの対象

「容量がいっぱいになったので追加購入したい」というご相談もよくいただきます。ここでも、買う前に数えるのが順番です。 
まず、いま契約しているプランにどれだけの容量が含まれているかを確認してください。

サービス 含まれる容量 数え方
Microsoft 365(Business プラン) 1ユーザーあたり OneDrive 1TB + SharePoint は組織あたり1TB+1ユーザーあたり10GB ユーザー数が増えると全体の容量も増える
Google Workspace Business Starter 1ユーザーあたり30GB 契約人数分をプールして全員で分け合う
Google Workspace Business Standard 1ユーザーあたり2TB 同(30名なら組織全体で60TB)
Google Workspace Business Plus 1ユーザーあたり5TB 同(追加購入も可能)

30名で Google Workspace Business Standard なら組織全体で60TBです。 
この規模で足りなくなっているケースは、多くの場合「使っていないデータが残っている」ことが原因です。追加購入の前に次の3つを確認してください。

確認する場所 よくある中身 対処
退職者のドライブ 何年も前の個人フォルダがそのまま 必要なファイルだけ共有ドライブへ移し、残りは削除
動画・大きな画像 研修動画や撮影データが個人領域に散在 動画は動画配信側に寄せ、原本は必要な分だけ残す
ゴミ箱とバージョン履歴 削除したつもりのファイルが容量を占めている ゴミ箱を空にし、保持ルールを決める
⚠️ ライセンス数を減らすと、使える容量も減ります
Google Workspace の容量は「1ユーザーあたりの容量 × 契約ライセンス数」を組織全体で分け合うプール方式です。ライセンス数を減らすと、その分だけ組織全体で使える容量も減ります。
ライセンスを10人分減らすと、Business Standard なら20TB分の枠が同時に減る計算です。今の使用量が新しい枠に収まるかを、減らす前に必ず確認してください。
この点は費用の話とセットで見落とされやすく、当社のご支援でも「席を減らしたら容量警告が出た」というご相談を受けたことがあります。

30名の会社で実際にいくら下がるか|試算

ここまでの3つ(使っていない席を減らす・代表アドレスを共有メールボックスにする・プランを下げる)を実行すると、どれくらい変わるのか。 
30名で Microsoft 365 Business Standard を使っている会社をモデルに計算します。金額はすべて税別です。

見直す対象 内容 年間の削減額
使っていないライセンス5人分 退職・異動で空いたまま残っていた席を削除 125,880円
代表アドレス3個 ユーザーライセンスから共有メールボックスへ切り替え 75,528円
現場10名のプラン Business Standard → Business Basic 125,880円
合計 約327,000円

30名すべてを Business Standard で契約している場合の年額は755,280円です。つまり4割強を削れる可能性があるという計算になります。 
もちろんすべての会社に3つとも当てはまるわけではありませんが、1つ目の「空いた席の削除」だけでも十分に元が取れます。

この試算を社内で使うときのコツ
・「月いくら安くなる」ではなく「年いくら」で出すと稟議が通りやすくなります。上の例なら月約27,000円ですが、年327,000円と書いたほうが判断されやすいです。
・削減額の根拠は請求書の1行と管理画面のスクリーンショットで足ります。外部の診断サービスを入れる前に、まず自社で数えてみてください。
・削った金額はそのまま消さず、次に入れるツールの原資として同じ資料に並べて書くと話が前に進みます。

請求書の確認

ライセンスを減らす前に必ず確認する3つ

金額が下がるとわかると一気に進めたくなりますが、順番を間違えるとデータを失います。減らす前に必ず次の3点を確認してください。

確認すること 何が起きるか 先にやること
メールとファイルのデータ ライセンスを外すとその人のメールボックスやOneDriveにアクセスできなくなる。Microsoft Entra ID からユーザーを削除すると、OneDrive のデータは既定30日で削除される 必要なファイルを共有ドライブ・SharePoint に移し、メールは共有メールボックスに変換する
その人宛てに届くメールの受け皿 取引先からのメールが宛先不明で戻る 共有メールボックスに変換するか、上司へ転送設定を入れる
パソコンとアプリの状態 Office が「ライセンスのない製品」の通知を出し、編集ができなくなる 対象者・回収済み端末かを確認し、端末管理からも登録を解除する
実際のご相談でいちばん多い事故
「退職者のアカウントを削除してライセンスを減らしたら、その人が持っていた見積書と契約書のファイルが全部消えていた」というものです。
個人のOneDriveに業務ファイルが置かれている会社ほど危険です。棚卸しは、ファイルの置き場を共有側に寄せる作業とセットで進めてください。

Microsoft 365・Google Workspace 以外のSaaSも同じ手順で棚卸しする

グループウェアを整理したら、同じやり方を他のクラウドサービスにも広げます。中小企業のIT費用は、1本あたり月数千円の契約が積み上がって膨らんでいるのが実態です。 
手順は5ステップで、STEP1〜3は費用ゼロで終わります。

STEP やること 目安
STEP1 直近12か月の請求書・クレジットカード明細・経費精算から、毎月または毎年出ている支払いを全部書き出す 30分〜1時間
STEP2 1件ごとに「契約数量」「実際に使っている人数」「更新日」「契約形態」の4列を埋める 1〜2週間
STEP3 数量が利用者数より多い行に印を付ける 30分
STEP4 更新日順に並べ替え、直近3か月に更新が来る契約から手を付ける
STEP5 削減できた金額を1枚にまとめ、次の投資の原資として経営層に出す 1時間

棚卸しをすると、だいたい次のような契約が出てきます。会社によって顔ぶれは違いますが、「数量が人数より多い」「同じ用途のツールが2本ある」のどちらかは必ず見つかります。

よく出てくる契約 よくある無駄
グループウェア(Microsoft 365/Google Workspace) 空き席、代表アドレスへの有料ライセンス
会計・請求・経費精算 使っていないオプション、二重契約
勤怠管理 退職者分の従業員数課金が残っている
電子契約 月の送信件数に対して上位プランを契約している
クラウドストレージ グループウェアに含まれているのに別途契約している
セキュリティ(ウイルス対策・EDR) 台数課金が実際の台数と合っていない
名刺管理・eラーニングなど 導入したが使われていない

5つ目は特に見落とされます。 
Microsoft 365 なら1人1TB、Google Workspace の Business Standard なら1人2TB のストレージが料金に含まれているのに、 
別のクラウドストレージを月数万円で契約している会社は珍しくありません。

⚠️ 個人カードで払っているSaaSは、退職と同時に誰も解約できなくなる
経費精算で毎月通っているサブスクリプションは、契約者本人しか管理画面に入れないことがよくあります。その担当者が辞めると、請求だけが続いて止められません。
棚卸しのタイミングで、法人カードまたは請求書払いに切り替え、管理者アカウントを情シスと2名で持つようにしてください。

契約が20本を超えて入退社も多い会社になると、手作業の突き合わせが追いつかなくなります。 
その段階ではIT資産管理ツールやSaaS管理ツールを検討する価値がありますが、30〜100名で契約が10本前後なら、管理画面の標準レポートと請求書の突き合わせで十分です。 
ツールを買う前に、まず数えてみるのが順番です。

c-compe.com「IT資産管理ツールの比較|法人向けおすすめ製品と費用相場」 ➡

情シスがつまずきやすい落とし穴

最後に、実際のご相談で繰り返し出てくる落とし穴をまとめます。金額の大きい順ではなく、気づきにくい順に並べました。

落とし穴 何が起きるか 対処
割り当てを外して終わりにしている 請求が変わらない [ライセンスの削除]まで実行する
更新日を誰も知らない 減らせる7日間を毎年逃す 更新日と「棚卸し完了日」をカレンダーに登録する
リセラー経由なのに管理画面で操作しようとする ボタンが押せず止まる 更新の1か月前に販売店へ希望数量を書面で伝える
年間契約のまま増員だけ繰り返す 人数が減っても金額が下がらない 毎年更新時に必ず数量を見直す
データを退避せずにライセンスを外す メール・OneDriveのファイルが消える 共有側に移してから外す
代表アドレスに有料ライセンスを割り当てている アドレスの数だけ費用がかかる 共有メールボックス・グループに切り替える
部署ごとに別々に契約している 同じ製品を二重に払う 請求書を製品名で並べて契約を1本に寄せる
個人カード決済のSaaSがある 退職すると解約できなくなる 法人カード・請求書払いへ切り替える

2つ目の「更新日を誰も知らない」は、実は最も損失が大きい落とし穴です。年間契約で更新日を逃すと、どれだけ棚卸しをしても向こう1年は請求が下がりません。 
逆に言えば、カレンダーに2行入れるだけで毎年の削減機会が確保できます。

c-compe.com「退職者のアカウント、ちゃんと削除していますか?」 ➡

削減した分は何に回すか|補助金との関係

最後に補助金についてです。よくご質問をいただくのですが、ライセンスを整理してコストを下げる作業そのものは、補助金の対象にはなりません。正直に整理しておきます。

制度 ライセンス整理との関係 注意点
デジタル化・AI導入補助金 これから導入するツールが対象。既存契約の数量を減らす・プランを下げるだけでは対象にならない 登録されたITツール・IT導入支援事業者を通じた申請が必要
中小企業省力化投資補助金(一般型) 必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の設備投資が必要。ライセンス整理では要件を満たさない ソフトウェアの月額・年額利用料は「借用」に該当しない
共通の注意 交付決定前に発注・契約したものは対象外 年度によって要件が変わるため公募要領の確認が必要
当社の推奨 削減で浮いた原資を、本当に必要なツールの導入費に充てる二段構え 削減額を先に確定させると投資判断がしやすい

要件は年度ごとに変わりますので、実際の申請可否は公募要領の確認と、支援事業者・専門家への相談が必要です。 
ただ順番としては、先にライセンスを整理して固定費を下げ、その原資と補助金を合わせて次のツールを入れるのがいちばん無理がありません。 
整理をしないまま新しいツールを足すと、翌年また同じ相談になります。

今日からできる3ステップ

最後に、この記事の内容を実際の作業に落とすと次の3ステップになります。STEP1とSTEP2は費用ゼロで、合計2時間ほどです。

STEP やること 所要時間 費用
STEP1 管理画面で「契約数量・割り当て済み・空き」と「更新日・契約形態」を書き写す 30分 0円
STEP2 アクティブユーザーレポート(Microsoft 365)または最終ログイン(Google Workspace)で90日以上動いていない人を洗い出す 1〜1.5時間 0円
STEP3 更新日の3週間前までに部署へ確認し、更新日の直後7日以内に[ライセンスの削除]まで実行する 0円

STEP1を飛ばさないでください。契約数量と更新日という2つの数字が分かれば、削減できるかどうか、いつ着手すべきかは自動的に決まります。 
この2つがないまま販売店や業者に相談すると、こちらの前提が固まっていないため話が進みません。

なお当社では、Microsoft 365 と Google Workspace のどちらも取り扱っており、ライセンスの棚卸しから契約数量の見直し、 
必要に応じたプラン変更までまとめてご支援しています。管理画面を一緒に見ながら30分で現状を確認するところから始められますので、まずはお気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. 退職者のアカウントを削除すれば、翌月から請求は減りますか?

A. 減りません。アカウントの削除やライセンスの割り当て解除は「席を空ける」操作で、支払いの対象になっている席数(サブスクリプションのライセンス数)はそのまま残ります。 
Microsoft 365 では管理センターの[課金]→[製品]から[ライセンスの削除]を実行し、 
Google Workspace の年間プランでは更新のタイミングでライセンス数を下げる必要があります。ここまでやって初めて請求が下がります。

Q. 10名の会社でもライセンスの棚卸しは必要ですか?

A. 必要です。金額の絶対値は小さくても、割合で見ると影響は大きくなります。 
たとえば10名の会社が代表アドレス3つに Business Standard のライセンスを割り当てていれば、それだけで年間75,528円。 
共有メールボックスに切り替えるだけでゼロになります。人数が少ない会社ほど1人分の単価が全体に占める比率が高いので、むしろ効果は出やすいです。

Q. 年間契約をやめて月ごとの契約にすれば、いつでも減らせますか?

A. 減らせますが、単価が約2割上がります。 
30名の Microsoft 365 Business Standard なら、年間契約が年755,280円、月ごとの契約が年906,480円で、差は年151,200円です。 
使っていないライセンス5人分の無駄(年125,880円)とほぼ同じ金額なので、人数の増減が年に数名なら年間契約のまま更新日を管理するほうが安く済みます。

Q. 使っていないライセンスを見つけるのに、有料のSaaS管理ツールは必要ですか?

A. 30〜100名で契約が10本前後なら不要です。 
Microsoft 365 のアクティブユーザーレポートと Google Workspace の最終ログイン、そして請求書の突き合わせで十分に洗い出せます。 
ツールが効いてくるのは、契約が20本を超えて入退社も多く、手作業の突き合わせが毎月の負担になっている段階です。

まとめ|更新日の前に棚卸しを終える

使っていないライセンスの整理は、中小企業のIT費用削減のなかで最も早く効き、しかも追加投資が要らない施策です。要点をもう一度整理します。

ポイント 内容
請求は2ステップで減る 割り当ての解除だけでは変わらない。ライセンス数そのものを減らす操作が必要
減らせる期間は限られる Microsoft 365(年間契約)は購入・更新から7日以内、Google Workspace の年間プランは更新のタイミングのみ
柔軟な契約は約2割高い 月ごとの契約・フレキシブルは単価が18〜20%高くなる
買わなくてよいものがある 代表アドレス・会議室・退職者のメールは共有メールボックスやアーカイブユーザーで対応できる
プランは人によって変える 全員同じプランをやめれば、機能を使っていない人の分が下がる
減らす前にデータを退避 ライセンスを外すとメール・OneDrive にアクセスできなくなる
まずカレンダーに2行 更新日と「棚卸し完了日(更新日の3週間前)」を登録する

「うちの契約は何人分になっているのか」「更新日はいつか」。この2つが答えられない状態であれば、まずそこから確認してみてください。 
ICTオフィス相談室では、Microsoft 365・Google Workspace の棚卸しから契約数量の見直し、他のクラウドサービスを含めたIT費用全体の整理までご支援しています。 
管理画面を一緒に確認するだけでも現状は見えますので、お気軽にお問い合わせください。

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