人材開発支援助成金とは?補助対象や注意点を徹底解説
昨今の少子高齢化の進展に伴い、日本国内の労働人口減少が懸念されています。人材を採用・確保する難易度は、今後さらに高くなることが予測されているため、企業は従業員の能力アップや生産性向上に力を入れる必要があるでしょう。
しかし、人材育成を目的とした研修費用は高額なため、従業員数が多い企業ほど費用の負担は大きくなります。そこで活用したいのが「人材開発支援助成金」です。
本記事では、人材開発支援助成金の概要や補助対象、注意点などを詳しく解説します。
人材開発支援助成金とは
人材開発支援助成金とは、従業員の訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度のことです。事業主が雇用している従業員に対し、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練等を実施した際に適用できます。
人材開発支援助成金のコースは大きく7つ
人材開発支援助成金には、下記の7つのコースがあります。
●人材育成支援コース
●教育訓練休暇等付与コース
●人への投資促進コース
●事業展開等リスキリング支援コース
●建設労働者認定訓練コース
●建設労働者技能実習コース
●障害者職業能力開発コース
それぞれのコースの概要を解説します。
人材育成支援コース
人材育成支援コースは、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成するコースです。事業主や事業主団体等が対象となっています。
人材育成支援コースで対象となっている訓練は、下記の3つです。
①人材育成訓練(職務に関連した知識・技能を習得させるための10時間以上の訓練)
②認定実習併用職業訓練(厚生労働大臣の認定を受けた実習併用職業訓練)
③有期実習型訓練(有期契約労働者等に対し、正規雇用労働者等に転換するための訓練)
人材育成支援コースでは、対象となる労働者ごとに助成額・助成率が細かく設定されています。詳細は、下記の資料をご覧ください。
教育訓練休暇等付与コース
教育訓練休暇等付与コースは、有給教育訓練休暇制度(3年間で5日以上)を導入し、労働者がその休暇を取得して訓練を受けた場合に助成されるコースです。事業主を対象としています。
教育訓練休暇付与コースの助成額は、事業主単位で30万円です。ただし、訓練後に賃金要件や資格等手当要件を満たした場合は36万円が助成されます。
教育訓練休暇等付与コースの詳細は、下記の資料をご覧ください。
人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)のご案内(詳細版)
人への投資促進コース
人への投資促進コースは、デジタル人材・高度人材を育成する訓練や、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成するコースです。への投資促進コースで対象となっている主な訓練は下記のとおりです。
●高度デジタル人材訓練
●成長分野等人材訓練
●情報技術分野認定実習併用職業訓練
●定額制訓練
●自発的職業能力開発訓練
●長期教育訓練休暇等制度
人への投資促進コースの助成率・助成額は、訓練内容によって細かく規定されています。詳細は下記の資料をご覧ください。
事業展開等リスキリング支援コース
事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、新たな知識・スキルを習得させるための訓練を実施した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されるコースです。令和8年度までの期間限定の助成金となっており、申請事業主における被保険者が対象となっています。
事業展開等リスキリング支援コースの基本要件は下記のとおりです。
●OFF-JTにより実施される訓練であること
●実訓練時間数が10時間以上であること
●下記の①②に該当すること
①事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練であること
②事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合にこれに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練であること
事業展開等リスキリング支援コースの詳細は、下記の資料をご覧ください。
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)
建設労働者認定訓練コース
建設労働者認定訓練コースは、認定職業訓練または指導員訓練のうち、建設関連の訓練を実施した場合の訓練経費の一部や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合の訓練期間中の賃金の一部を助成するコースです。
中小建設事業主や中小建設事業主団体などが対象となっています。
建設労働者技能実習コース
建設労働者技能実習コースは、雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させた場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成するコースです。
障害者職業能力開発コース
障害者職業能力開発コースは、障害者の職業に必要な能力を開発・向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う場合にその費用を一部助成するコースです。障害者の雇用促進、雇用の継続を図ることを目的としています。
障害者職業能力開発コースの受給要件や助成額などの詳細は、下記のページをご覧ください。
人材開発支援助成金の主な賃金要件・資格等手当要件は、下記の資料を参考にしてください。
令和5年度版 人材開発支援助成金事業主様向け Q&A (賃金要件・資格等手当要件について)
人材開発支援助成金を利用する際の注意点
人材開発支援助成金で訓練経費の助成を受けるためには、「訓練等に要した経費を支給申請までに申請事業主が全て負担していること」が要件となっています。
また、次のケースに該当する場合、支給対象経費に該当しないため注意しましょう。
●教育訓練機関等から申請事業主への入金額と助成金支給額の合計が訓練経費と同額の場合
●教育訓練機関等から訓練に関係する広告宣伝業務の対価として金銭を受け取った場合
※訓練成果等に関するレビューや訓練を受講した感想・インタビューの実施など
●教育訓練機関等から、「研修の実施に際して費用負担がかからない」等、当該訓練を行うための負担軽減に係る提案を受け、提案の前後にかかわらず金銭を受け取った場合
●訓練等に付随して教育訓練機関等と締結した契約に基づき金銭を受け取った場合
人材開発支援助成金は何に効くか?
研修費の補助だけでなく、計画的な人材育成体制の構築に効く点が本質です。観点は次のとおりです。
① 対象:職業訓練・研修費用・賃金
② 範囲:DX人材育成・特定分野・専門知識
③ 計画:人材育成計画の策定
④ 要件:就業規則・対象労働者・実施時間
ポイントは、助成額だけでなく『人材育成計画の質』が本質という点です。要件は改定されるため公式確認が前提です。計画策定と就業規則を起点に整えることが出発点になります。なお最終的には、評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、
無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。加えて運用開始後も定期的に見直しを行い、現場の声をもとに小さく改善していく姿勢が、効果を持続させ無理のない定着を実現する鍵となります。
中小企業はどう活用すべきか?
活用は、人材育成計画と就業規則を整えて段階で進めることが重要です。押さえる進め方は次のとおりです。
① 計画:人材育成計画の策定
② 規則:就業規則・教育訓練規程の整備
③ 実施:対象労働者と研修の実施
④ 申請:必要書類と申請手順の整備
最大のつまずきは、計画策定や就業規則整備が不十分で要件を満たせないことです。当社は中小企業の人材育成と助成金活用を伴走支援しています。計画と就業規則を一体で整えることが、活用の要点になります。なお最終的には、
評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。加えて運用開始後も定期的に見直しを行い、現場の声をもとに小さく改善していく姿勢が、
効果を持続させ無理のない定着を実現する鍵となります。
人材開発支援助成金チェック

人材開発支援助成金とは、人材開発支援助成金は厚生労働省の助成金で、従業員の職業能力開発や研修費用の一部を補助する制度のことです。
研修費の補助だけでなく計画的な人材育成体制の構築に効く本質があり、職業訓練・研修費用・賃金の対象、DX人材育成・特定分野・専門知識の範囲、人材育成計画の策定、就業規則・対象労働者・実施時間の要件が観点となります。
助成額だけでなく人材育成計画の質が本質で、要件は改定されるため公式確認が前提です。
人材育成計画の策定、就業規則・教育訓練規程の整備、対象労働者と研修の実施、必要書類と申請手順の整備が要点で、計画策定や就業規則整備が不十分で要件を満たせない失敗を避け、計画と就業規則を一体で整えることが要点となります。
以下に、押さえるべき要点とその内容を整理します。
| 項目 | ポイント | 解説 |
|---|---|---|
| 対象 | 訓練/賃金 | 研修費 |
| 範囲 | DX/専門 | 特定分野 |
| 計画 | 人材育成 | 策定 |
| 規則 | 就業規則 | 教育訓練 |
| 最新 | 公式確認 | 厚労省 |
この記事のよくある質問(FAQ)
本記事に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. 人材開発支援助成金とは?
A. 厚生労働省の助成金で、従業員の職業能力開発や研修費用の一部を補助する制度のことです。
Q. どんな効果が期待できますか?
A. 研修費用の軽減に加え、社員のスキル向上・離職率低減・組織力強化など人材育成の効果が期待できます。
Q. 中小企業に向きますか?
A. 人材育成を強化したい中小企業に向きます。研修計画の策定と就業規則整備が前提です。
Q. 最新の助成内容はどう確認しますか?
A. 助成内容や要件は年度で改定されるため、必ず厚生労働省や労働局の公式情報で最新を確認することが重要です。
関連情報・お問い合わせ
まとめ
今回は、人材開発支援助成金の概要や補助対象、注意点などを解説しました。人材開発支援助成金には、下記の7つのコースがあり、それぞれ要件や助成額が異なります。
●人材育成支援コース
●教育訓練休暇等付与コース
●人への投資促進コース
●事業展開等リスキリング支援コース
●建設労働者認定訓練コース
●建設労働者技能実習コース
●障害者職業能力開発コース
人材開発支援助成金の申請を検討する際は、下記の厚生労働省のページからコースの詳細を確認しましょう。
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