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ネットが遅くなる全ての原因、輻輳とは?

輻輳 イメージ画像

近年、インターネットにおける国内でのデータ通信量が急増していると言われています。理由としては、企業でのリモートワーク、Zoomなどのオンラインミーティングの普及や、サブスクリプション型の動画配信サービスの視聴増加などが挙げられます。

そこで懸念されているのが、ネットワーク上の「輻輳(ふくそう)」です。会社や自宅にて、時間帯によってインターネットが遅くなったこと、一度は経験があるのではないでしょうか。その原因はこの輻輳によるものかもしれません。

本記事では、ネットワークの輻輳の原因や問題点、対処方法をまとめて紹介します

輻輳(ふくそう)とは

輻輳とは、多くのものが1箇所に集中し混雑を招いている状態のことを指します。ネットワークの分野においても同様であり、電話回線やネットワーク回線にアクセスが集中し、混雑している状況のことを輻輳と呼びます。

例えば、道路の交通渋滞などの場合、一本の道路で同じ方向に進む車が多く集まると渋滞し、車両が進む流れが遅くなります。これがいわゆる「輻輳」の状態です。インターネットの通信速度低下や電話回線が繋がりにくいという場合、この輻輳が原因となっているケースが多く見られます。

輻輳が起こる原因

ここでは、輻輳が起きてしまう主な原因を3つ解説します。

➀データ通信量の増加

輻輳の原因としてまず挙げられるのが、データ通信量の増加です。

データ通信量が増加したのには、会社や自宅でのインターネットの利用頻度が増えたことが関わっています。企業ではリモートワークの普及やクラウドサービス利用の増加、家庭ではSNSや動画サービスの利用増加が著しく、インターネットの利用が急増しています。

そのため、キャパシティ以上の通信不可がかかり、処理しきれない状況になっているのです。通信量の増加は、輻輳の根本的な原因と言えるでしょう。

➁共有型回線の利用

国内の多くの企業では、NTTのフレッツ光などのインターネット回線サービスを利用しています。その場合、複数の企業や一般家庭で1本の回線を共有する、共有型回線と呼ばれる回線を利用している状態です。

共有型回線は名前の通り、複数ユーザーで共有している形になるため、他のユーザーのデータ送受信量が多い時や、複数のユーザーが同じタイミングでインターネットを利用する場合、一度に多量の通信が発生します。その際に回線が混雑し、通信速度の低下などの輻輳を招いてしまうのです

③ネットワーク帯域の幅が適していない

ネットワーク帯域の幅が不十分な状態も、輻輳が起きやすくなります。ネットワーク帯域の幅とは、その回線がどれぐらいの通信量を処理できるかの容量のことを指します。一度に処理できる通信量は、帯域幅が広ければ多くなりますし、帯域幅が狭くなれば少なくなります。

例えば、回線の帯域幅が1Gbpsの場合、1秒間に1ギガのデータ通信が可能です。昨今、企業ではクラウドサービスの導入や、リモートワークの促進により、業務で利用するインターネット通信量が増えています。自社の回線の帯域幅が以前のままであった場合、増えた通信量に対し容量が足らず、回線が混雑してしまって輻輳を引き起こす原因になります。

輻輳が起きることでの問題点

輻輳が起きることによる問題点は、主に以下の2つが挙げられます。

➀ネットワーク機器の処理速度低下

輻輳の最大の問題点は、ネットワーク機器の処理速度が低下することです。

ネットワーク機器内の一つ一つの小分けされた通信データのことを「パケット」と呼びます。たとえば、企業で大勢の社員が社内ネットワークへ通信した場合、各社員から大量のパケットがネットワーク機器に流れます。

ここで流れたパケットが、ネットワーク機器の既定の容量を超過した場合、ネットワーク機器はパケットを一度に処理しきれず、超過した分をバッファと呼ばれる領域に蓄積します。蓄積されたパケットは、バッファで待機し順番に処理されていきます。ここで待機が起こる分、データ処理速度が低下してしまうのです。

➁パケットロス

輻輳には「パケットロス」と呼ばれる問題点もあります。上記でネットワーク機器の容量を超えたパケットがバッファに蓄積すると解説しましたが、バッファの容量も超過し収まらなくなった場合、パケットロスと呼ばれる問題が発生します。

パケットロスとは、パケットが伝送中に破損したり消失したりすることで、通信先に正常に届かないことを指します。パケットロスが起きた際、パケットが正常に処理されるまで繰り返し伝送を行うため、ネットワーク機器に負荷をかけ続けてしまいます。その結果、ネットワーク機器への負荷が高まり、通信の遅延に繋がります。

輻輳の問題を改善する方法

輻輳の問題を改善する方法は、以下の3つです。

➀ネットワークの利用状況を把握する

まずは、自社におけるネットワークの利用状況を明確にしましょう。実際にどのような業務でインターネットを利用しているのかを可視化していきます。

たとえば、メールやWEBサイトの閲覧、オンライン会議、容量が大きい画像・動画の送受信などがある場合、具体的にどういった業務で利用することが多いのか、何名ぐらいの規模で利用しているのかを確認します。利用状況を知り、輻輳が起きるネックを突き止めれば、自社に適したネットワーク帯域に広げるなど、対策を講じることができます。

➁自社専有回線を利用する

共有型回線を利用している場合、自社の専有回線に変更することで改善が見込めます。前述した通り、共有型回線を利用していると、近隣の他のユーザーの影響を受ける可能性があり輻輳が起きやすいです。

一方で、専有型回線では、光回線を自社だけで利用可能なため回線を専有できます。専有型回線を利用することで、他のユーザーの通信に関わることがなくなり、輻輳するリスクを低減できます。

③IPoE接続のプロバイダにする

IPoE接続プロバイダとは、IPv6の長所を活かし、従来の接続方式の弱点を補える通信方式です。IPoE接続に変更すると、現在混在している網終端装置を経由しなくなるため、輻輳が発生しにくくなりま

プロバイダ側を変更することで輻輳の症状を軽減することが期待できますが、輻輳の原因が共有回線側にあった場合、プロバイダを変更しても改善されない恐れがあるため注意する必要があります。

まとめ

今回は、ネットワークにおける「輻輳」について解説しました

輻輳はいつ、どこで起こるか分からないものです。現状すでにインターネット回線の速度低下を感じているようであれば、対策を検討するべきでしょう。まずは、自社のインターネットの利用状況や、インターネット回線の契約内容を確認し、自社に適したネットワーク環境を整えていきましょう。

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