賃貸オフィス・貸事務所の原状回復ルールまとめ。住宅とは大きく違うので、要注意!
賃貸オフィス・貸事務所の原状回復工事費用は、すべて借主負担ってほんと?
<基本的考え方>
契約にもよるのですが、
基本的には貸事務所における床、壁、天井、照明の交換、鉄部の塗装などの原状回復費用は自然損耗かどうか関係なく、すべて借主負担となります。
これは、住宅と異なり、借りる方によって、事務所は使い方がまったくわからないため、
原状回復費用を借主負担とする考え方があるからです。
例えば、何も内装工事をしない企業もあれば、
中にはサロンを運営するために、
間仕切りを縦横無尽にして、個室をたくさん作っている企業様もいます。
こういったケースでは、
間仕切りの撤去だけで、かなりの金額がかかるため、
賃貸事務所では、原状回復費用は使い方によってかなり変わってきてしまいます。
そのため、
原状回復は基本的には借主負担として契約をするケースが多いです。
通常損耗という、普通に使っていて汚れた部分の原状回復についても、
借主負担となりますので、住宅とは大きく異なります。
裁判所の判例でもオフィス等の事業用物件の原状回復についての考え方がでております。詳細はこちらでご覧くださいませ↓
「店舗・オフィスビル等事業用建物賃貸借における原状回復特約の効力/不動産流通近代化センター」
マンションオフィスの場合原状回復はどうなるの?
マンションを事務所として借りた場合の現状回復については、
判例で住宅と同じルールで原状回復をすると判断したものがあります。
「小規模賃貸事務所の賃貸借において、原状回復費用は
ガイドラインにそって算定すべきとされた事例」
要約すると、マンションオフィスのような小規模物件では、
借主の使い方も限定されており、原状回復にかかる費用も予想できるので、
住宅の原状回復におけるガイドラインにそってやりましょう!
という内容です。
※ちなみにガイドラインはこちらです↓
「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて/国土交通省」
明け渡しは契約期間中ってほんと?契約終了よりも前に出なければいけないの?
こちらも契約書によって違うのですが、
一般的には、明け渡しのタイミングも住居と貸事務所では異なります。
住宅:契約終了までに退去し、明け渡し後に原状回復。契約期間終了後にすることも多い
賃貸オフィス:契約期間終了の2週間前には退去し、契約期間中に原状回復工事まで終わらせる。
万が一、原状回復工事が契約期間中に終わらない場合には、原状回復工事が終わるまで、賃料を借主が負担する。
「現状回復工事を行うタイミングについて、住宅と事務所の比較」
このように、住宅とオフィスでは、全然違いますので、 注意しましょう!!
※住宅は必ずしも契約期間後に行うとは限りません。
早めに退去された場合には契約期間中に行ってしまうこともあります。
実際のところ賃貸オフィスの原状回復費用の相場はいくら?
間仕切りの内装工事等、特別な工事を行っていないという前提で
一般的な壁紙張替え、床の張替え、天井塗装、電球交換、鉄部塗装、
全体のクリーニングを行うとした場合の
原状回復費用の目安相場は、坪単価2.5~3万円前後です。
仮に、20坪のオフィスであれば、
60万円(税別)が目安になると思います。
また、大型のタワービルなどをかりると、
坪単価4~5万円が現状回復費用の目安となります。
逆に、個人オーナーが所有している小規模ビルなどの場合、
坪単価2万円程度で収まるケースや、
住宅と同じルールで行い、クリーニングのみで済むケースもあります。
契約書の内容も大事ですが、ビルオーナーの判断で決まることも多く、
心配であれば、事前に確認しておきましょう!!
オフィスで賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書がついてきたらラッキー!
東京都では、
住宅を借りる際に「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」の説明が
不動産会社に義務づけられています。
入居中の修繕ルール、原状回復のルールが条例で細かく決まっておりまして、
原状回復では、ほとんどが貸主負担となる内容です。
しかし、こちらの条例は、
住居専用で、店舗、事務所は対象外となっています。
ただ、小規模のマンションオフィスであれば、
条例対象外とはなりますが、これに順ずる形で原状回復を行うこともよくありますし、
また、
住宅を専門に扱う不動産会社では、
オフィスの原状回復について知らないので、
いつもの取引の流れで、こちらの説明書を交付するケースもあります。
いずれにしろ、賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書を契約時に説明されたら、
原状回復費用は相当少ないと思っていいでしょう。
原状回復の費用負担はどう決まる?
原状回復は「退去時に揉めやすい」項目で、費用負担の決まり方を理解しておくことが重要です。押さえる観点は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約条項 | 負担範囲は契約書の特約で定まることが多く、まず条項の確認が起点になる |
| 事業用の特性 | 住居用と異なり、通常損耗・経年劣化も借主負担とする契約が多く範囲が広がりやすい |
| 入居時の状態 | 入居時の状態を記録していないと、元から有った損耗まで負担対象にされやすい |
| 原因の区分 | 借主の使用による損耗と、貸主負担とすべき範囲の切り分けが争点になりやすい |
ポイントは、原状回復は「退去時に考える」のでなく契約時・入居時から備える項目だという点です。契約条項を確認せず入居し、状態記録も取らないと、退去時に想定外の高額負担を求められやすくなります。まず契約内容と入居時の状態を押さえることが、
退去時に損をしない出発点になります。
費用を抑えるには何をすべき?
原状回復費は、事前準備と交渉で抑えられる余地があります。中小企業が押さえる進め方は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約の事前確認 | 入居前に原状回復の範囲・負担区分の条項を確認し、不明点は書面で確認する |
| 入居時記録 | 入居時の状態を写真等で記録し、元からの損耗との切り分け根拠を残す |
| 見積の比較 | 貸主指定業者の見積を鵜呑みにせず、範囲・単価の妥当性を確認・比較する |
| 範囲の交渉 | 通常損耗・経年劣化の扱いなど、負担範囲について根拠をもって協議する |
最大のつまずきは、契約条項を確認せず入居し、退去時に提示額をそのまま受け入れてしまうことです。原状回復は契約時の確認と入居時の記録で大きく結果が変わります。当社はオフィスの契約・退去に関する確認ポイントの整理を支援しています。
退去時でなく契約時から備えることが、無駄な負担を避ける要点になります。
原状回復チェック

オフィスの原状回復とは、賃貸オフィス・貸事務所を退去する際に、借りた状態へ戻すための工事と費用負担のことです。
負担範囲は契約書の特約で定まることが多く、住居用と異なり事業用は通常損耗・経年劣化も借主負担とする契約が多いため範囲が広がりやすい点が特徴です。
入居時の状態を記録していないと元から有った損耗まで負担対象にされやすく、借主使用による損耗と貸主負担範囲の切り分けが争点になりやすいため、退去時でなく契約時・入居時から備える項目です。
費用を抑えるには、入居前の契約条項の確認、入居時の状態記録、貸主指定業者見積の妥当性確認と比較、通常損耗の扱いなど負担範囲の根拠ある協議が有効で、契約条項を確認せず入居し提示額をそのまま受け入れる失敗を避け、
契約時から備えることが無駄な負担を避ける要点となります。
以下に、押さえるべき要点とその内容を整理します。
| 項目 | ポイント | 解説 |
|---|---|---|
| 契約 | 条項を先に確認 | 負担範囲は特約で定まる |
| 事業用 | 範囲が広い | 通常損耗も借主負担が多い |
| 入居時 | 状態を記録 | 元からの損耗と切り分ける |
| 見積 | 妥当性を確認 | 指定業者の額を鵜呑みにしない |
| 交渉 | 根拠で協議 | 負担範囲を協議する余地がある |
この記事のよくある質問(FAQ)
本記事に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. 原状回復は全額借主負担ですか?
A. 契約内容によります。事業用は特約で借主負担範囲が広いことが多く、契約書の原状回復条項の確認が重要です。範囲を把握しないと退去時に想定外の費用が生じます。
Q. 住居用と何が違いますか?
A. 住居用は通常損耗が貸主負担とされやすい一方、事業用は特約で借主負担範囲が広く設定されることが多い点が違いです。契約条項で範囲を必ず確認すべきです。
Q. 費用を抑えるには?
A. 入居時の原状確認と写真記録、契約時の原状回復範囲の明確化、相見積り、過剰な要求への根拠確認が有効です。退去前提で入居時から備えると抑えられます。
Q. 注意点はありますか?
A. 契約書の特約で負担範囲が大きく変わります。賃料だけで決めず、原状回復・中途解約条件まで契約前に確認し、想定外の退去コストを避けることが重要です。
関連情報・お問い合わせ
まとめ
いろいろと基本的な考え方をご説明いたしましたが、事業用物件では、契約自由の原則があり、契約書次第になります。弊社では、マンションオフィス、通常の賃貸オフィスともに数多くの仲介契約をさせて頂いておりますので、現オフィスの原状回復についても、まずはご相談下さいませ。

株式会社アーデント 代表取締役。2006年にオフィス専門不動産会社アーデントを創業。その後、オフィス賃貸仲介、ワークプレイス作りに10年以上携わり、合計500社以上のオフィス移転をサポート。2018年よりクラウドPBXを中心にネットワーク、通信分野を専門に400社以上の電話、ネット環境づくりをサポート。2022年より100以上のクラウドサービスの販売を開始。
IT導入補助金を使って、50社以上にクラウドツールを提供。IT活用による業務改善のDXコンサルを提供。ノーコードツールを使ったExcelやAccessからの基幹システム移行によるDX実績多数。
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