GoogleWorkspace Frontlineとは?料金や機能、プランを比較解説
Google Workspace Frontlineは、 現場スタッフ向けに設計されたGoogle Workspaceのプランです。特に「現場スタッフにもGoogle Workspaceを利用してもらいたい」「本部と現場の情報共有をスムーズにしたい」と考えている企業に適しています。
本記事では、GoogleWorkspace Frontlineの料金や機能をプランごとに比較解説します。どのプランを選べば良いか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
GoogleWorkspace Frontlineとは
GoogleWorkspace Frontlineとは、現場で働く従業員(フロントラインワーカー)向けに設計されたクラウド型のグループウェアです。
これまでのGoogle Workspaceは、BusinessやEnterpriseといったデスクワーカー向けのプランが中心であり、現場業務を担う従業員に最適化されたプランは用意されていませんでした。そのため、現場スタッフにもGoogle Workspaceを導入する場合、コストの高いBusinessやEnterpriseプランを利用せざるを得ないのが課題でした。
こうした課題を解決するために登場したのが、Google Workspace Frontlineです。Google Workspaceは、「Frontline Starter」「Frontline Standard」「Frontline Plus」の3つのプランが提供されています。Frontlineでは、Google Workspaceの主要なツールを利用できます。
⚫︎Gmail
⚫︎Google Chat
⚫︎Google Meet
⚫︎Google ドキュメント
⚫︎Google ドライブ
これらのツールを活用することで、現場と本部間の情報共有や連携をリアルタイムで行えるようになります。さらに、従業員同士で個人のスマートフォンで安全にコミュニケーションや情報共有を行うことも可能です。
そもそも「現場スタッフ(フロントラインワーカー)」とは?
Google Workspace Frontlineは、社内の誰にでも割り当てられるプランではありません。Google公式ヘルプには、Frontlineエディションを使えるのは「現場スタッフ」に限られると明記されています。
Googleが示している現場スタッフの定義は、次の3つの特徴を持つ従業員です。
| 現場スタッフの主な職務の特徴 | 具体的な内容 |
| お客様や不特定多数の人に直接対応する | サービスの提供、サポート、商品の販売などを直接行う |
| ものづくりや配送に直接携わる | 製品やサービスの製造、配送を担当する |
| 人数が多く、スピードと連携が重要 | 会社の戦力の大部分を構成し、業務の遂行にはスピードと共同作業が欠かせない |
そのうえで、公式ヘルプでは該当する現場スタッフの例として、次のような職種が挙げられています。
⚫︎製造業の組み立て作業員
⚫︎レストラン、接客業、小売業のスタッフ
⚫︎農業、漁業、林業の従事者
⚫︎建設作業員
⚫︎主に屋外で作業するスタッフ
⚫︎コールセンターや交通機関のオペレーター
働き方の面でも定義があり、「シフト中やシフトをまたいで、ほかの現場スタッフと仕事用の端末を共有している」「決まった座席を持たず、移動しながら主にスマートフォンなどのモバイル端末で仕事をしている」といった特徴が挙げられています。
また、Google Workspace上で資料を新しく作ることは少なく、確認や閲覧が中心である点も定義に含まれます。たとえば、ドキュメントを作成するというよりも、取引を完了したり、カレンダーで会議の予定を確認したりといった使い方です。
【注意】本部の事務職・営業職・管理職には割り当てられません
公式ヘルプには「Googleが合理的な裁量により、要件を満たさないスタッフにライセンスが割り当てられていると判断した場合、該当の組織によるFrontlineエディションの使用を制限することがあります」と記載されています。安いからという理由だけで全社員にFrontlineを割り当てるのは、規約上のリスクがあるということです。
現実的な使い方は、本部のデスクワーカーはBusinessなどの通常プラン、現場スタッフだけFrontlineという組み合わせです。1つの契約のなかで複数のプランを混在させられるため、この分け方で全体のコストを抑えるのが基本になります。
参照:Frontline エディションの資格要件(Google Workspace ヘルプ)
Frontlineの料金や機能をプランごとに比較
Frontlineのプランごとの料金、主な機能を表にまとめましたのでご覧ください。
| プラン | Frontline Starter | Frontline Standard | Frontline Plus |
| 月額料金 ※年契約の場合 |
1ユーザー520円(税抜) | 1ユーザー1,360円(税抜) | 1ユーザー1,800円(税抜) |
| Gmail とカレンダー | ○ | ○ | ○ |
| Gmail の添付ファイル上限 | 送信25MB 受信50MB |
送信25MB 受信50MB |
送信25MB 受信50MB |
| 会議室・設備などの予約(カレンダー) | ○ | ○ | ○ |
| カレンダーの予約スケジュール/勤務場所の共有 | × | × | × |
| Chat とチャットルーム | ○ | ○ | ○ |
| Meet によるビデオ会議 | ○ | ○ | ○ |
| Meet の参加人数の上限 | 100人 | 100人 | 100人 |
| Meet の会議の最長時間 | 24時間 | 24時間 | 24時間 |
| Meet の録画(※1) | × | × | × |
| ドライブと Google ドキュメント/スプレッドシート/スライド/フォーム | ○ | ○ | ○ |
| 共有ドライブへの参加(※2) | 閲覧のみ | 閲覧のみ | 閲覧のみ |
| Google サイト | ○ | ○ | ○ |
| ビジネス向け Google グループ(メーリングリスト・共同トレイ) | ○ | ○ | ○ |
| AppSheet Core(ノーコードでアプリ作成) | ○ | ○ | ○ |
| Gemini アプリ(法人向けのデータ保護つき) | ○ | ○ | ○ |
| Google Vids(動画作成) | 視聴のみ | 視聴のみ | 視聴のみ |
| Outlook・IMAP/POP からの利用 | ○ | ○ | ○ |
| オフラインでの利用 | ○ | ○ | ○ |
| ユーザー数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| ユーザーあたりのメール、ドキュメント、写真の保存容量 | 5GB | 5GB | 5GB |
| 2段階認証プロセス | ○ | ○ | ○ |
| 99.9%の稼働率保証/スタンダードサポート | ○ | ○ | ○ |
| データ損失防止(DLP) | × | ○ | ○ |
| コンテキストアウェア アクセス(端末や場所に応じたアクセス制御) | × | ○ | ○ |
| ランサムウェア検出 | × | ○ | ○ |
| Google Vault(電子情報開示・データ保持) | × | ○ | ○ |
| 高度なデータエクスポート | × | × | ○ |
| 悪意のあるメールに関するレポートを調査する | × | × | ○ |
| Gmail・Chat・Meet の Gemini AI 機能 | × | × | ○ |
| クライアントサイド暗号化 | × | × | ○ |
参照:Frontline エディションの比較/Frontline エディション(Google Workspace ヘルプ)
参照:組織の共有ドライブを設定する(共有ドライブに対応していないライセンスを所有するユーザーのアクセス)
※1 Meetの録画は、Google公式の比較表のFrontlineの欄に記載がありません(Business Standard以上で提供される機能です)。
※2 Frontlineのユーザーは、社内の共有ドライブにメンバーとして追加することはできますが、付与できる権限は「閲覧者」のみです。メンバーであっても共有ドライブへのファイルのアップロードはできません。ただし、共有ドライブから直接共有されたファイルには、コメントや編集が許可されることがあります。なお、社外(他組織)の共有ドライブであれば、管理者を含む任意の権限を付与できます。
Frontlineの各プランの主な違いは、セキュリティ機能と管理機能の範囲です。
Frontline Starterは、基本的なコミュニケーション機能に特化した最小構成のプランです。メールやチャット、ビデオ会議といった機能を低コストで利用できます。Frontline Standardでは、Starterに加えてデータ損失防止(DLP)機能が利用でき、機密情報の外部流出を防止できるのが強みです。
Frontline Plusは最上位のプランであり、Standardの機能に加えて高度なデータエクスポートやセキュリティレポート機能が利用できます。
表だけではわかりにくい、契約前に確認したい3つの制限
Frontlineは価格が抑えられている分、通常のBusinessプランと比べて制限があります。導入後に「思っていたことができない」とならないよう、次の3点は事前に確認しておきましょう。
1.共有ドライブには「閲覧のみ」でしか参加できない(※2)
もっとも影響が大きいのがこの点です。Frontlineのユーザーは、部署やチームでファイルを保管する社内の共有ドライブにメンバーとして追加はできますが、付与できる権限は「閲覧者」だけで、メンバーになってもファイルをアップロードできません。ただし、共有ドライブから直接ファイルを共有された場合は、そのファイルにコメントや編集が許可されることがあります。
現場スタッフに「マニュアルや帳票を見てもらう」用途であれば問題ありませんが、「現場で作った報告書を共有ドライブに保存してもらう」という運用は成り立ちません。この場合は、Googleフォームやノーコードアプリ(AppSheet)から入力してもらう形に、業務の流れを設計し直す必要があります。
2.保存容量は1ユーザーあたり5GB(メール・ファイル・写真の合計)
Businessプランの30GB〜5TBと比べると、かなり小さい容量です。メール、ドキュメント、写真をすべて合わせて5GBなので、現場写真を大量に撮って各自のドライブに保存する使い方には向きません。写真や動画は本部側のアカウントの共有ドライブに集約するなど、運用の工夫が必要です。
3.Meetの録画やカレンダーの予約ページは使えない(※1)
Meetは100人まで・最長24時間の会議に参加できますが、Google公式の比較表には、Frontlineの録画機能の記載がありません(録画はBusiness Standard以上で提供される機能です)。また、カレンダーの「予約スケジュール(予約ページ)」や「勤務場所の共有」も、Frontlineの3プランすべてで利用できません。
朝礼や研修をMeetで録画して後から見返してもらいたい場合は、本部側のBusinessアカウントで録画し、動画のリンクを現場に共有する形になります。
Frontlineのプランを選ぶ際のポイント
Frontlineのプランを選ぶ際は、コストと機能のバランスに加え、セキュリティ要件や運用体制も考慮しましょう。
たとえば、現場スタッフへのアカウント付与を目的とする場合はStarter、情報漏えい対策を強化したい場合はStandard、監査対応や高度なデータ管理が必要な場合はPlusが適しています。
自社の運用体制やセキュリティ要件に応じて、最適なプランを選択しましょう。
まとめ
今回は、Google Workspace Frontlineの料金や機能、プランの違いについて解説しました。
Google Workspace Frontlineは、現場スタッフ向けに設計されたグループウェアであり、メールやチャット、ビデオ会議などの基本機能を安全に利用できる点が特徴です。Starter・Standard・Plusの3つのプランが用意されており、セキュリティや管理機能のレベルに応じて選択できます。
Frontlineを利用する際は、自社の目的や運用体制、セキュリティ要件を踏まえたうえで、最適なプランを選ぶことが重要です。現場のデジタル化や情報共有の効率化を進めたい企業は、ぜひGoogle Workspace Frontlineの導入を検討してみてください。
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