内線のクラウド化における市場動向や導入した際のメリット
近年、PBXに代替する技術として、クラウドPBXというものが話題になっています。従来のPBXの機能はそのままに、内線をクラウド化することによって、価格を抑えつつ、さまざまな機能が追加されたPBXです。
この記事では、内線のクラウド化における市場動向や導入のメリットを解説しています。内線電話の料金を抑えたい方、通話業務の効率化を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。
内線のクラウド化とは
固定電話に内線機能を持たせるには、PBX(電話交換機)をオフィスに設置しなければなりません。オフィスを新規で立ち上げる際は、新規設置費用と電話回線の開通、固定電話の用意が必要になります。
そこで、PBXをインターネットのサーバー上に置くことで、PBX設置の手間と費用が省けるクラウドPBXが話題になっています。
PBXをクラウド化すると、スマートフォンやタブレット、PCに内線・外線通話の転送が可能です。オフィスへの設置が不要になり、新規拠点を増やす際も、新規の番号追加だけで対応できるようになります。
内線のクラウド化における市場動向
総務省が公表している2018年度の音声サービスの加入契約数の状況を見ると、音声通信サービスの契約数は24,371件です。10年前と比較すると、約1.35倍になっています。
内訳に注目すると移動通信(携帯電話)での契約数は1.63倍に増え、固定通信は0.42倍になり減少していることから、今後、クラウドの内線化需要は増々高まることが予測されます。
また、2024年にNTT東日本・西日本がアナログ回線の提供を終了するため、それにあわせてクラウドPBXの需要は高まる見込みです。
内線をクラウド化した際に得られるメリット
内線をクラウド化すると、下記5つのメリットがあります。
・コストを大幅に削減できる
・端末や場所を問わず内線できる
・業務を効率化できる
・素早く導入できる
・メンテナンスをメーカーに任せられる
コストを大幅に削減できる
内線をクラウド化すると、初期費用・ランニングコストが大幅に削減できます。従来のビジネスフォンを利用するには、固定電話の設置とPBX(電話交換機)の工事、電話回線の開通工事が必要です。これでは、導入完了まで時間がかかり、お金がかかります。
内線をクラウド化すると、スマートフォンやPCを固定電話の代わりに使えるため、固定電話の設置が不要です。PBXシステムをクラウド上に構築するため、オフィス内にPBXを設置する必要もありません。
端末や場所を問わず内線できる
従来のPBXシステムは、同じオフィスに設置した固定電話しか利用できませんでしたが、クラウドPBXは、電話回線ではなくインターネット回線を使うため、お手持ちのスマートフォン・PCを固定電話の代わりに使えます。オフィス内、拠点間であれば内線通話扱いになり、通話料は無料です。
オフィスにかかってきた電話を、各社員に貸与したスマートフォンに転送できるため、場所を選ばず、テレワーク導入の際に役立ちます。
内線のクラウド化は拠点を増やす際も効果的です。従来のPBXを導入すると、再び固定電話の設置と電話回線・PBXの工事が必要になります。拠点を増やすたびにコストがかかってしまうのです。
クラウドPBXを利用していれば、拠点を増やしても、電話番号の追加という最小限の出費で済みます。PBX・電話回線の設置費用がいらなくなり、新たな拠点の電話番号を新規追加することで、固定電話の購入・設置が不要になるからです。
業務を効率化できる
従来のPBX・ビジネスフォンには、転送、保留といった便利機能がありましたが、内線をクラウド化すると、従来の機能はそのままに、業務を効率化できる機能を多数使えるようになります。
例えば、自動音声案内機能や全通話録音機能、顧客情報の表示機能、通話内容のテキスト化機能といった技術が、内線をクラウド化すると、簡単に使えるようになります。
例えば、コールセンターでは、電話対応だけでなく、次回の問い合わせや、類似の問題が発生した時のために会話の内容をまとめたドキュメントを作成しなければなりません。そういった際に、レポート機能や、通話内容の自動テキスト化機能があれば、負担が大きく減ります。
また、各電話機のステータス(待機中、対応中)を瞬時に把握して、顧客対応を手の空いているオペレーターに任せられる機能や、顧客とオペレーターの通話を聞いて、オペレーターだけに聞こえる通話でアドバイスをするといった機能はマネジメントにも便利です。
素早く導入できる
PBXや固定電話の設置、電話回線の開通といった作業が不要なため、導入スピードは従来のPBXよりも早くなっています。メーカーによって導入までの期間は異なりますが、最短即日で導入が完了するところもあります。
すぐにでも業務を効率化したい、テレワークを明日にでも始められるように環境を整えたい企業には最適なスピード感です。
メンテナンスをメーカーに任せられる
クラウドPBXはシステムがクラウド上に置かれるため、自社でメンテナンスをする必要がありません。管理・メンテナンスはメーカーが行うため、修理費用が不要です。システムに不具合が生じた場合もメーカーが対応してくれます。
従来のPBXでは、自社でメンテナンス・修理費用を捻出しなければならないので、メンテナンスをメーカーに任せられるのは大きなメリットです。
まとめ
スマートフォンが普及した現代の日本では、内線のクラウド化需要は増々高まることが予測されます。クラウドPBXは従来のPBXよりもコストカットができて、機能が多いからです。
コスト削減以外にも、端末や場所を問わず内線できる、業務を効率化できる、素早く導入できる、メンテナンスをメーカーに任せられるといったメリットがあるため、ぜひ導入を検討してみましょう。
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