DXとは？3つのステップを徹底解説
昨今のIT技術の進化やビジネス環境の変化に伴い、多くの企業がDX（デジタルトランスフォーメーション）に取り組んでいます。競争力の向上につながるDXですが、具体的に何から始めればよいのかイメージしにくい方が多く見られます。
DXを推進するためには、デジタイゼーション（Digitization）・デジタライゼーション（Digitalization）・デジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）の3ステップを段階的に進めることがポイントです。
本記事では、DX推進の3ステップについて詳しく解説します。
そもそもDXとは？
DX（デジタルトランスフォーメーション）とは、企業・組織がデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデル、業務プロセスを変革し、競争力を向上させる取り組みのことです。単にITツールを導入するだけではなく、組織全体の仕組みや考え方を根本から変える取り組みを指します。
先述したとおり、DXを推進する際は以下の3つを段階的に進めなければなりません。
●デジタイゼーション（Digitization）
●デジタライゼーション（Digitalization）
●デジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）
DXを推進する3つのステップ
ここでは、デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの概念について解説します。
1. デジタイゼーション（Digitization）
デジタイゼーションとは、アナログ情報をデジタル化するプロセスのことです。デジタイゼーションはDXの最初のステップであり、紙や手作業で行われていた情報をデジタルデータとして扱えるようにすることを目的とします。
【具体例】
・紙の書類をスキャナーでPDF化する
・手書きの記録をエクセルやデータベースに入力する
・工場の作業日報を電子化する
デジタイゼーション自体は「情報をデジタル化」するだけなので、業務全体の効率化やビジネスの変革にはつながりにくい場合があります。
2. デジタライゼーション（Digitalization）
デジタライゼーションとは、デジタイゼーションで得たデジタルデータを活用し、業務プロセスを効率化または自動化することです。デジタル化したデータを用いて業務の流れや仕組みを改善することを目的としています。
【具体例】
・PDF化した書類をクラウドストレージで一元管理し、社内全員がアクセス可能にする
・人手で行っていた経費精算を、専用のクラウドシステムで自動化する
・工場の生産管理をリアルタイムで把握できるソフトウェアを導入する
業務プロセスを効率化することで、人的なミスを削減したり、コストを削減したりといった効果が期待できます。迅速な意思決定にもつながるでしょう。
3.デジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）
デジタルトランスフォーメーションとは、デジタライゼーションを基盤にして、組織全体の構造やビジネスモデルを根本的に変革することです。新たな価値を創出し、企業の競争力向上を目指します。
【具体例】
・サブスクリプション型サービスの提供（製品販売から定額制のサービスモデルへの転換）
・顧客データを分析し、個々のニーズに合わせたパーソナライズされたサービスを提供
・従来の店舗販売からECサイトを活用したオンライン販売への移行
・AIやIoTを活用してリアルタイムで需要予測を行い、最適な在庫管理を実現
デジタルトランスフォーメーションを推進することで、他社との差別化を図り、競争優位性を確保できます。ただし、大規模な組織改革が必要になるため、経営層の強いリーダーシップが求められるでしょう。
デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの違い
デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーションの違いは下記のとおりです。
| デジタイゼーション | デジタライゼーション | デジタルトランスフォーメーション | |
| 目的 | アナログ情報をデジタル化する | デジタルデータを活用して業務プロセスを効率化する | ビジネスモデルや組織全体を変革する |
| 具体例 | ・紙の書類をPDF化する
・手書き記録をデータベースに入力する |
・PDFをクラウドで共有する
・経費精算を自動化する ・リアルタイムでの生産管理を実現する |
・サブスクモデルへの転換
・AIによる需要予測 ・オンライン販売への移行 |
| 効果 | 情報の保存・検索が容易になる | 業務プロセス全体の効率化、コスト削減 | 企業全体の競争力向上、新しい価値の創出 |
デジタイゼーションは、デジタライゼーションの基盤を築き、デジタライゼーションはDXの準備段階として機能します。
企業がDXを成功させるポイントは、各取り組みを段階的に進めることです。経営層が中心となり「DXを通じて何を実現したいのか」を明確にすることで、DX推進の具体的な計画を立案できるでしょう。
まとめ
今回は、DX推進の3ステップについて解説しました。
DXを推進するためには、デジタイゼーション（Digitization）・デジタライゼーション（Digitalization）・デジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）の3ステップを段階的に進める必要があります。経営層がビジョンを示し、全社員にDXの重要性を伝えることで社員の意識改革が進みます。
DXではITツールの導入やデータの活用が必要になるため、専門知識を持つ人材を外部か採用するのも一つの手です。まずは、企業の規模や業種に応じてスモールスタートで始めることをおすすめします。
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