2022年小規模事業者持続化補助金の変更点まとめ
事業を行う上で有効に活用したい補助金制度。今回ご紹介する「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者向けの補助金制度であり、2022年にいくつか変更が行われました。
そこで本記事では、2022年に行われた小規模事業者持続化補助金の変更点について詳しく解説します。
そもそも小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金(正式名称:小規模事業者持続的発展支援事業)とは、小規模事業者向けの販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度のことです。
小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で申請します。
対象者
小規模事業者持続化補助金は、法人企業、個人事業主、特定非営利団体活動法人が対象となります。
業種 | 従業者数基準 |
商業・サービス業 | 常時使用する従業員の数が5名以下 |
宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数が20名以下 |
製造業・その他 | 常時使用する従業員の数が20名以下 |
その中でも、商業・サービス業は常時使用する従業員の数が5名以下、宿泊業・娯楽業・製造業などは常時使用する従業員の数が20名以下である必要があります。
過去に小規模事業者持続化補助金の採択を受けた事業者も、要件を満たしていれば申請可能です。
2022年に行われた小規模事業者持続化補助金の変更点
小規模事業者持続化補助金は、2022年に細かい部分の変更がありました。
ここでは、2022年に行わえた変更点について解説していきます。
変更点①ウェブサイト関連費が新たに追加!補助申請額全体の1/4が上限に
一つ目の変更点は、ウェブサイト関連費が新たな枠で追加された点です。
前回までは広報費に含まれていましたが、ウェブサイトやECサイトを構築・更新・改修するための経費は、ウェブサイト関連費として別枠で経費項目となりました。ウェブサイト関連費に関しては、ウェブサイト関連費のみでの申請ができないため注意が必要です。
また、ウェブサイト関連費は補助申請額全体の1/4が上限になります。
例えば、機械装置等費とウェブサイト関連費を一緒に補助金申請する場合、申請額の割合が機械装置3/4、ウェブサイト1/4であれば申請可能です。もし2つを同等の費用で申請しようとすると、ウェブサイト関連費が1/4を上回ってしまうため、注意が必要です。
変更点②補助上限額200万に引き上げられた特別枠が新たに追加
2つ目の変更点は、通常枠に加えて、特別枠が新たに追加された点です。
通常枠は今まで通り、補助率は2/3、補助上限は50万円となっています。
追加された特別枠に関しては、さらに5つの枠に分かれ、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠、インボイス枠が設置されています。特別枠の中でも、応募するための要件、補助率や補助上限に違いがありますので、それぞれ解説します。
類型 | 通常枠 | 特別枠 | ||||
賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後援者支援枠 | 創業枠 | インボイス枠 | ||
補助率 | 2/3 | 2/3 | 2/3 | 2/3 | 2/3 | 2/3 |
補助上限 | 50万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 100万円 |
賃金引上げ枠とは
販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が、地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者が該当します。
補助率は2/3、補助上限は200万円となっています。
卒業枠とは
販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて、事業規模を拡大する小規模事業者が該当します。
補助率は2/3、補助上限は200万円となっています。
後援者支援枠とは
販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園において、ファイナリストに選ばれた小規模事業者が該当します。
補助率は2/3、補助上限は200万円となっています。
創業枠とは
産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者が該当します。
補助率は2/3、補助上限は200万円となっています。
インボイス枠とは
免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者が該当します。
補助率は2/3、補助上限はインボイス枠のみ100万円となっています。
変更点③赤字事業者は補助率が3/4
赤字事業者は補助率が3/4に変更されました。「賃金引上げ枠」に取り組む事象者で直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロの事業者が対象です。
変更点④訴求適用は廃止
過去に使った経費を遡って経費計上する「訴求適用」は対象外となりました。
採択後に使用した経費しか認められないため、注意が必要です。
変更点⑤加点要素が豊富になった
例えば、パワーアップ型加点などの地域貢献をベースとした加点項目が追加されたことも今回の変更の大きなポイントになります。
画像引用元:R1補正・R3補正小規模事業者持続化補助金〈一般型〉ガイドブック
変更点⑥過去の採択者は直近の申請は不可能
補助対象者は、受付締め切り日の前十カ月以内に持続化補助金で採択されていないことが条件となっており、直近に同じ補助金を受給した事業者は申請できない期間があります。
申請のスケジュールについて
下記の通り、直近の受付は第10回です。事業支援計画書交付の受付締切が2022年12月2日となっています。申請を希望される方は、早めに準備を進めていきましょう。
画像引用元:R1補正・R3補正小規模事業者持続化補助金〈一般型〉ガイドブック
まとめ
今回は、2022年に行われた小規模事業者持続化補助金の変更点について解説しました。
補助金を申請することで、事業のサービスや技術の向上、売上アップなど、企業は様々なメリットを得られます。書類の準備など手間はかかりますが、有効に活用していきましょう!
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