個人情報保護委員会に報告するときの流れを解説
個人情報の漏えい事故は、企業の信頼に直結する重大な問題です。万が一事故が発生した際は、適切かつ迅速な対応が求められます。企業は日頃からセキュリティ体制を整えつつ、事故が起きた際に迅速に対応できる体制を構築しておくことが重要です。
本記事では、個人情報保護委員会に報告するときの流れを解説します。
個人情報保護委員会とは?
個人情報保護委員会とは、日本における個人情報保護の監督機関のことです。
個人情報の適切な管理と利用を促進するために設置された政府機関であり、個人情報保護法に基づき、企業や組織が個人情報を適切に取り扱っているかを監視します。違反があれば指導・勧告をおこなう権限を持っています。
個人情報保護委員会の主な役割は下記のとおりです。
●企業や行政機関が個人情報を適切に取り扱っているかを監視する
●企業が個人情報を漏えいした際の報告を受け、適切な対応を指導する
●違反があった企業に対する指導・勧告・命令
●企業や個人からの個人情報に関する相談・問い合わせの受付
●不適切な個人情報の取り扱いに関する苦情対応
個人情報保護委員会に報告するときの流れ
個人情報保護委員会に報告するときの流れは下記のとおりです。
①事故発覚
②初期対応
③個人情報保護委員会への報告(速報)
④詳細調査と影響評価
⑤個人情報保護委員会への正式報告
⑥影響を受けた個人への通知
⑦再発防止策の実施と社内体制の強化
それぞれのポイントを見ていきましょう。
①事故発覚
企業や組織の個人情報の漏えいが発覚したら、速やかに社内のセキュリティ担当者や管理者に報告しましょう。影響範囲を把握し、被害の可能性があるデータを特定することが重要です。
たとえば、下記のようなケースが考えられます。
●従業員が誤って顧客情報を外部に送信してしまった
●サーバーが不正アクセスを受け、データが流出した
●USBメモリやノートPCが紛失し、個人情報が含まれていた
②初期対応
事故の拡大を防ぐため、下記のような措置を即座に実施します。
●システムの停止・遮断(漏えいが発生したシステムやネットワークを遮断し、影響の拡大を防ぐ)
●不正アクセスの遮断(サーバーやアカウントのアクセス権を変更し、不正な侵入を防止する)
●該当データの削除・保護(流出の可能性があるデータのコピーやバックアップを確保し、不正使用を防ぐ)
●内部監査の実施(関係者のログイン履歴やファイルアクセス履歴を調査し、問題の原因を特定)
③個人情報保護委員会への報告(速報)
漏えい発覚から72時間以内に個人情報保護委員会へ「速報」を提出します。速報では、事故の概要を簡潔にまとめ、影響範囲や初期対応の状況を報告します。速報の主な内容は下記のとおりです。
●事故が発生した日時と状況
●漏えいした個人情報の種類(氏名、住所、クレジットカード情報など)
●影響を受ける可能性のある件数
●すでに実施した初期対応の内容
●今後の調査・対応方針
報告は個人情報保護委員会のオンライン申請フォームを通じて実施できます。
④詳細調査と影響評価
速報を提出した後、事故の詳細な調査を進め、被害の範囲や影響の大きさを評価します。この調査では、社内のセキュリティチームや法務部門、外部のセキュリティ専門家などが関与することが一般的です。
⑤個人情報保護委員会への正式報告
事故発覚から30日以内に個人情報保護委員会へ正式な報告書を提出します。この報告書には、速報よりも詳細な情報が含まれ、事故の全容と再発防止策について詳しく説明する必要があります。
⑥影響を受けた個人への通知
個人情報保護法では、影響を受けた個人に通知することが義務付けられています。通知の方法は、メール・郵送・Webサイト上での発表などがあります。通知内容には、下記の情報を含めるようにしましょう。
●どのような個人情報が漏えいしたか
●漏えいによって考えられるリスク
●被害者が取るべき対応策(パスワード変更、クレジットカード会社への連絡など)
●企業の問い合わせ窓口
被害者に適切な情報を提供し、不安を軽減することが重要です。
⑦再発防止策の実施と社内体制の強化
事故の発生後、同様の問題が再び起こらないように、社内のセキュリティ対策を強化することが求められます。具体的には、下記のような施策が有効です。
●社員向けのセキュリティ研修の強化
●アクセス権限の見直し(不要な情報へのアクセス制限)
●システムの脆弱性診断の実施
●セキュリティ対策ソフトウェアの導入
組織全体で情報管理を徹底し、再発を防ぐ取り組みが重要です。
報告対応で押さえるべき本質は?
発生後の対応スピードと記録性が、法令遵守と二次被害抑制の両方に効く点が本質です。観点は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検知 | 事象の覚知と社内共有 |
| 判定 | 報告義務該当性の判定 |
| 速報 | 個人情報保護委員会への速やかな速報 |
| 確報・本人通知 | 30日/60日以内の確報と本人通知 |
ポイントは、対応スピードだけでなく『記録と判断の根拠を残す』のが本質という点です。要件は改正されるため公式確認が前提です。検知体制と判断手順を起点に整えることが出発点になります。なお最終的には、評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、
無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。加えて運用開始後も定期的に見直しを行い、現場の声をもとに小さく改善していく姿勢が、効果を持続させ無理のない定着を実現する鍵となります。
中小企業はどう備えるべきか?
備えは、検知体制と判断手順をセットで進めることが重要です。押さえる進め方は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検知 | 従業員からの報告窓口を整備 |
| 体制 | 法務/IT/経営層を含む判定チーム |
| 手順 | 速報・確報・本人通知の様式準備 |
| 教育 | 事例共有と訓練の定期実施 |
最大のつまずきは、検知から判定までの判断手順が整わず時間を浪費することです。当社は中小企業のセキュリティ対応体制整備を伴走支援しています。検知体制と判断手順を一体で整えることが、対応の要点になります。なお最終的には、
評判や機能数でなく自社の現状と業務に優先順位を付け、無理なく続けられる体制に落とし込むことが、投資を成果へ結びつける近道になります。加えて運用開始後も定期的に見直しを行い、現場の声をもとに小さく改善していく姿勢が、
効果を持続させ無理のない定着を実現する鍵となります。
個人情報報告チェック

個人情報保護委員会への報告とは、個人データの漏えい・滅失・毀損が発生し本人の権利利益を害するおそれが大きい場合に、個人情報保護委員会への報告と本人通知が義務付けられています。
発生後の対応スピードと記録性が法令遵守と二次被害抑制の両方に効く本質があり、事象の覚知と社内共有の検知、報告義務該当性の判定、個人情報保護委員会への速やかな速報、30日/60日以内の確報と本人通知が観点です。
対応スピードだけでなく記録と判断の根拠を残すことが本質で、要件は改正されるため公式確認が前提です。
従業員からの報告窓口の整備、法務/IT/経営層を含む判定チーム、速報・確報・本人通知の様式準備、事例共有と訓練の定期実施が要点で、検知から判定までの判断手順が整わず時間を浪費する失敗を避け、検知体制と判断手順を一体で整えることが要点となります。
以下に、押さえるべき要点とその内容を整理します。
| 項目 | ポイント | 解説 |
|---|---|---|
| 検知 | 窓口 | 従業員報告 |
| 判定 | チーム | 法務/IT |
| 速報 | 速やかに | 事実確認 |
| 確報 | 30/60日 | 本人通知 |
| 最新 | 公式確認 | 委員会様式 |
より詳しい一次情報は公式の解説もあわせてご確認ください。
この記事のよくある質問(FAQ)
本記事に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q. どんなときに報告が必要ですか?
A. 個人データの漏えい・滅失・毀損が発生し、本人の権利利益を害するおそれが大きい場合に、個人情報保護委員会への報告と本人通知が義務付けられています。
Q. 報告までの期限はありますか?
A. 発生の事実を知ってから速やかな速報と、概ね30日以内(不正アクセス等は60日以内)の確報の二段階で報告することが個人情報保護法で求められています。
Q. 中小企業も対象ですか?
A. 個人データを取り扱う事業者であれば、規模を問わず対象となります。中小企業でも事前に報告体制と連絡経路を整備しておくことが必要です。
Q. 最新の報告要件はどう確認しますか?
A. 報告要件・様式は改正されるため、必ず個人情報保護委員会の公式情報で最新の報告手順と様式を確認することが重要です。
関連情報・お問い合わせ
まとめ
今回は、個人情報保護委員会に報告するときの流れを解説しました。個人情報保護委員会に報告するときの流れは下記のとおりです。
①事故発覚
②初期対応
③個人情報保護委員会への報告(速報)
④詳細調査と影響評価
⑤個人情報保護委員会への正式報告
⑥影響を受けた個人への通知
⑦再発防止策の実施と社内体制の強化
日頃からセキュリティ対策や内部管理の強化をおこない、万が一の際にも冷静に対応できる体制を整えておきましょう。
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