テレワーク時の生産性に影響する要因調査アンケート
こんにちは!ICTオフィス相談室編集部です。
今回、全国のテレワークをしている人を対象に「テレワークと生産性の関係」についてのWEBアンケート調査(回答数205件)を行いましたので、ご報告させて頂きます。
テレワークで生産性がどう変わったか?
以下の質問をさせて頂きました。「テレワークする前の自分の生産性を 100% とした時、テレワーク後は何点なりましたか?数値で回答ください。(回答例 20%下がった場合:80%、40%上がった場合:140%)」

また、全回答の平均値をとると、以下の数字になりました。
テレワークをする前と比較してテレワーク中の生産性がどう変わったかの平均値は、
「91%」
一番多かった回答は、80%という回答で、次に多かったのが変わらないとする100%という回答でした。全体で平均をとると、少し下がったと感じた人が多かったようです。
次にこの生産性が下がったと感じた要因が何かを探っていきます。
調査方法として、生産性が100%のまま変化していない回答を除外し、生産性が100%より上がった回答を「生産性アップグループ」、100%より下がった回答を「生産性ダウングループ」としてまとめ、回答数に差があるので、その割合を比較して、要因を調べていきます。
性別による生産性の変化割合比較

性別による生産性への影響差があるかを比較してみましたが、性別に関係なく、生産性が下がったという回答が多かったです。若干女性の方が生産性が下がったという回答が多いようですが、明確な差ではありませんでした。
職種による生産性の変化割合比較

次に職種による差があるのかを比較してみました。特徴的だったのは、技術職(IT系)においては、明確に生産性が上がったという回答が多かったことです。パソコンに向かって集中して一人で開発するような作業に、テレワークが向いているといたということだと考えられます。また、その他という回答でも多かったのですが、どういった職種か不明なため、ここでは考慮から除外します。
なお、ほぼすべての職種で生産性が下がったという割合が多い中、営業職と技術職(IT系以外)の職種でも若干ですが、生産性が上がったという回答が多かったのが、目を引きました。営業では、ウェブミーティングの普及により、訪問が減ったことが生産性アップにつながった可能性があります。
逆に大きく生産性が下がったのが、「販売・サービス職」と「専門職(コンサルティングファーム、専門事務所、監査法人)」と「総務」でした。
職種により、生産性に影響があるのは、当然ですが、このアンケート結果でも、はっきりとした結果として現れています。
業種による生産性の変化割合比較

次に業種による比較を行ってみました。目を引いたのは「IT系」がやはり生産性アップグループの方が割合が多かったことと、「不動産・建設系」と「マスコミ系」「商社系」も生産性アップグループの方が割合が多かったことです。
逆に、「サービス系」の生産性ダウングループの方が割合がかなり多かったのが目を引きました。ただ、職種に比べると、業種による割合差は比較的小さく、どちらかというと職種の方が生産性への影響が大きそうです。
テレワーク頻度による生産性の変化割合比較

次に、テレワーク頻度による生産性への差を調べてみました。そうすると面白い結果でておりまして、テレワーク頻度が週に3回以上だと生産性アップグループの方が割合が多く、週に2回以下のテレワーク頻度だと、生産性ダウングループの方が割合が多いという結果になりました。
特に毎日テレワークという方では、生産性アップグループの割合が33%に対して、ダウングループが17%とほぼ倍の割合差がありました。
毎日もしくは週に3回、4回とテレワークをするということは、その環境を整えているということが推測され、結果生産性が上がっているのではないかと考えれます。
テレワークをする場合は、最低でも週に3回以上テレワークをしても大丈夫な環境づくりがポイントになると考えられます。
テレワーク時の生産性に影響する理由

テレワーク時の生産性に影響する理由を3つまで複数回答してもらったところ、「テレワークする環境」が一番多い回答となりました。次いで、「テレワーク環境を整えるITツール&通信ツール」「テレワーク時にコミュニケーションしやすい仕組みや環境」という順番になりました。
テレワーク時の生産性に影響する理由比較

次に、このテレワーク時の生産性に影響をする要因を生産性アップグループと生産性ダウングループで比較してみました。
そうすると、生産性アップグループでは、「テレワーク環境を整えるITツール&通信ツール」と「テレワークするための周辺機器」「個人の対応能力」などが要因と考える割合が多いことが分かりました。
逆に、生産性ダウングループでは、「テレワーク環境を整えるITツール&通信ツール」が要因と考える割合がかなり低く、それよりも「テレワーク時にコミュニケーションしやすい仕組みや環境」の方が割合が高くなりました。また、「上司とのコミュニケーション」においても、生産性ダウングループでは、要因と答えた割合が多くなりました。
つまり、コミュニケーションをとりながら仕事をする人は、生産性が下がりやすく、人とコミュニケーションをあまりとらず、個人で仕事をこなしていける人は、生産性が上がったと回答した人が多かったと考えられます。
このことから、テレワーク時に企業が行い対応策として、コミュニケーションをとりながら仕事する職種や役職の人たちには、気軽にコミュニケーションをとれるツールを導入したり、上司とコミュニケーションの場を積極的に作るといった対策が考えられます。また、個人で仕事ができる職種や役職の人には、ITツールやPC、ネットワーク環境を整える対策が有効と考えられます。
テレワークの生産性は何で決まる?
テレワークの生産性は「個人のやる気」ではなく、いくつかの構造的な要因で決まります。アンケートでも、できる人とそうでない人の差は本人の能力以上に環境と運用の差として表れました。主な要因は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業環境 | 通信速度・机・椅子・モニタが整わないと集中と効率が落ち、長時間ほど差が拡大する |
| コミュニケーション | 用件未満の相談がしにくく、判断や軌道修正が遅れ手戻りが増える |
| ITリテラシー | ツールを使いこなせるかで同じ業務でも所要時間が変わる |
| マネジメント手法 | 対面前提の管理が過剰化すると、監視感が士気と自律性を下げる |
重要なのは、これらがいずれも個人の努力では解消しにくい構造要因だという点です。逆に言えば、会社が環境・運用・育成に手を打てば生産性は底上げできます。原因を「リモートだから」で片づけず、どの要因が自社で効いているかを切り分けることが、対策の出発点になります。
中小企業は生産性をどう底上げする?
生産性の要因が構造的である以上、対策も仕組みで打つ必要があります。中小企業でも実行しやすく効果の高い打ち手は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業環境の支援 | 通信費補助やモニタ等の貸与で、自宅でも集中できる環境を整える |
| コミュニケーション設計 | 1on1の定例化・雑談チャンネル・仮想オフィスで接点を維持する |
| ITリテラシーの底上げ | 操作研修を継続実施し、世代間の習熟差を埋める |
| 評価の転換 | 在席や時間でなく成果で評価し、過剰な監視を不要にする |
ポイントは、単発の施策でなく評価制度とセットで設計することです。環境だけ整えても評価が旧来のままなら現場は動きません。当社はテレワークの生産性向上を、現状の要因分析から環境支援・コミュニケーション設計・評価制度の見直しまで伴走支援しています。
まず効果の出やすい環境支援と接点維持から着手することをおすすめします。
生産性底上げチェック

テレワークの生産性要因とは、在宅勤務時の業務効率を左右する要素のことで、本人の能力以上に作業環境・コミュニケーション・ITリテラシー・マネジメント手法といった構造的要因に左右されます。
通信や机・椅子・モニタが整わなければ集中と効率が落ち、用件未満の相談がしにくいと判断が遅れ手戻りが増え、ツールの習熟差は同じ業務の所要時間を変え、対面前提の過剰な管理は士気と自律性を下げます。
これらは個人の努力では解消しにくく、逆に会社が環境支援・コミュニケーション設計・ITリテラシー育成・成果評価への転換に手を打てば底上げできます。
重要なのは単発施策でなく評価制度とセットで設計することで、環境だけ整えても評価が旧来のままでは現場は動きません。
まず効果の出やすい環境支援と接点維持から着手するのが現実的です。
以下に、押さえるべき要点とその内容を整理します。
| 項目 | ポイント | 解説 |
|---|---|---|
| 環境 | 通信・机・モニタ支援 | 集中できる作業環境を会社が整える |
| 接点 | 1on1・雑談ch・仮想OF | 用件未満の相談機会を維持する |
| 習熟 | ITリテラシー研修 | 継続実施で世代間の差を埋める |
| 評価 | 成果評価へ転換 | 在席でなく成果で測り監視を不要に |
| 設計 | 制度とセット | 単発でなく評価制度と併せて設計 |
より詳しい一次情報は公式の解説もあわせてご確認ください。
この記事のよくある質問(FAQ)
本記事に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. テレワークの生産性は何に左右されますか?
A. IT環境(端末・回線・ツール)、業務の可視化と進め方、コミュニケーション設計、労務・評価ルールに左右されます。環境と運用の両輪が重要です。
Q. 環境整備はどこまで必要ですか?
A. 業務が滞らない端末・回線・セキュリティ・必要ツールが最低限です。過不足なく、業務を止めない水準を基準に整えることが重要です。
Q. コミュニケーション低下の対策は?
A. チャット/会議の使い分け、定例や情報共有の仕組み化、相談しやすい運用ルールが有効です。ツール導入だけでなく運用設計が要点です。
Q. 中小企業がまず着手すべきことは?
A. 対象業務とIT環境・セキュリティ・労務ルールの整理から着手します。小さく始めて課題を見直し、自社に合う形へ調整するのが現実的です。
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考察まとめ
本調査では、テレワークの頻度を週に3回以上にすることで生産性が向上している結果になりました。これは、ただ単純に頻度をふやせばいいというわけではなく、週に3回、4回、もしくは毎日テレワークをしても大丈夫な体制づくりを行ったうえで、頻度を増やすことで生産性が向上していくと考えられます。
そのために、コミュニケーションをしながら仕事をする職種や人の場合、コミュニケーションツールや上司からの積極的にコミュニケーションをする制度等が大事で、一人で仕事をすすめられるIT技術者のような人の場合は、ITツールやネットワーク環境、周辺機器を整えることで生産性の向上につながるということがわかりました。
テレワークをするための体制づくりとして、その人の職種や役職、性格もかかわっていると考えられますので、一人一人に「コミュニケーション」と「ITツールや周辺機器」のどちらを重視するかヒアリングしたり、その人の仕事がコミュニケーションをしながら進めていくものか、それとも一人ですすめていけるかで区別してから、実施していくことが効果的と考えます。
調査概要
| 名称 | テレワーク時の生産性に影響する要因調査 |
| 手法 | 外部調査会社を利用したWEBアンケート |
| 調査期間 | 2021年4月16日 ~ 2021年4月22日 |
| 調査対象者 | 居住地:1都3県 属性:テレワークをしている 年齢:20~59歳まで 職業:会社員 |
| 回答数 | 205 |
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