令和5年度インボイス制度の税制改正大綱についてわかりやすく解説!
インボイス制度とは
インボイス制度とは、事業主が売上で預かった消費税から、支払った消費税を差し引く際に、専用のインボイス番号が必要となるルールです。
これにより、主に年間売り上げ1000万円未満の非課税事業者からも、適正に消費税を得ていこうという意図の制度です。
詳細は以下の記事をご覧ください↓
税制改正大綱とは
令和5年度の税制改正大綱が2022年12月に発表されました。
税制改正大綱とは、与党が、来年の税制改正についての法案をまとめて、閣議決定したものをいいます。いわば、翌年の税制改正の法案たたき台になります。
この後、2月に国会で審議を行い、3月に法案が成立していきます。施行は各内容ごとに開始時期が異なりますが、
4月からというものが一般的です。
この税制改正大綱を見ると、この先の税制が予測ができます。基本的にはそのまま成立するものがほとんどですので、今のうちからチェックして、備えておくのがいいでしょう。
令和5年度インボイス制度に関する税制改正大綱について
インボイス制度についても、今回の税制改正大綱にて、いくつかの項目が入りました。
以下詳しく解説していきます。
①小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置

免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合の負担軽減を図るため、納税額を売上税額の2割に軽減する激変緩和措置を3年間講ずることとします。
これにより、業種にかかわらず、売上・収入を把握するだけで消費税の申告が可能となることから、簡易課税を選択する場合より、事務負担も大幅に軽減されることとなります。
※免税事業者がインボイス発行事業者となったこと等により事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる者を対象とし、インボイス制度の開始から令和8年9月30日の属する課税期間まで適用できることとします。
【本則課税の場合】
例えば、年間売上2000万円(税別)の個人事業主がいた場合、本来は売上にかかる消費税は、2000万円×10%で200万円。
経費が仮に、1500万円(税別)かかっていた場合、1500万円×10%で150万円。
差し引き200万円 ー 150万円 で 50万円を納税すればいいことになります。
【簡易課税の場合】
本則課税で納税額を計算するのは、手間も結構大変です。そのため、手続きを簡単にする簡易課税制度というものがあります。
例えば、不動作業の場合、売上の40%が仕入れとみなして、売上の60%の消費税を納めればいいという制度になります。
(例)売上2000万円(税別)の不動業の場合、仕入れが40%の800万円あったとみなし、
差額の1600万円にかかる消費税、10%で160万円を納めればいいという制度です。
なお、このみなし税率は業種ごとに異なります。
簡易課税制度を適用するときの事業区分およびみなし仕入率は、次のとおりです。
事業区分 みなし仕入率 第1種事業(卸売業) 90% 第2種事業(小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る)) 80% 第3種事業(農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業) 70% 第4種事業(第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業) 60% 第5種事業(運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く)) 50% 第6種事業(不動産業) 40% ただし、こちらの簡易課税制度が使えるのは、前々事業年度の課税売上高が5000万円以下の企業、個人事業主しか使えません。
今回の税制改正大綱の内容によれば、
業種関係なく、無条件で売上の20%を計算根拠として、消費税を計算して納税すればいいという制度になりますので、卸売り業や、小売り、農業、漁業等を除けば、多くの業種で負担が減ることになります。
仮に、先ほどの年間売上2000万円の不動産業の場合、20%の400万円にかかる消費税10%で、40万円を納めればいいということになります。
②一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置
インボイス制度の実施にともなう、事務負担を軽減する観点から、基準期間(前々年・前々事業年度)における課税売上高が1億円以下である事業者については、インボイス制度の施行から6年間、1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくとも帳簿のみで仕入税額控除を可能とします。
基準期間以外に特例期間もありまして、こちらの軽減措置に該当するかどうかの基準は、以下の通りです。
| 種別 | 基準期間 | 特例期間 |
| 個人 | 前々年の1月1日~12月31日で売上1億円以下 | 前年の1月1日から6か月間で売上5000万円以下 |
| 法人 | 前々年の事業開始日から1年で売上1億円以下 | 前年の事業開始日から6か月間で売上5000万円以下 |
なお、こちらに該当すれば、請求書や領収書の保存がなくとも、仕入れ税額控除は可能ですが、経費として帳簿に記録するにあたり、電子帳簿保存法が始まると、データで受け取った領収書や請求書やデータで電子帳簿保存ルールに基づいた保存が義務となり、そちらに抵触してしまいます。紙で受け取った請求書、領収書も紙で保管をしていくことになるかと思いますので、
実務上は、やはり保存していくことになるのではないかと考えます。
電子帳簿保存法については、以下を御覧ください↓
③少額な返還インボイスの交付義務の見直し

返還インボイスとは、返品や値引き等を行う場合に、金銭を変換することになった場合、今までは不要だった値引きを受ける側のインボイス番号を把握するため、インボイス(適格請求書)の発行が必要となります。
ただし、こちらも事務負担軽減のため、1万円未満については交付を不要とする案です。返品が多い業種には、かなりありがたい措置ですね。
税制改正大綱のインボイス見直しはどう捉える?
大綱は『方針』であり、最終要件は法令・通達で確定する点を踏まえて捉えることが重要です。観点は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | 大綱は方向性で、確定要件は後続の法令・通達で定まる |
| 内容 | インボイス制度に関する負担軽減や事務の見直しが中心 |
| 自社影響 | 軽減措置の対象・期間・要件が自社に当てはまるか点検が要る |
| 確認必須 | 最終要件は国税庁の一次情報で確認し、誤解で対応を誤らない |
ポイントは、大綱の見出しだけで対応を決めず、確定要件と自社の取引・事務の整合を点検する点です。負担軽減があっても適格請求書の基本対応の重要性は変わりません。国税庁の一次情報で最新を確認することが、出発点になります。なお最終的には、
評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。
中小企業はどう対応すべきか?
対応は、現行運用の点検と最新要件の確認を順に行うことが重要です。押さえる進め方は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状点検 | 自社のインボイス対応(発行・受領・保存・事務)を棚卸しする |
| 変更把握 | 大綱・法令・通達の変更点と、軽減措置の自社該当を確認する |
| 整合調整 | 適用可否に応じ、事務運用・記帳・保存の過不足を調整する |
| 公式確認 | 最終要件は国税庁の一次情報で確認し、必要なら専門家に相談する |
最大のつまずきは、大綱の断片情報で誤解し、軽減措置の取りこぼしや過剰対応になることです。当社は中小企業のインボイス対応を、現状点検から変更把握・運用調整まで伴走支援しています。確定要件と自社運用の整合を公式で確認することが、失敗しない要点になります。
なお最終的には、評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。
インボイス税制改正大綱対応チェック

令和5年度インボイス税制改正大綱とは、令和5年度のインボイス制度に関する税制改正大綱の要点のことで、大綱は方針であり最終要件は法令・通達で確定する点を踏まえて捉えることが重要です。
大綱は方向性で確定要件は後続の法令・通達で定まり、インボイス制度に関する負担軽減や事務の見直しが中心で、軽減措置の対象・期間・要件が自社に当てはまるか点検が要り、最終要件は国税庁の一次情報で確認し誤解で対応を誤らないことが観点で、
大綱の見出しだけで対応を決めず確定要件と自社の取引・事務の整合を点検し、負担軽減があっても適格請求書の基本対応の重要性は変わりません。
自社のインボイス対応の棚卸し、大綱・法令・通達の変更点と軽減措置の自社該当の確認、適用可否に応じた事務運用・記帳・保存の過不足調整、最終要件の国税庁での確認と専門家相談が要点で、大綱の断片情報で誤解し軽減措置の取りこぼしや過剰対応になる失敗を避け、
確定要件と自社運用の整合を公式で確認することが要点となります。
以下に、押さえるべき要点とその内容を整理します。
| 項目 | ポイント | 解説 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 方針 | 確定は法令・通達 |
| 内容 | 負担軽減 | 事務見直しが中心 |
| 影響 | 点検 | 軽減措置の自社該当 |
| 調整 | 過不足 | 事務・記帳・保存 |
| 公式 | 最終確認 | 国税庁の一次情報 |
より詳しい一次情報は公式の解説もあわせてご確認ください。
この記事のよくある質問(FAQ)
本記事に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. どんな見直しがありましたか?
A. インボイス制度に関する負担軽減や事務の見直しが盛り込まれています。大綱は方針で、最終的な要件は法令・通達で確定するため確認が必要です。
Q. 中小企業に関係しますか?
A. 関係します。負担軽減措置の対象・期間・要件は事業規模等で異なるため、自社が対象か公式情報で確認することが重要です。
Q. 対応を見直す必要がありますか?
A. 必ずしも全面見直しではありませんが、軽減措置の適用可否や事務運用を点検し、過不足を調整することが重要です。
Q. 正確な内容はどう確認しますか?
A. 大綱は方向性であり、確定要件は法令・通達で定まります。必ず国税庁の一次情報で最新を確認し、専門家確認を前提にします。
関連情報・お問い合わせ
まとめ
本記事の内容は、まだ国会審議を経て、確定したものではありません。
ただ、基本的にはこの内容ですすむ可能性が高く、今のうちから理解をして、2023年10月から始まるインボイス制度への対応を考えておくべきでしょう。特に課税事業者になるか、考えている人、企業については、2割の特例措置はかなりありがたいですよね。
また、すでに課税事業者で、簡易課税を選択している場合、この特例措置を使うかどうか、税理士と相談するべきだと思います。
いずれにしろ国会審議が終わるのはもうすぐだと思いますので、その結果を待ちましょう!
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