Googleサイトで社内ポータルを作る方法|中小企業向けの事例とテンプレート
「全社への連絡やマニュアル、各種申請フォームがあちこちに散らばっていて探すのに時間がかかる」――そんな課題は、Google Workspace に標準で含まれる「Googleサイト」を使えば、専門知識ゼロ・追加費用ゼロで社内ポータル(社内の情報を一か所に集めた入口ページ)として解決できます。
本記事では、中小企業の経営者・情シス担当者に向けて、Googleサイトで社内ポータルを作る具体的な手順、実際の活用事例、最初に載せるべきコンテンツのテンプレート、そして「自作で十分なケース」と「専用ツールが必要なケース」の判断基準までをまとめて解説します。
結論を先にお伝えすると、従業員数が30〜100名前後で「まず情報の入口を一本化したい」という段階なら、Googleサイトの社内ポータルで十分に効果が出ます。
一方で、双方向のやり取りや高度な検索が必要になってきたら専用ツールへの移行を検討する、という二段構えが現実的です。
そもそも社内ポータルとは?なぜ中小企業に必要なのか
社内ポータルとは、社内の情報・ツール・申請窓口などへの「入口」を一つのWebページにまとめたものです。
玄関(ポータル=門)のように、ここを開けば「全社のお知らせ」「就業規則やマニュアル」「経費精算や勤怠の申請フォーム」「よく使うシステムへのリンク」にすぐたどり着ける、という状態を作るのが目的です。
中小企業でありがちなのが、情報がメール・チャット・共有フォルダ・紙に分散し、「あの資料どこだっけ?」を毎回担当者に聞いて回る状態です。
この「探す時間」「聞く・答える時間」は、人数が少ない会社ほど一人あたりの負担として重くのしかかります。
社内ポータルは、この“情報の迷子”をなくし、問い合わせ対応や新人教育の手間を減らすための、地味ですが効果の大きいデジタル化施策です。
なぜGoogleサイトで社内ポータルを作るのか?5つのメリット
社内ポータルを作る手段はいろいろありますが、すでに Google Workspace を使っている(またはこれから使う)中小企業にとって、Googleサイトには次のような利点があります。
- 追加費用がかからない:GoogleサイトはGoogle Workspaceの標準機能。新たなツール契約が不要です。
- ノーコードで作れる:HTMLやデザインの知識は不要。文章を打ち込み、ブロックを並べる感覚でページが完成します。
- Googleの各サービスと連携できる:スプレッドシート・ドキュメント・カレンダー・フォーム・ドライブをそのまま埋め込めます。マニュアルや申請フォームを“リンク”ではなく“ページ内表示”できるのが強みです。
- 権限管理がアカウント単位で安全:「社内(自社ドメイン)の全員に公開」「特定部署だけ」といった公開範囲を、Google Workspaceのアカウントで制御できます。
- スマホでも見やすい:自動でスマホ表示に最適化されるため、現場やテレワークでも閲覧できます。
「まず無料の範囲で、業務フローのデジタル化を一歩進めたい」という中小企業の最初の一手として、Googleサイトはコストパフォーマンスに優れた選択肢です。
Googleサイトで社内ポータルをどう作る?6ステップの手順
実際の作成は、慣れれば1〜2時間ほどで“たたき台”が完成します。基本の流れは次の6ステップです。

- Googleサイトを新規作成する:Googleサイト(公式)にアクセスし、「空白のサイト」を選びます。
- サイト名とトップのタイトルを入力する:「○○株式会社 社内ポータル」など、誰が見ても用途が分かる名前にします。
- テーマ(デザイン)を選ぶ:右側メニューの「テーマ」から色・フォントを選択。コーポレートカラーに寄せると統一感が出ます。
- コンテンツを配置する:テキスト・画像・ボタン・分割線を「挿入」から追加。お知らせ欄・リンク集・問い合わせ先などのブロックを並べます。
- Googleのファイルやカレンダーを埋め込む:「挿入」からスプレッドシート(社内連絡先一覧など)やGoogleカレンダー(全社予定)、Googleフォーム(各種申請)を埋め込みます。
- 公開範囲を設定して公開する:右上「公開」から、URLを決めて「自社ドメインの全員」などに公開範囲を限定して公開します。
ポイントは、最初から完璧を目指さないこと。
まずトップページだけ作って公開し、運用しながら「よく聞かれること」を足していくと、現場で本当に使われるポータルに育ちます。Googleサイトの基本操作をより詳しく知りたい方は、下記の解説記事もあわせてご覧ください。
中小企業はどんなコンテンツを載せるべき?活用事例とテンプレート
「箱は作れたが、何を載せればいいか分からない」という声はよく聞きます。
中小企業の社内ポータルで効果が出やすい構成を、用途別に整理しました。まずは下表の「最初に載せる5項目」から始めるのがおすすめです。
| 載せるコンテンツ | 使うGoogle機能 | 解決できる課題 |
|---|---|---|
| 全社のお知らせ・連絡 | テキスト/お知らせ欄 | メール埋もれの防止 |
| 就業規則・各種マニュアル | ドキュメント/ドライブ埋め込み | 「どこ?」の問い合わせ削減 |
| 経費・勤怠・備品などの申請 | Googleフォーム | 紙・口頭申請のペーパーレス化 |
| 全社スケジュール | Googleカレンダー埋め込み | 予定確認の手間削減 |
| よく使うシステムへのリンク集 | ボタン/リンク | ログイン先探しの解消 |
さらに余裕が出てきたら、「新入社員向けオンボーディングページ」「プロジェクトごとの進捗ページ」「ヘルプデスクのよくある質問」などを追加すると、問い合わせ対応や教育の負担がさらに軽くなります。
Googleフォームやスプレッドシートを使った社内業務の効率化は、ノーコードツール「AppSheet」と組み合わせるとさらに広がります。
Googleサイトでは何ができない?限界と注意点
万能ではありません。導入前に知っておくべき“できないこと”を正直にお伝えします。
これらを理解したうえで使えば、後から「思っていたのと違う」となるのを防げます。
- 双方向のコミュニケーションができない:コメントや「いいね」、掲示板のような書き込みはできません。ポータルは“見る場所”であり、やり取りはチャット(Google Chat等)に分ける必要があります。
- ファイルの中身までは検索できない:ポータル内に置いた文書の本文を横断検索する機能は弱く、情報量が増えると目的の資料を探しづらくなります。
- ページ階層が深くできない:ページの入れ子は5階層までという制限があり、大規模で複雑な情報設計には不向きです。
- リンクの設定が苦手:別ページへのリンクや、階層構造に沿ったナビゲーション、ページ内の目次(見出しへのジャンプ)といったリンク設定の自由度が低く、ページ数が増えるほど目的の情報まで誘導しづらくなります。情報の階層が複雑な社内ポータルでは、ここがネックになりやすい点です。
- 細かいアクセス権の出し分けが苦手:「このページは経理だけ」といった部署別の細かな出し分けには工夫が必要です。
特に注意したいのが公開範囲の設定ミスによる情報漏えいです。
「リンクを知っている全員」を選ぶと社外にも見えてしまうため、社内ポータルは必ず「自社ドメインのユーザー」に限定しましょう。情報の取り扱いに不安がある場合は、Google Workspaceの権限・セキュリティ設計をあわせて見直すことをおすすめします。
自作(Googleサイト)と専用ツール、どちらを選ぶべき?判断基準
「無料のGoogleサイトでいくのか、有料の専用ポータルツールにするのか」は多くの企業が迷うポイントです。
判断の軸を比較表にまとめました。自社がどちらに当てはまるかをチェックしてみてください。

| 判断の軸 | Googleサイト(自作)が向く | 専用ツールが向く |
|---|---|---|
| 費用 | 追加費用をかけたくない | 機能に投資できる |
| 主な用途 | 情報の入口を一本化したい | ナレッジ検索・双方向が必要 |
| 情報量・規模 | 小〜中規模で十分 | 大量の文書を蓄積する |
| 検索性 | こだわらない | 全文検索が必須 |
| 使い勝手 | △ | 〇 |
当社(ICTオフィス相談室/アーデント)がご支援する中小企業では、「まずGoogleサイトで小さく始め、情報が増えて検索や双方向が必要になった段階で専用ツールへ移行する」という進め方が、ムダな投資を避けられて満足度が高い傾向です。
Googleサイトと代表的な専用ポータルツール「NotePM」の違いを詳しく知りたい方は、下記の比較記事をご覧ください。
社内ポータルを“使われる状態”にする運用のコツは?
社内ポータルでもっとも多い失敗は、作ったきり更新されず、誰も見なくなる「形骸化」です。
立派なものを一度作ることより、地味でも更新され続ける仕組みを用意することのほうが、定着には重要です。次の4点を最初に決めておきましょう。
- 「誰が・どの情報を・いつ更新するか」を決める:更新担当と頻度をあらかじめ割り当てます。担当が曖昧だと、すぐに情報が古くなります。
- 毎日見る“生きた情報”を載せる:全社カレンダーや今週のお知らせなど、毎日変わる情報を置くと、社員が自然にアクセスする習慣が生まれます。
- ページ名・リンク名のルールを統一する:Googleサイトは検索性が弱いため、名前の付け方をそろえておくと目的の情報にたどり着きやすくなります。
- 定期的に棚卸しする:四半期に一度など、使われていないページや古いリンクを見直す機会を設けます。
当社(ICTオフィス相談室/アーデント)がご支援する場合も、構築そのものより「運用が回る体制づくり」に時間をかけます。
ツールを入れて終わりにせず、現場で使われ続ける状態まで設計するのが、業務デジタル化を成果につなげるコツです。
補助金で本格的な社内ポータル・グループウェアは導入できる?
「将来的にはきちんとしたグループウェアやポータルを導入したいが、コストが心配」という場合、「デジタル化・AI導入補助金」などの制度を活用してコストを抑えられる可能性があります。
対象となるツールや補助率は年度ごとに変わるため、最新の公募要領の確認や専門家への相談が必要ですが、Google Workspace自体や周辺のクラウドツール導入が対象になるケースもあります。
アーデントは、補助金を活用したコスト削減と、業務フロー全体のデジタル化をセットでご支援しています。
「Googleサイトで自作するか/専用ツールを補助金で導入するか」の見極めから、設計・運用定着まで、自社に合った進め方をご提案します。
Google Workspaceの導入・運用について詳しくは、当社のサービス紹介もご覧ください。
よくある質問(Q&A)
Q. Googleサイトの社内ポータルは無料で使えますか?
A. Googleサイト自体はGoogle Workspaceの標準機能のため、Google Workspaceを契約していれば追加費用なしで利用できます。無料のGoogleアカウントでも作成は可能ですが、社内ポータルとして使うなら、独自ドメインや権限管理が使えるGoogle Workspace(法人向けプラン)の利用をおすすめします。
Q. 社外の人に見られない設定はできますか?
A. できます。公開時に公開範囲を「自社ドメインのユーザー」に限定すれば、社内の人だけが閲覧できます。誤って「リンクを知っている全員」にすると社外にも公開されてしまうため、設定は必ず確認してください。
Q. パソコンが苦手な担当者でも作れますか?
A. 作れます。Googleサイトは文章を入力し、ブロックを配置していくノーコード操作のため、専門知識は不要です。まずトップページだけ作って公開し、少しずつ育てていくのがコツです。
Q. 既存のスプレッドシートやマニュアルを活かせますか?
A. 活かせます。スプレッドシート・ドキュメント・ドライブ内のファイル・カレンダー・フォームはそのままページに埋め込めるため、今ある資料を作り直す必要はありません。
まとめ:まずは小さく始めて、業務フローのデジタル化を一歩前へ
Googleサイトを使えば、中小企業でも追加費用ゼロ・ノーコードで社内ポータルを作れます。
「全社のお知らせ・マニュアル・申請フォーム・スケジュール・リンク集」をまず一か所にまとめるだけで、“探す時間”と“聞く・答える時間”が確実に減ります。双方向のやり取りや高度な検索が必要になったら専用ツールを検討する、という二段構えが現実的です。
「自社の場合は何から手をつけるべきか」「補助金は使えるのか」など、社内ポータルや業務デジタル化のご相談は、ICTオフィス相談室(アーデント)までお気軽にお問い合わせください。
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