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スプレッドシートのAI関数(=AI)の使い方|要約・分類の例文と、使えないときの原因・350セルの上限【2026年版】

スプレッドシートのAI関数で列をまとめて処理するイメージ

Googleスプレッドシートの「AI関数」は、セルに =AI(“指示”, 範囲) と書くだけで、Geminiに文章の要約・分類・作成をさせられる関数です。

アンケートの自由記述を「満足/不満/要望」に仕分ける、問い合わせを種類別に分ける、といったこれまで1件ずつ人が読んでいた作業を、列ごとまとめて片付けられます。

先に結論(30秒で読めます)
① 使えるのは Google Workspace の Business Standard 以上(または個人向けの Google AI Pro/Ultra)。Business Starter と無料アカウントでは使えません。
② 結果は [生成して挿入]を押したときに確定し、元のデータを書き換えても自動では変わりません。普通の関数と同じ感覚で使うと「直したのに結果が古い」が起きます。
③ 1回に生成できるのは350セルまで、IF などの中に入れることもできません。集計は「AIで分類した列」を COUNTIF で数える2段構えにするのが実務のコツです。

この記事では、Google公式ヘルプの記載をもとに、使い方・対象プラン・使えないときの原因・上限を整理し、中小企業の業務でそのまま使える指示文の例と、社内で使わせる前に決めておくことまで解説します。

あわせて、Excelの「COPILOT関数」が2026年9月14日で提供終了した点にも触れます。

目次

スプレッドシートのAI関数とは?何ができる?

AI関数は、スプレッドシートのセルからGoogleの生成AI「Gemini」を呼び出す関数です。

書き方は「=AI(“プロンプト”, 範囲)」で、プロンプトは「何をしてほしいか」の指示文、範囲は読ませたいセルです。範囲は省略できます。

関数名は「=AI()」のほかに「=Gemini()」でも同じように動きます。

公式ヘルプが挙げているできることは、次の5つです。

できること 中小企業での使いどころ 1件を手でやると
テキストの生成 商品説明から30字のキャッチコピーを作る、お礼メールの下書きを作る 1件3〜5分
情報の要約 日報や商談メモを1行にまとめる 1件1〜2分
情報の分類 問い合わせを「見積り/不具合/解約/その他」に分ける 1件20〜30秒
感情の分析 アンケートの自由記述を「満足/不満/どちらでもない」に分ける 1件20〜30秒
Google検索から最新情報を取る 取引先リストに業種や所在地の候補を補う(※必ず人が確認) 1件2〜3分

※「1件を手でやると」は当社の目安です。読む量によって前後します。

サイドパネルの「Gemini」とは何が違う?

スプレッドシートの右上にある Gemini のサイドパネルは、シート全体について質問したり、数式を作ってもらったりする「相談窓口」です。

AI関数は、同じ指示を何百行にも当てはめる「作業員」です。
1回きりの分析はサイドパネル、同じ処理を行ごとに繰り返すならAI関数、と使い分けると迷いません。

AI関数はどのプランで使える?無料では使えない?

公式ヘルプには「対象となる Google Workspace または Google AI のプランへの登録が必要」と書かれています。

Google Workspace の料金ページでは、スプレッドシートの中で Gemini が使えるのは Business Standard 以上で、Business Starter は対象外です。

契約しているもの AI関数 1ユーザーあたり月額(税抜・年間プラン) まずやること
無料の個人Googleアカウント 使えない 0円 業務利用は会社のWorkspaceアカウントに寄せる
Google Workspace Business Starter 使えない(Gmail・Vids の Gemini のみ) 800円 使う部署の人数と業務時間を数えてから変更を判断
Google Workspace Business Standard 使える 1,600円 管理者が Gemini を有効にしているか確認
Google Workspace Business Plus 使える 2,500円 同上。追加費用なしで今日から試せる
Google Workspace Enterprise 使える 要問い合わせ 同上
個人向け Google AI Pro/Ultra 使える 個人契約 会社の管理外になるため業務データは入れない

※料金は2026年9月に公式料金ページで確認した値です。キャンペーンや改定で変わるため、契約前に公式ページで確認してください。

Starter の会社が「AI関数のために」上げる価値はある?
30名の会社が Starter から Standard に上げると、差額は 800円×30名×12か月=年288,000円(税抜)です。
AI関数だけで回収するのは難しい金額ですが、Standard にするとドキュメント・Gmail・Meet でも Gemini が使え、保存容量も1人30GBから2TBに増えます。
判断の軸は「AI関数を使いたいか」ではなく、社内でAIを使う業務が月に何時間あるかです。迷う場合は、AIを使う部署の数名だけ試算してから決めてください。

AI関数の使い方は?基本の5ステップ

ステップ やること つまずきやすい点
1 パソコンでスプレッドシートを開く スマホアプリからは操作しない前提で考える
2 結果を出したいセルに =AI(“指示”, A2) と入力する([挿入]→[関数]→[AI]からも入れられる) 指示文は「”」で囲む。全角の「”」だとエラーになりやすい
3 AI関数を入れたセルを選ぶ 複数セルをまとめて選ぶと一度に生成できる(最初の350セルまで)
4 [生成して挿入]を押す 押すまで結果は出ない
5 内容を直したいときは[更新して挿入]を押す 元データを変えても自動では更新されない

生成された内容はセルに挿入され、変更履歴には「あなたが編集した」として記録されます。
あとで「誰がこの分類を入れたのか」を確認したいときは、変更履歴を見れば押した人が分かります。

表(テーブル)なら「AI列」で一気に埋められる

データを表(テーブル)に変換している場合は、表のいちばん右上にある[右に AI 列を挿入]を押すと、AI関数が入った列が追加されます。

1行目に指示を入れると、列の残りに同じ関数が自動で入るため、何百行あっても数式をコピーする手間がありません。

アンケートの手作業の集計をAI関数で減らした担当者

そのまま使える指示文の例は?(業務別)

公式ヘルプの例は英語中心ですが、日本語の指示でも動きます。中小企業でよく使う形に直した例を挙げます。

業務 入力する数式(コピーして使えます) 出力の例
問い合わせの仕分け =AI(“この問い合わせを『見積り』『不具合』『解約』『その他』のどれか1語で答えて”, C2) 見積り
アンケートの感情分析 =AI(“この感想を『満足』『不満』『どちらでもない』のどれか1語で答えて”, D2) 不満
要望の抜き出し =AI(“この感想から改善要望だけを20字以内で抜き出して。なければ『なし』”, D2) 駐車場を広くしてほしい
商品説明のコピー作成 =AI(“この商品説明から30字以内のキャッチコピーを1つ作って”, B2) (30字以内の文)
日報の要約 =AI(“この日報を、成果・課題・明日の予定の3点で各20字以内にまとめて”, E2) 成果:〜/課題:〜/予定:〜
複数列を読ませる =AI(“会社名と問い合わせ内容から、折り返しの優先度を高・中・低で答えて”, A2:C2) 高

精度が上がる指示文の書き方は?

コツ 悪い指示 良い指示
答えの選択肢を決める 分類して 『見積り』『不具合』『その他』のどれか1語で答えて
文字数を決める 要約して 20字以内で要約して
判断の基準を書く 優先度をつけて 納期・金額の話があれば高、質問だけなら低
該当なしの答え方を決める (指定なし) 当てはまらなければ『なし』と答えて
読ませる情報をシートに置く (指示文に長い説明を書く) 基準表をシートに置き、範囲として渡す

いちばん効くのは「選択肢を決めて1語で答えさせる」ことです。

選択肢を決めないと「お見積りのご依頼」「見積もり依頼」のように表記がばらつき、あとで COUNTIF で数えられなくなります。

AI関数の上限と、できないことは?

公式ヘルプに書かれている制限を、実務での影響とあわせて整理します。

制限 公式の記載 見落とすとどうなるか
1回に生成できる数 選んだセルのうち最初の350個まで 1,000行を一度に選んでも351行目以降は空のまま
生成回数の上限 短期・長期の上限あり。長期の上限に達したら24時間待つ 締め切り当日に大量処理すると止まる
他の関数の中に入れる できない(例:=IF(AI(…),…) は不可) 数式がエラーになる
元に戻す・やり直し できない。出力を再生成する Ctrl+Zで戻らず慌てる
読める範囲 シート全体やドライブの他のファイルは読めない 範囲を渡さないと的外れな答えになる
出力の形 テキストのみ グラフや画像は作れない
他社ストレージ経由 Box・Dropbox・Egnyte 経由で開いたシートでは生成できない Box の画面から開いたシートでは使えない

集計したいときは「2列に分ける」のが正解

AI関数は IF や COUNTIF の中に入れられません。
そこで、AI関数で分類した結果を隣の列に出し、その列を COUNTIF や条件付き書式で集計する2段構えにします。

D列:=AI(“この感想を『満足』『不満』『どちらでもない』のどれか1語で答えて”, C2)
集計:=COUNTIF(D:D, “不満”)
色分け:条件付き書式で D列が「不満」の行を赤くする

計算や件数の集計そのものはAIに任せず、普通の関数でやるのが確実です。AIは「人が読まないと分からない文章を、数えられる言葉に変える」ところだけを担当させます。

元データを変えたのに結果が変わらないのはなぜ?

AI関数の結果は、[生成して挿入]を押した時点の内容で固定されます。

範囲として渡したセルが変わった場合は更新を促す表示が出ますが、指示文の中に「&B2&」のように文字列をつなげて埋め込んだ場合は、更新を促す表示が出ないと公式ヘルプに書かれています。

読ませたいセルは指示文に埋め込まず、範囲として渡すのが安全です。

「AI関数は使用できません」と出るときの原因は?

原因 どこで確認するか 対処
Business Starter や無料アカウントで使っている 管理コンソールの[お支払い]→ 契約中のエディション名 Standard 以上に変更する(30名で年288,000円の差額)
管理者が Gemini を有効にしていない 管理コンソールの Gemini の設定 情シス担当者に有効化を依頼する
言語の設定が対象外 Googleアカウントの言語設定 日本語は2025年9月以降に対応済み。表示言語を確認する
生成回数の上限に達した [生成]ボタンが押せない状態か 24時間待ってから再実行する
Box・Dropbox 経由で開いている シートの開き方(URL) Googleドライブ上のファイルとして開き直す

日本語対応は2025年9月下旬から順次始まり、反映まで最大15日ほどかかると案内されていました。

2026年10月時点で使えない場合は、言語よりもプランと管理者の設定を先に疑ってください。

管理者がGeminiの設定を確認する様子

社内で使わせる前に決めておくことは?

Google は、Workspace の生成AIでは顧客のコンテンツが許可なくドメイン外のモデル学習に使われることはない、と公開しています。

ただし、学習に使われないことと、何を入れてもよいことは別の話です。最低限、次の3つは決めておきましょう。

決めること 社内ルールの1行(そのまま使えます) 決めないと起きること
入れてよい情報 マイナンバー・口座番号・健康情報が入った列はAI関数で読ませない 必要のない個人情報までAIに渡る
結果の確認 社外に出す文章・金額に関わる分類は、必ず人が最後に見る 誤った分類のまま顧客に送ってしまう
Web情報の扱い Google検索から取った情報は、出典を確認してから使う 古い情報・誤った情報が台帳に残る

公式ヘルプにも「医療、法律、金融などの分野の専門的な助言として利用しないでください」と明記されています。

契約書の条文チェックや税務判断のように、間違えると損害が出る用途には使わないのが原則です。

生成AIの業務利用ガイドラインの作り方(C-compe) ➡

どれくらい時間が減る?30名の会社の試算

顧客アンケートの自由記述を、毎月「満足/不満/どちらでもない」に分類し、不満の内容を抜き出している会社を例に試算します。

項目 手作業の場合 AI関数を使う場合
月のアンケート件数 300件 300件
1件あたりの作業 読んで分類・抜き出しで30秒 結果の目視確認で5秒
月の作業時間 約2.5時間 約25分(生成待ち含む)
人件費換算(時給2,500円) 月約6,250円 月約1,000円
年間の差 — 約63,000円分の時間が浮く

※当社の試算です。件数が少ない会社では差額は小さくなります。
金額以上に効くのは、分類の基準が担当者ごとにぶれなくなることと、月末の集計が締め日に間に合うようになることです。

ExcelのCOPILOT関数とは何が違う?

Excel にも、セルからAIを呼び出す「COPILOT関数」が先行提供されていました。

しかしマイクロソフトは2026年8月13日に、COPILOT関数を2026年9月14日で提供終了すると管理者向けに告知しました(メッセージID:MC1454373)。

代わりに、Excel の Copilot サイドパネルで要約・分類・文章作成などを行うよう案内されています。

比べること スプレッドシートのAI関数 ExcelのCOPILOT関数
2026年10月時点の提供状況 提供中(日本語対応済み) 2026年9月14日で提供終了
使うための契約 Workspace Business Standard 以上(月1,600円〜) Microsoft 365 Copilot のライセンスと先行体験プログラムへの参加が前提だった
代わりの手段 — Copilot サイドパネル(Copilot Business は月3,148円〜)

Microsoft 365 を使っている会社で「Excel でもセルからAIを呼べる」と聞いて準備していた場合は、手順書やマニュアルの記載を見直してください。

サイドパネルは1回ずつの依頼が基本なので、何百行も同じ処理をしたい場合はスプレッドシートのAI関数のほうが向いています。

AI関数で足りなくなったら?次の選択肢

こうなったら 次の選択肢 目安
毎日・毎週同じ分類を手で[生成]している Google Workspace Studio で受信メールやフォーム回答を自動で分類・通知 追加料金0円(1人25フローまで)
分類結果をもとに担当者を割り当てて追いかけたい AppSheet や kintone で問い合わせ管理アプリにする 1件ずつ状況を追う件数が月50件を超えたら
社外の文章を大量に作りたい Claude や ChatGPT の法人プランを併用 月の作成本数が数百本を超えたら

ツールの導入費用には、デジタル化・AI導入補助金が使える場合があります。

ただし、すでに契約している Google Workspace のプランを上げるだけでは対象になりにくく、交付決定前に発注したものは対象外です。
要件は年度ごとに変わるため、公募要領の確認や専門家への相談が必要です。

デジタル化・AI導入補助金 公式サイト(一次情報) ➡

今日からできる3ステップ

ステップ やること 所要時間・費用
STEP1 管理コンソールで契約中のエディション名を確認する(Starter なら使えない) 5分・0円
STEP2 過去のアンケートや問い合わせ20件をシートに貼り、分類の指示文を1本だけ試す 20分・0円
STEP3 出てきた分類を人が見直し、合っていた割合を数えて「どの業務に使うか」を決める 15分・0円

STEP3で8割以上合っていれば、その業務は「AIで分類して人が確認する」形に置き換えられます。
合わない場合は、選択肢の決め方や判断基準の書き方を見直すと改善することが多いです。

AI関数の使い方を社内で確認する担当者

よくある質問

Q. 無料のGoogleアカウントでAI関数は使えますか?

A. 使えません。法人なら Google Workspace の Business Standard 以上、個人なら Google AI Pro/Ultra の契約が必要です。
Business Starter も対象外なので、まず管理コンソールで契約中のエディション名を確認してください。

Q. 数字の計算や集計もAI関数に任せられますか?

A. おすすめしません。AI関数の出力はテキストで、他の関数の中にも入れられません。
集計は SUM や COUNTIF などの普通の関数で行い、AI関数は文章を分類したり要約したりする部分だけに使うのが確実です。

Q. 1,000行のデータを一度に処理できますか?

A. 1回に生成されるのは選んだセルのうち最初の350個までです。350行ずつ選んで生成を繰り返してください。
短時間に大量に生成すると上限に達し、24時間待つ必要が出るため、締め切りの直前に大量処理するのは避けましょう。

Q. 顧客情報が入ったシートで使っても大丈夫ですか?

A. Google Workspace では顧客のデータが許可なくモデル学習に使われないと公開されていますが、口座番号やマイナンバーなど必要のない個人情報は読ませないのが原則です。
読ませる列を絞り、社外に出す結果は必ず人が確認するルールを決めてから使ってください。

まとめ

スプレッドシートのAI関数は、=AI(“指示”, 範囲) で要約・分類・文章作成を行ごとにまとめて片付けられる関数です。

使えるのは Business Standard 以上で、結果は[生成して挿入]で確定し、1回350セルまで、他の関数の中には入れられません。

実務では「AIで分類した列」と「普通の関数で集計する列」を分けるのがコツです。
まずは過去のアンケートや問い合わせ20件で試し、合っている割合を確かめてから業務に組み込んでください。

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