レンタルオフィスで起業するには?メリットや流れを解説
「レンタルオフィスで起業するとどんなメリットがあるの?」
「レンタルオフィスで起業する方法を知りたい」
上記のような疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
レンタルオフィスで起業するには、事務所選びが重要になります。月額料金や立地条件、サービス内容など希望の条件を明確にしておくべきです。
本記事では、レンタルオフィスで起業するメリットや流れについて解説します。レンタルオフィスで起業をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
レンタルオフィスとは
レンタルオフィスは、デスクやチェア、ネット回線など、ビジネスをするための最低限の環境があらかじめ整っている事務所です。
レンタルオフィスを契約すれば、他の人が使用できない自分専用のスペースを確保できます。レンタルオフィスは賃貸オフィスと、どのような違いがあるのかについて解説します。
賃貸オフィスとの違い
レンタルオフィスと賃貸オフィスでは、契約形態に違いがあります。賃貸オフィスは、家賃以外にも仲介手数料や火災保険料などが1.5年分かかります。一方で、レンタルオフィスならば、保証金しかかからないため、初期費用などを安く抑えることが可能です。
下記に、料金相場を表にまとめています。
レンタルオフィス 賃貸オフィス
保証金・敷金 賃料の3〜12か月 賃料の1か月分
礼金 なし〜2か月 不要
前家賃 賃料の1.5か月分 不要
前共益費 共益費の1.5か月分 不要
仲介手数料 賃料の1か月分 不要
火災保険料 1.5万円〜15万円 不要
賃貸オフィスは、2年間の年間契約を行うため、レンタルオフィスのように短期間での契約ができません。短期間だけ利用したい場合には、レンタルオフィスがおすすめです。
下記に、契約形態の比較を表でまとめています。
レンタルオフィス 賃貸オフィス
契約形態 不動産賃貸契約 サービス利用契約、施設利用契約
契約期間 2年契約が基本 1週間単位
シェアオフィスとの違い
レンタルオフィスとシェアオフィスでは、提供されるサービスに違いがあります。レンタルオフィスは、共有スペースのみ利用できるシェアオフィスと違って、個室タイプの専用スペースが割り当てられています。備品やOA機器は、共用になりますが、自社専用の個室が持てるのが特徴です。
一方でシェアオフィスは、1つのオフィスを複数の企業で同時にシェアして使う形態です。自分の仕事に専用スペースが必要かどうかで、レンタルオフィスかシェアオフィスにするか判断できます。
シェアオフィスは、他の方と一緒に利用するので、自分の荷物をデスクの上に広げて長時間の離席はできません。一方でレンタルオフィスならば、自分しか利用しない個室であるため、デスクの上で資料を保管したり、パソコンを置いたりできます。
貸し会議室との違い
レンタルオフィスと貸し会議室では、場所の移動が発生するかの違いがあります。貸し会議室を利用すると、仕事をするスペースからの移動が発生するため、忙しい時期には不便です。
また、会議に必要な資料や設備を持ち込むのに手間がかかります。会議をする機会が多い場合には、割高になるケースが多く、移動費用も発生します。
一方で、レンタルオフィスならばオフィス機能が備えられているため、必要な設備などをその場で自由に利用が可能です。また、初期費用を安く抑えられ、移動費用も発生しません。
レンタルオフィスで起業する利点と欠点
レンタルオフィスを利用して起業する利点と欠点について解説します。気になる初期費用やセキュリティに関することなど、参考にしてください。
メリット
レンタルオフィスで起業するメリットは、主に下記の3つです。
1. 初期費用を安く抑えられる
2. すぐに事業を開始できる
3. 都市部やビジネス街にオフィスを置ける
レンタルオフィスは、従来型賃貸オフィスと比較すると、初期費用が安いです。従来型賃貸オフィスは、入居時にオフィス賃料12か月分の費用や内装工事費用が必要であり、デスクやチェア、プリンターなどの購入費用もかかります。
一方でレンタルオフィスならば、初期費用が月額賃料の3か月分で済むため、従来型賃貸オフィスほど多くはありません。
また、入居したらすぐに事業を開始できます。レンタルオフィスは、内装工事費用が不要であり、デスクやチェア、ネット環境など設備が整った状態でパソコンや電話機を持ち込めば、すぐに事業を始められます。
都心部やビジネス街でオフィスを借りる場合は、月額賃料が高いです。レンタルオフィスであれば、同じ立地条件でも借りるスペースを小さくすれば、安い月額賃料で都市部にオフィスを構えられます。法人登記ができるレンタルオフィスを選ぶと、ホームページなどに記載する住所として利用できます。
住所の地域ブランド力の高い場所にレンタルオフィスを借りれば、知名度を利用して、顧客からの社会的信用度を高めることができるでしょう。
デメリット
レンタルオフィスで起業するデメリットは、主に下記の2つです。
1. セキュリティが不安
2. 内装を自由に選びにくい
レンタルオフィスは、パーテーションで仕切られていて、壁が薄いケースがあるため、セキュリティのチェックが必要です。
セキュリティが脆弱なオフィスの場合、パソコンの画面を他人に見られて、情報漏えいなどにつながると、顧客や取引先に被害を与えてしまう可能性があります。
受付の方がいる施設や入退室管理システムが整ったオフィスを選ぶと安心できるでしょう。また、レンタルオフィスで利用するWi-Fiルーターは、関係者以外のデバイスから接続されないよう、推測されにくいパスワード設定がある施設を選びましょう。
レンタルオフィスの場合は、自社事業のコンセプトに合った内装にしたくても自由に変更ができないケースがほとんどです。なぜなら、あらかじめオフィス環境が整っているため、間取りの変更が難しいからです。
しかし、レンタルオフィスのなかには、家具の持ち込み可能なケースがあります。家具の持ち込みができれば、自分好みのレイアウトにするのが可能です。内装にこだわりがあれば、内覧して、思い描くイメージに近いレンタルオフィスを選びましょう。
レンタルオフィスの起業に必要な費用
レンタルオフィスの起業に必要となる項目は、下記のとおりです。
● 賃貸物件の敷金・礼金、保証料
● リフォーム費用
● パソコン、ネットの通信費用
● デスクやチェアの購入費用
● 備品などの準備費用
● チラシなどの広報費用
● スタッフの人件費
● 開業にかかる費用
2022年度新規開業実態調査によると「起業費用は250万円未満」と「250万~500万円未満」です。また、4割以上を占めていて、250万円未満で起業する割合が増加傾向にあります。レンタルオフィスを利用すれば、デスクや備品などほとんどの項目がすでに備わっているため、起業の費用を大幅に下げることが可能です。
起業で必要となる費用や項目は、レンタルオフィスにより大きく異なってきます。利用を考えているレンタルオフィスの料金プランなどを事前に確認しておきましょう。
参考:2022年度新規開業実態調査 |日本政策金融公庫総合研究所
レンタルオフィスで起業する流れ
レンタルオフィスで起業する流れでは、下記の内容を解説します。
1. 事業計画を立てる
2. レンタルオフィスを探す
3. 内覧しに行く
4. レンタルオフィスを契約する
5. 入居して事業を開始する
ひとつずつ見ていきましょう。
事業計画を立てる
レンタルオフィスで起業する際には、まず事業計画を立てるべきです。なぜなら、事業計画や目的があいまいだと起業をしても成功が難しくなるからです。
事業計画を立てる場合には、下記の内容を決めましょう。
● 事業目的
● 個人・株式会社など起業の方法
● 必要な資金
● 起業のタイミング
● 起業の場所
起業する場合には、初期費用がどのくらいで、保証金や敷金がいくらになるのか把握しておくことが大事です。また、事業に必要な資金をどこで調達して、どのようにお金を運用していくかも重要になります。
資金調達には、銀行融資やクラウドファンディングなどの方法があります。資金調達をスムーズにするためには、レンタルオフィスの初期費用に余裕のある計画を立ててみましょう。
レンタルオフィスを探す
事務所として活用する際には、自分たちに合うレンタルオフィスを探しましょう。起業する場合には「定款」「登記申請書」「印鑑届出書」などの書類提出が必要です。定款などの書類を作成するには、会社の所在地を確定しなければなりません。
立地条件、月額料金など希望の条件を明確にしたうえで、比較検討をしてレンタルオフィスの候補をいくつかピックアップしましょう。
内覧しに行く
レンタルオフィスの候補を絞れたら必ず足を運んで内覧に行くべきです。なぜなら、ホームページや口コミからは、オフィスの雰囲気が掴みづらいからです。
内覧では、部屋の広さや使用する備品などを確認します。自室として利用するスペース以外に、ほかの利用者と共有で利用できるスペースがあるのか、どんな利用者がいるかも見ておきましょう。セキュリティの高い個室でありながら異業種の方と交流ができるレンタルオフィスもおすすめです。
また、レンタルオフィスの周辺環境や立地の利便性なども確認すべきです。コンビニなどよく利用する店舗が、オフィスの近くにあるかを自分の目で確かめることができます。
レンタルオフィスには、お試し利用できる施設もあるため、使い勝手や雰囲気を体験しておきましょう。
レンタルオフィスを契約する
利用するレンタルオフィスが決まったら、契約をしましょう。入居するスケジュールを考えて、契約を進めるとよいです。レンタルオフィスのサービス利用契約や施設利用契約は、入居審査が簡単なところが多いため、審査申し込みから数日で入居ができる場合があります。
レンタルオフィスによっては、賃貸借契約を結ぶ場合もあるため、契約期間を事前に確認しておきましょう。
入居して事業を開始する
初期費用や賃料1か月分の振り込みが確認できたら、鍵の引き渡しなどが行われます。レンタルオフィスに入居したら、すでに仕事に必要な備品は揃っているので、スムーズに業務を始められます。設備の利用方法などでご不明な点があれば、レンタルオフィス運営会社にお問い合わせをしましょう。
まとめ
本記事では、レンタルオフィスで起業するメリットや流れについて解説しました。
レンタルオフィスで起業すれば、初期費用を安く抑えられ、必要な備品も揃っているため、すぐに事業を開始できるメリットがあります。また、地域ブランド力の高い場所にレンタルオフィスを借りれば、知名度を利用して、顧客からの社会的信用度を高められる効果が期待できます。
レンタルオフィスの候補を絞れたら、内覧に行って部屋の広さや使用する備品、オフィス周辺環境などを確認しましょう。レンタルオフィスは、従来型賃貸オフィスと違って短期間のレンタルができます。起業をお考えの方は、東京のおすすめレンタルオフィスを検討してみましょう。
株式会社アーデント 代表取締役。2006年にオフィス専門不動産会社アーデントを創業。その後、オフィス賃貸仲介、ワークプレイス作りに10年以上携わり、合計500社以上のオフィス移転をサポート。2018年よりクラウドPBXを中心にネットワーク、通信分野を専門に400社以上の電話、ネット環境づくりをサポート。2022年より100以上のクラウドサービスの販売を開始。
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