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請求書のOCR読み取りは月980円から|AI-OCRと受領サービスの比較と、精度より先に決める3つのこと【2026年版】

スマートフォンで紙の請求書を読み取り、データ化する様子

「取引先から届く請求書を、毎月1枚ずつ会計ソフトに手で打ち込んでいる」。
中小企業の経理担当の方から、いちばん多く伺う悩みのひとつです。

請求書のOCR(オーシーアール=紙やPDFの文字を読み取ってデータにする技術)を使うと、取引先名・金額・支払期日などを自動で読み取れます。

結論から言うと、請求書に特化したサービスなら月980円(税抜)+1件50円から始められます。

ただし、ツールを選ぶ前に決めておくべきことがあります。

読み取り精度の数字よりも、「月に何件届くか」「どこまで人が確認するか」「読み取った後どこへつなぐか」の3つで、選ぶべき製品も費用も変わるからです。

この記事では、各社の公式料金(2026年10月9日時点)をもとに、中小企業がどう選べばよいかを整理します。

この記事の結論(3行)
① 中小企業が請求書を読み取るなら、汎用のAI-OCRより「請求書受領サービス」のほうが安く早く始められます。読み取り後の仕訳・振込データまで一続きで作れるからです。
② 費用は「月額基本料+1件ごとの料金」の形が多く、月100件ならinvoxベーシックで月14,800円(税抜・AI読み取りのみ)です。手入力に月8時間以上かかっているなら、人件費で元が取れる目安になります。
③ OCRで読み取っただけでは電子帳簿保存法の対応にはなりません。保存の方法と、インボイスの登録番号の確認を別に決めておく必要があります。

30秒でわかる早見表(2026年10月時点・税抜)

サービス 初期費用 月額の目安 1件ごとの料金・条件
invox受取請求書 ミニマム 0円 980円 AI読み取り50円/人の確認つき100円
invox受取請求書 ベーシック 0円 9,800円 同上(仕訳データ生成・承認ワークフローつき)
invox受取請求書 プロフェッショナル 0円 29,800円 同上(API連携・確認時間の短縮つき)
バクラク請求書受取 中小規模は0円 20,000円〜 件数で変動・年間契約12か月一括払い
楽楽請求 100,000円 35,000円〜 受領枚数とオプションで変動・料金表は資料請求
マネーフォワード クラウド債務支払(ビジネス) 0円 6,480円(年払い) 支払依頼10件まで込み・11件目から1件300円
Bill One請求書受領 個別見積り 個別見積り 公式サイトに料金の掲載なし

※各社の公式サイトに掲載された料金です。読み取り機能の範囲や件数の数え方は製品ごとに違うため、契約前に必ず見積りで確認してください。

請求書のOCRとは?手入力と何が変わる?

請求書のOCRは、紙をスキャンした画像やPDFから文字を読み取り、取引先名・請求金額・支払期日・振込先などの項目に分けてデータにする仕組みです。

最近はAIを組み合わせた「AI-OCR」が主流で、取引先ごとにレイアウトが違う請求書でも、項目の位置を覚えさせずに読み取れるようになりました。

作業 手入力の場合 OCRを使った場合 人が残す作業
項目の入力 1件ごとに取引先名・金額・期日を打ち込む 数秒〜数分で自動入力 読み取り結果の確認
仕訳 勘定科目を毎回選ぶ 過去の仕訳から自動で候補を出す製品が多い 初回の科目設定
振込データ ネットバンキングに振込先と金額を再入力 全銀フォーマットのデータを自動で作れる製品がある 振込の承認
保存 紙をファイルに綴じる 画像とデータを1件ずつ紐付けて保存 保存ルールの決定

消えるのは「打ち込む」「探す」作業で、「確かめる」「承認する」作業は残ります。
ですから導入効果は、人を減らせるかではなく、同じ人数で月次の締めを何日早められるかで見るのが現実的です。

汎用のAI-OCRと請求書受領サービス、中小企業はどちらを選ぶ?

請求書を読み取る方法は、大きく3つあります。
違いは「読み取った後に何ができるか」と「最低いくらかかるか」です。

方法 最低費用の目安 読み取った後にできること 向いている会社
請求書受領サービス(invox・バクラク・楽楽請求など) 月980円〜35,000円 仕訳・振込データ・承認・保存まで一続き 月20〜500件の請求書を処理する中小企業
汎用AI-OCR(帳票全般を読むツール) 月数万円〜(年契約が多い) CSVを出すところまで。会計との連携は自社で設計 注文書・申込書など請求書以外も大量に読む会社
無料の手段(Googleドライブ・生成AI) 0円 テキストが取れるだけ。項目分けや保存は手作業 月10件以下で、まず試したい会社

中小企業で請求書だけを効率化したいなら、まず請求書受領サービスを見てください。

汎用のAI-OCRは読める帳票の幅が広いぶん、月額が高く、会計ソフトにつなぐ部分は自分で組み立てる必要があります。

ばらばらに届いた請求書と、1か所に集めて整理されたトレイ

無料で読み取る方法はある?

Googleドライブに画像やPDFを置き、Googleドキュメントで開くと文字がテキストになります。

月に数件ならこれで十分ですが、金額や期日を項目に分ける作業は手で行うことになります。

ChatGPTやGeminiに請求書の画像を読ませる方法もありますが、取引先の口座番号や金額を入力することになります。

使うなら、入力内容が学習に使われない会社契約のプランに限り、社内のAI利用ルールで「請求書を入れてよいか」を先に決めてください。

費用はいくらかかる?月の件数で比べると

請求書受領サービスの費用は、多くが「月額基本料+1件ごとの料金」で決まります。

件数が少ない月と多い月で金額が変わるため、平均ではなく直近12か月でいちばん多かった月の件数で見積もるのが安全です。

invox受取請求書の月額(税抜・2026年10月時点の公式料金で当社試算)

月の件数 ミニマム(AI読み取りのみ) ベーシック(AI読み取りのみ) ベーシック(全件を人が確認) この件数での選び方
30件 2,480円 11,300円 12,800円 振込データだけで足りるならミニマムで十分
50件 3,480円 12,300円 14,800円 仕訳まで自動化したいならベーシック
100件 5,980円 14,800円 19,800円 人の確認は金額と振込先に絞ると月5,000円抑えられる
300件 15,980円 24,800円 39,800円 月2万円台の他社サービスとも見積りを比べる段階

計算式は「月額基本料+件数×50円(人の確認つきは100円)」です。
ミニマムは振込データまでで、仕訳データの作成や承認ワークフローはベーシック以上の機能です。

比べる前にそろえる3つの数字
① 月の請求書の件数(いちばん多い月)……件数で月額が動く製品がほとんどです。
② 届き方の内訳(紙・PDF添付・Webダウンロード)……紙が多いとスキャンの手間が残ります。
③ 支払の承認者の人数……承認ワークフローが必要かどうかでプランが変わります。

手入力の人件費と比べると、何件から元が取れる?

1件の入力と仕訳に5分かかると仮定すると、月100件で約8時間、時給2,500円換算で月約21,000円分です(当社の目安で、各社の公表値ではありません)。

invoxベーシックの月100件は14,800円なので、この前提なら導入した月から人件費の範囲に収まります。

月の件数 手入力の時間(1件5分) 人件費の目安(時給2,500円) 判断の目安
20件 約1.7時間 約4,200円 無料の手段か、月980円のプランで十分
50件 約4.2時間 約10,400円 月1万円前後のプランが見合う
100件 約8.3時間 約20,800円 請求書受領サービスの導入で元が取れる
300件 約25時間 約62,500円 月2〜4万円のサービスでも十分に回収できる

ただし、時間の削減だけで判断すると「そこまで高くない」という結論になる会社もあります。

実際には、受領漏れによる支払い遅れ、二重払い、締め作業の属人化といった「起きると高くつく事故」を防ぐ効果のほうが大きいことが多いです。

主なサービスはどう違う?

invox受取請求書:月980円から、件数が少ない会社でも始めやすい

初期費用0円・ユーザー数無制限で、月額980円のミニマムから始められます。
AI読み取りは10秒前後、人の確認つきは数時間〜3営業日で返却されます(公式)。

公式サイトに「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠 補助金対象ITツール」と明記されています。10件まで無料で試せます。

invox受取請求書 公式サイト(料金表) ➡

バクラク請求書受取:月2万円〜、読み取りの速さと会計連携に強い

月額20,000円〜(税抜)で、中・小規模の事業者は初期費用が無料です。
ただし契約は年間契約で、12か月分の一括払いになります(公式)。

途中で解約できない前提で、最初の1年分の予算を確保できるかを確認してください。

バクラク請求書受取 公式料金ページ ➡

楽楽請求:初期10万円+月3.5万円〜、導入支援が手厚い

初期費用100,000円には、専任担当が2か月間伴走する導入支援が含まれます(公式)。
月額は受領枚数とオプションで変動し、料金表は資料請求で入手する形です。

公式のよくある質問では、楽楽請求はデジタル化・AI導入補助金2026の補助対象ではないとされています。

楽楽請求 公式料金ページ ➡

マネーフォワード クラウド債務支払:会計まで同じ会社でそろえたい場合

ビジネスプランは年払いで月6,480円、支払依頼10件まで基本料金に含まれ、11件目から1件300円です(税抜・公式)。
電子帳簿保存法オプションは月980円です。
2027年6月に料金体系の一部改定が予定されています。
マネーフォワード クラウド会計を使っているなら、仕訳の連携がいちばん手間なくつながります。

マネーフォワード クラウド債務支払 公式料金ページ ➡

こんな会社なら まず見るサービス そう言える理由
月50件以下で、まず小さく試したい invox ミニマム/ベーシック 月980円から、月契約で始められる
マネーフォワード クラウド会計を使っている マネーフォワード クラウド債務支払 仕訳の連携先が同じ会社で設定が少ない
月200件以上で、読み取りの速さを重視 バクラク請求書受取 年間契約が前提だが、処理件数が多いほど効果が出る
経理担当が1人で、導入作業に不安がある 楽楽請求 初期費用に2か月の導入支援が含まれる
補助金を使って導入したい invoxなど補助金対象ツールに登録された製品 対象外の製品では補助金が使えない
迷ったときの結論
月100件までなら、まずinvoxの無料トライアル(10件)で自社の請求書を読ませてみてください。
読み取り結果を見てから、会計ソフトとの相性や承認の流れで他社と比べても遅くありません。

読み取り精度はどこまで信用できる?

各社が「精度99%以上」とうたっていても、それは条件のそろった請求書での数字です。
実際の精度は、請求書の状態によって大きく変わります。

請求書の状態 読み取りやすさ 対策
取引先のシステムが出したPDF 高い AI読み取りのみで運用し、金額だけ目視確認
きれいにスキャンした紙 高い 200dpi以上・カラーでスキャンする
スマホで斜めに撮った写真 下がりやすい 真上から撮る・影が入らない場所で撮る
手書きの請求書 下がりやすい 人の確認つきのデータ化を選ぶ
2ページ目以降の明細 製品で扱いが違う 明細の読み取りが別料金か契約前に確認

経理担当者が請求書と画面の読み取り結果を照合する様子

運用では「全部を人が見る」か「金額と振込先だけ人が見る」かを最初に決めておくと、作業が増えすぎません。

振込先の口座番号を間違えると取り戻すのが大変なので、ここだけは必ず人が確認するルールにしてください。

OCRで読み取れば電子帳簿保存法とインボイスに対応できる?

ここは誤解が多いところです。
OCRで読み取ること自体は、電子帳簿保存法の要件ではありません。保存の方法は別に決める必要があります。

届き方 保存の義務 見落とすとどうなるか
PDF・メール添付・Webダウンロード 電子取引のデータとして電子のまま保存(2024年1月から義務) 印刷して紙で保存しても、電子データの保存義務は残る
紙で郵送 紙のまま保存、またはスキャナ保存の要件を満たして電子保存 要件を満たさないスキャンでは、紙の原本を捨てられない
スキャナ保存する場合 解像度200dpi以上・カラー、取引年月日・金額・取引先で検索できること など 読み取りはできても、保存の要件を満たしていないことがある

請求書受領サービスの多くは、電子帳簿保存法の要件を満たす保存機能を備えています。

契約前に「JIIMA認証を受けているか」「タイムスタンプや訂正削除の履歴に対応しているか」を確認しておくと安心です。

国税庁「電子帳簿保存法関係」(一次情報) ➡

インボイスの登録番号は読み取った後に確認する

2026年10月から、適格請求書ではない請求書の仕入税額控除は7割に下がりました。
そのため、請求書に書かれた登録番号が本当に有効かを確認する作業の重要性が上がっています。

登録番号は国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認できます。

請求書受領サービスの中には、読み取った登録番号をこのサイトの情報と自動で照合する機能を持つものがあるため、比較の際に確認してください。

国税庁 適格請求書発行事業者公表サイト ➡

電子帳簿保存法の電子取引データはどう守る?(c-compe) ➡

導入でつまずくのはどこ?

経理担当者が紙の請求書と画面の読み取り結果を照合する様子

つまずき 起きること 先に決めておくこと
請求書の届き先がばらばら 担当者の個人メールに届いた請求書が取り込まれない 請求書の受け取りアドレスを1つに決め、取引先に案内する
紙の請求書が多い スキャンの手間が残り、効果が半分になる 取引先上位10社にPDF送付をお願いする
勘定科目の初期設定 最初の1〜2か月は仕訳の修正が多い 取引先ごとの科目を最初に登録する
承認者が決まっていない 読み取りは早いのに承認で止まる 金額ごとの承認者を1行で決める
会計ソフトとの連携方式 CSVの形式が合わず手で直す 使っている会計ソフトとの連携実績を確認する
担当者が1人だけ 休暇や退職で処理が止まる 操作できる人を最初から2名にする

当社へのご相談でいちばん多いのは、ツールを入れたのに請求書の届き先が以前のままで、取り込み漏れが起きるケースです。

受け取りアドレスの統一は追加費用がかからず、効果がいちばん大きい準備です。

補助金は使える?

請求書受領サービスは、デジタル化・AI導入補助金の対象ITツールに登録されているものがあります。

ただし製品によって扱いが違い、invoxは公式に対象ツールと明記している一方、楽楽請求は対象外と公式に案内しています。

確認すること どこで確認するか 見落とすとどうなるか
その製品が対象ITツールか 補助金公式サイトのITツール検索 対象外の製品を選ぶと補助金が使えない
申請できる枠(インボイス枠・通常枠など) 公募要領(通常枠は補助率1/2以内が基本) 補助率や上限が変わる
発注のタイミング 交付決定の通知 交付決定前に契約すると補助の対象外になる
補助の対象になる利用期間 公募要領 年額の全額が補助されるわけではない

要件は年度で変わるため、最新の公募要領を確認し、必要に応じてIT導入支援事業者や専門家にご相談ください。

デジタル化・AI導入補助金 公式サイト(一次情報) ➡

今日からできる3ステップ

ステップ やること 所要時間・費用
STEP1 直近12か月の請求書の件数を月ごとに数え、いちばん多かった月の件数を書き出す 30分・0円
STEP2 届き方を紙・PDF添付・Webダウンロードに分けて数え、取引先上位10社を書き出す 20分・0円
STEP3 invoxなどの無料トライアルで、自社の実際の請求書を10件読ませてみる 30分・0円

STEP1とSTEP2の数字があれば、各社の見積りを同じ前提で比べられます。
STEP3で読み取り結果を見れば、自社の請求書で精度が足りるかがほぼ分かります。

よくある質問

Q. OCRを入れれば経理の入力作業はなくなりますか?

A. 打ち込む作業はほぼなくなりますが、読み取り結果の確認と承認は残ります。特に振込先の口座番号と金額は、必ず人が確認するルールにしてください。
効果は人を減らすことより、月次の締めを早めることに表れます。

Q. 月20件程度でも導入する意味はありますか?

A. 手入力の時間は月2時間弱なので、時間の削減だけでは大きな効果は出ません。ただし月980円のプランなら負担は小さく、請求書を1か所に集めて受領漏れを防ぐ目的なら導入する価値があります。
まず無料の手段で試すのも一つの方法です。

Q. 手書きの請求書も読み取れますか?

A. 読み取れる製品は増えていますが、印字された請求書より精度は下がりやすいです。
手書きが多い取引先がある場合は、人の確認つきのデータ化を選ぶか、取引先にPDFでの送付をお願いするのが確実です。

Q. ChatGPTに請求書を読ませるのとは何が違いますか?

A. 生成AIでも文字は読めますが、項目分けの結果がそろわず、仕訳や振込データ、法律に沿った保存までは行えません。
また取引先の口座情報を入力することになるため、使う場合は会社契約のプランと社内ルールが前提です。

まとめ

請求書のOCRは、請求書に特化した受領サービスなら月980円(税抜)+1件50円から始められます。
月100件なら月1万5千円前後で、手入力の人件費と比べて元が取れる目安になります。

選ぶ前に決めるのは、月の件数、人が確認する範囲、読み取った後の連携先の3つです。

そして、OCRで読み取ることと、電子帳簿保存法に沿った保存やインボイスの登録番号の確認は別の作業として準備してください。

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