令和5年度税制改正大綱の電子帳簿保存、変更点をわかりやすく解説!
電子帳簿保存とは?
2022年1月から電子帳簿保存法が改正され、すべて企業、個人事業主が対応が必要となっています。
具体的には、「電子取引」における請求書、領収書、契約書、見積書等については、電子データの保存が義務となっています。
なお、現在は2年間の猶予期間中ですが、2024年1月からは対応が必須となります。
そもそも電子帳簿保存について、詳しくない場合は、まずこちらを御覧ください↓
上記リンクを読んでから、以下を読むと理解しやすいかと思います。
令和5年度税制改正大綱における電子帳簿保存の改正点
令和4年12月23日に閣議決定された内容です。
①優良な電子帳簿の範囲変更
優良な電子帳簿の要件を満たす場合、過小申告加算税が5%軽減されます。税務署から指摘が入り、修正申告する場合に税額を抑えることができます。
その範囲が以下の様に変更される予定です。
・仕訳帳
・総勘定元帳
・次に掲げる事項
イ 手形(融通手形を除く。)上の債権債務に関する事項
ロ 売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含む。)その他債権に関する事項(当座預金の預入れ及び引出しに関する事項を除く。)
ハ 買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含む。)その他債務に関する事項
ニ 有価証券(商品であるものを除く。)に関する事項
ホ 減価償却資産に関する事項
ヘ 繰延資産に関する事項
ト 売上げ(加工その他の役務の給付その他売上げと同様の性質を有するもの等を含む。)その他収入に関する事項
チ 仕入れその他経費又は費用(法人税に係る優良な電子帳簿にあっては、賃金、給料手当、法定福利費及び厚生費を除く。)に関する事項
仕訳帳、総勘定元帳については、会計ソフト側で対応できると思います。そのため、イ~チまでの書類について対応すればいいということですね。
昨年の段階では、具体的にこのイ~チの範囲が決まっていなかったので、ここが具体化したのが、ポイントです。
【優良な電子帳簿保存を満たすための条件】
おさらいとして、優良な電子帳簿保存を満たすための条件についてご説明します。
以下の6つを満たすことで、優良な電子帳簿保存にすることができます。
項目 説明 ①電子計算機処理システムの概要書の備え付け 会計ソフト等のシステムのマニュアル等を備え付ける。基本はソフト側のマニュアルで構わないです。 ②見読可能装置の備え付け等 見読可能装置とはPCのディスプレイ等を指します。 ③ダウンロードの求めに応じる事 税務職員の求めに応じて、データをダウンロードして提出できるようにしておくことです。優良帳簿の要件を全て満たしている場合、優良な電子帳簿としては、この要件は不要になります。 ④電磁的記録の訂正、削除、追加の事実及び内容を確認することができる電子計算機処理システムの使用 優良な電子帳簿の要件を満たすには、訂正、削除、追加の履歴が確保できないといけません。 ⑤帳簿間での記録事項の相互関連性の確保 優良な電子帳簿の要件を満たすには、帳簿間での関連性が確保されている必要があります。 ⑥検索機能の確保 ダウンロードの求めに応じる場合は、検索機能のうち、範囲を指定して条件を設定できる機能及び、任意の項目を2つ以上組み合わせて検索できる機能は不要となる。
②スキャナ保存の見直し
スキャナ保存における解像度、諧調、大きさの保存用件廃止
スキャナ保存の際に、200dpi以上の解像度、256諧調(1677万色)以上、などの画像の条件があったのですが、これが廃止になります。読めればいいですよね。
入力者等に関する情報の確認要件廃止
誰がスキャンしたかわかるようにする必要がありましたが、これが不要になります。
相互関連性要件を契約書・領収書等に限定
スキャンした書類と帳簿との関連性を保持できるシステムが必要でしたが、この必要な範囲が契約書・領収書等の重要書類のみに限定されます。
重要書類と一般書類の分類については以下の表を御覧ください。
| 項目 | 例 |
| 重要書類 | 領収書、請求書、契約書等 |
| 一般書類 | 納品書、見積書、申込書等 |
たしかに、会計システム等で関連性をひもづけるとして、納品書・見積書までとなると、ちょっと難しいですもんね。
③電子取引の電子データの保存要件見直し
売上5000万円以下もしくは、税務署等から言われた際にすぐに提出できる場合は、検索要件が不要に
現行売上1000万円以下もしくは、言われた請求書・領収書等書類をすぐに提出できる場合、電子データ保存の義務がなかったのですが、これが売上5000万円以下にまで拡大しました。
注意したいのは、検索要件のみが不要になるということです。
以下の3つは必要となります。
| 項目 | 説明 |
| 「可視性」電子計算機処理システムの概要書の備え付け | 会計ソフト等のシステムのマニュアル等を備え付ける。基本はソフト側のマニュアルで構わないです。 |
| 「可視性」見読可能装置の備え付け等 | 見読可能装置とはPCのディスプレイ等を指します。 |
| 「真実性」以下のどれかの措置を行う A:タイムスタンプが付与された後の授受B:速やかにタイムスタンプを付与する(事務処理規定が必要)C:データの訂正、削除を行った場合に、その記録が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムを利用するD:訂正削除の防止に関する事務処理規定の備え付け |
Aについては相手が行う事ですので、現実的ではないかと思います。
Bはシステムが必要です。 Cですが、個人情報保護法においての削除要求があった場合に削除できないシステムはこの法律に抵触する恐れがありますので、要注意です。 Dの事務処理規定は別途用意が必要です。 |
なお、売上高5000万円以上の場合、もしくは書類の保存がバラバラで、すぐに必要な書類を印刷できない場合は、上記に加えて、「検索機能の確保」として、取引年月日、取引金額、取引先の3つの条件で検索が最低条件です。また、優良な電子帳簿を満たすには、さらに日付または金額の範囲指定検索ができること。2つ以上の項目での組み合わせ検索ができることが必要です。
ここが、今回一番のポイントで、検索要件として、金額・日付・相手方を都度入力していたと思いますが、今後は、きちんとフォルダわけしてすぐに提出できればいいということになります。
電磁的記録の保存をする人に関する情報の確認要件廃止
保存した人がだれか分かるようにする必要がありましたが、こちらが廃止になります。
相当の理由がある場合で、かつすぐに印刷できる場合は、要件を満たさない電子データ保存も可能
相当の理由として、従業員全員がかなり高齢でできないとか、システムを導入する余裕がないとかでしょうか。ここは具体的には明示されておりませんが、通常あまり認められないと思われます。
全ての企業、個人事業主が対応しなければいけないこと
相当の理由がある場合を除けば、電子取引における電子データ保存は必須となります。
その際に必要なのが、以下の要件です。
| 項目 | 説明 |
| 「可視性」電子計算機処理システムの概要書の備え付け | 会計ソフト等のシステムのマニュアル等を備え付ける。基本はソフト側のマニュアルで構わないです。 |
| 「可視性」見読可能装置の備え付け等 | 見読可能装置とはPCのディスプレイ等を指します。 |
| 「真実性」以下のどれかの措置を行う A:タイムスタンプが付与された後の授受B:速やかにタイムスタンプを付与する(事務処理規定が必要)C:データの訂正、削除を行った場合に、その記録が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムを利用する D:訂正削除の防止に関する事務処理規定の備え付け |
Aについては相手が行う事ですので、現実的ではないかと思います。
Bはシステムが必要です。 Cですが、個人情報保護法においての削除要求があった場合に削除できないシステムはこの法律に抵触する恐れがありますので、要注意です。 Dの事務処理規定は別途用意し、訂正削除を原則禁止し、どうしても訂正・削除を行う場合はそれを記録する社内ルールを作る必要があります。 |
つまり①会計ソフトやデータ保存システム等が必要。 ②ディスプレイが必要 ③タイムスタンプを打つシステム or 事務処理規定の備え付け
のこの①~③はすべての個人事業主、法人は対応が必要となります。
事務処理規定のひな形はこちらです↓
事務処理規定 ⇒法人のひな型はこちら ⇒個人のひな型はこちら
電子帳簿保存法を守らない場合のペナルティ
青色申告の取り消し
法人であれば、欠損金の繰り越しができる青色申告。個人であれば、最大65万円の特別控除が受けられる青色申告。これが取り消される恐れがあります。
経費が認められないリスク
電子取引の場合で、領収書を紙保管していた場合、経費として認められない可能性があります。
重加算税がさらに10%追加に
電磁的記録の記録事項に関し、隠蔽又は仮装がある場合、重加算税が10%加重されます。
おすすめの対応方法
一定の従業員数がいる場合、事務処理規定を説明し、それに基づいた運用をするのがかなり大変です。誤って、従業員が訂正してしまうとか、削除してしまうリスクはどうしても残るのではないでしょうか。
また、電子契約書、メールで届いた請求書・領収書は電子データ保存必須ですが、これをどう実現するのかというと、放り込んだら、自動的にタイムスタンプを打ってくれるシステムを導入する方が楽でしょう。
また、領収書の経費精算は従業員側で行う処理だと思いますが、データの領収書は、データのまま保存が必要です。また、すぐに提出できるように一定のフォルダわけ等が必要でしょう。全従業員にそれをしっかりと実行してもらうのは大変ですので、経費精算システムの導入が便利になってきます。
オススメのクラウドシステム
①今回ご説明した電子データ保存、スキャナ保存の要件を満たすのが以下のマネーフォワードです。
こちらは会計ソフトですが、経費精算システムもついていますので、従業員がデータで受け取った領収書の処理をするときに、便利です。
②電子契約書、請求書、領収書等も含めて、自動的にタイムスタンプを打つシステムとしてfreeeサインというサービスがおすすめです。
こちらは、代理店パートナーにのみ展開されている文書保管プランというものがありまして、そちらはフォルダわけもでき、容量無制限に保存ができて、タイムスタンプを打てるので、便利です!
ワークフローツールと連携して、例えば、指定のgoogleドライブに保存したデータを自動的に、freeeサインにアップして、タイムスタンプを打つということも実現できます!
2023年末までの猶予期間が終わる前に、電子帳簿保存法について詳しく知っておきたい、今のうち何をしなくてはいけないのか知りたいという方は、ぜひ本記事を参考にしていただけますと幸いです。
また、弊社では以下のサービスを行っております。
①マネーフォワード、freee、PCAクラウドなどの各種クラウド会計ソフトに加えて、楽楽精算などの経費精算ソフトも販売をしております。どのサービスが御社に最適なものか、比較・提案!
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※「電子帳簿保存法の記事を見た」とお伝え下さい。
税制改正大綱の電帳法変更はどう捉える?
大綱は『方針』であり、最終要件は法令・通達で確定する点を踏まえて捉えることが重要です。観点は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | 税制改正大綱は方向性で、確定要件は後続の法令・通達で定まる |
| 対象範囲 | 電子帳簿・スキャナ保存・電子取引保存の要件や猶予的取扱いの見直し |
| 自社影響 | 現行の保存要件・運用が改正後と整合するか点検が要る |
| 確認必須 | 最終要件は国税庁の一次情報で確認し、誤解で対応を誤らない |
ポイントは、大綱の見出しだけで対応を決めず、確定要件と自社運用の整合を点検する点です。要件緩和でも電子取引データの電子保存の重要性は変わりません。国税庁の一次情報で最新を確認することが、出発点になります。なお最終的には、
評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。
中小企業はどう対応すべきか?
対応は、現行運用の点検と最新要件の確認を順に行うことが重要です。押さえる進め方は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状点検 | 電子取引・スキャナ保存など自社の保存要件・運用を棚卸しする |
| 変更把握 | 大綱・法令・通達の変更点と、自社への影響範囲を確認する |
| 整合調整 | 改正後要件に対し過不足を調整し、保存ルール・運用を更新する |
| 公式確認 | 最終要件は国税庁の一次情報で確認し、必要なら専門家に相談する |
最大のつまずきは、大綱の断片情報で誤解し、要件未達や過剰対応になることです。当社は中小企業の電帳法対応を、現状点検から変更把握・運用更新まで伴走支援しています。確定要件と自社運用の整合を公式で確認することが、失敗しない要点になります。なお最終的には、
評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。
税制改正大綱対応チェック

税制改正大綱の電子帳簿保存変更点とは、令和5年度税制改正大綱の電子帳簿保存に関する変更点のことで、大綱は方針であり最終要件は法令・通達で確定する点を踏まえて捉えることが重要です。
税制改正大綱は方向性で確定要件は後続の法令・通達で定まり、電子帳簿・スキャナ保存・電子取引保存の要件や猶予的取扱いの見直しが対象で、現行の保存要件・運用が改正後と整合するか点検が要り、最終要件は国税庁の一次情報で確認し誤解で対応を誤らないことが観点で、
大綱の見出しだけで対応を決めず確定要件と自社運用の整合を点検し、要件緩和でも電子取引データの電子保存の重要性は変わりません。
電子取引・スキャナ保存など自社の保存要件・運用の棚卸し、大綱・法令・通達の変更点と影響範囲の確認、改正後要件への過不足調整と保存ルール・運用更新、最終要件の国税庁での確認と専門家相談が要点で、大綱の断片情報で誤解し要件未達や過剰対応になる失敗を避け、
確定要件と自社運用の整合を公式で確認することが要点となります。
以下に、押さえるべき要点とその内容を整理します。
| 項目 | ポイント | 解説 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 方針 | 確定は法令・通達 |
| 対象 | 保存要件 | 電帳・スキャナ・電子取引 |
| 影響 | 点検 | 現行運用と整合か |
| 調整 | 過不足 | 保存ルールを更新 |
| 公式 | 最終確認 | 国税庁の一次情報 |
より詳しい一次情報は公式の解説もあわせてご確認ください。
この記事のよくある質問(FAQ)
本記事に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. どんな変更がありましたか?
A. 電子帳簿保存・スキャナ保存・電子取引保存の要件や猶予的取扱いの見直しが行われています。要件緩和や運用見直しの方向を含み、最新確認が必要です。
Q. 対応をやり直す必要がありますか?
A. 必ずしも全面見直しではありませんが、自社の保存要件・運用が改正後の要件に合致するか点検し、過不足を調整することが重要です。
Q. 中小企業への影響は?
A. 要件の見直しで対応負担が変わり得ます。電子取引データの電子保存は引き続き重要で、改正内容を踏まえた運用整備が必要です。
Q. 正確な内容はどう確認しますか?
A. 税制改正大綱は方針であり、最終的な要件は法令・通達で確定します。必ず国税庁の一次情報で最新を確認し、専門家確認を前提にします。
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