スイッチとスイッチングハブ、ハブの違いとは?徹底まとめ解説
そもそもハブとはいったい何?
ハブとは、LAN内のネットワークを構築する際の中継器のことを言います。LANケーブルで、ルーターとPCの間をつないだりするのですが、その際ポートの数が足りない時に、ハブを間に入れて、ポート数を増やして、接続をします。
リピーターハブとは
ハブの中でも、最近はあまり使われなくなっているのですが、リピーターハブというものがあります。これは、データが届いた際に、繋がっている全ポートにデータを送信し、関係ないデータの時に無視してね。というメッセージ付きで送信するハブのことを言います。
つまり、関係ないPCにも、データは一度送信されます。あんまり売られていないからか、価格は高めです。
スイッチングハブとは
スイッチングハブとは、すべてのPCやスマホ等にはMACアドレスという固有の名前が割り振られていますが、このMACアドレスを記憶して、2回目以降のデータのやり取りの際は、該当端末のみデータを送信するハブのことを言います。今、電気屋さんで購入するハブは、ほぼすべてこのスイッチングハブになっていると思います。
価格は数千円~いいものでも、ポート数の多いものでも1万円程度じゃないでしょうか。
マグネットでデスク上部にくっつくスイッチングハブ(アマゾン価格はこちら)
スイッチとは?
スイッチは、ハブの上位機種になります。スイッチングハブと同じ用途に加えて、様々な機能が追加されています。価格はスイッチングハブよりも高くなりまして、安いもので5000円くらいから上位機種だと10~20万円くらいしてきます。
スイッチには大きく分けてL2スイッチとL3スイッチの2種類があります。L2スイッチ、L3スイッチの違いは以下のようになります。
種類 | 価格 | ルーター機能 | 通信するデータ層 |
L2スイッチ | 安い (5,000円~3万円くらい) |
〇 | MACアドレスを使ってレイヤー2の層で通信します。 |
L3スイッチ | 高い (10~30万円くらい) |
× | MACアドレス(レイヤー2)と、IPアドレス(レイヤー3)の両方のデータ層で通信が可能です。 |
レイヤーとは?
レイヤーとは、国際標準化機構(ISO)で策定されたネットワークの通信を7つの層に分けたOSI7 階層モデルの各層の事を言います。
以下、OSI7階層モデルの各層の説明です。
層 | 名称 | 主な役割 | 関連機器 |
7層 | アプリケーション層 | HTTPやSMTP、FTPなど、具体的なファイルやメールなどのアプリケーション間でのやり取り | ソフトウェア、ゲートウェイ等 |
6層 | プレゼンテーション層 | データの表現形式を定義 | |
5層 | セッション層 | 通信が途切れた場合の回復。通信の開始から終了までの定義 | |
4層 | トランスポート層 | エラーや再送などのデータ通信の制御 | OS、ゲートウェイ等 |
3層 | ネットワーク層 | IPアドレスを使ったデータの中継、通信経路 | ルーター、L3スイッチ |
2層 | データリンク層 | 直接的に接続されたネットワーク機器間の信号の処理 | L2スイッチ、ハブ |
1層 | 物理層 | ケーブルや電気信号、コネクタなどの物理的な接続 | LANケーブル、NIC |
L2スイッチとは、この2層。データリンク層を使って通信するスイッチで、基本はMACアドレスという、各端末固有の名前を使って通信を行います。
L3スイッチは、2層と3層を使って通信するスイッチです。MACアドレス以外に、IPアドレスでも通信が可能です。
L2,L3以外にもスイッチの種類がある?
スイッチには、大枠としてL2,L3の種類がありますが、それとは別に機能の多寡で、以下のように分かれます。
種類 | 特徴 | 主な利用規模 |
フルマネージスイッチ | コマンドやブラウザで設定が行える。高機能ですが、その分高価。 | データセンターやミリ秒単位での通信が要求されるところ向け |
スマートスイッチ | ウェブブラウザで設定が行える。機能も豊富で、フルマネージスイッチよりは安価。 | 数人~数十人程度のネットワーク向け |
アンマネージプラススイッチ | アンマネージスイッチに、VLANやQOSなど、よく使われる機能だけをプラスしたスイッチ。 | SOHO小規模ネットワークで、価格を抑えてVLANやQOSを使いたい企業向け |
アンマネージスイッチ | 設定は基本何もできない分、最も安い。 | 家庭やSOHO等小規模ネットワークで、かつ設定が不要な場合向け |
なお、各メーカーごとに、若干名前が違うので、気をつけましょう。
スイッチの主な機能例
基本的にはスイッチの機能ですが、スイッチングハブが下記の機能を兼ね備えていることもあります。
VLAN構築
VLANとは、仮想LANのことを言います。例えば、同じ社内でも、営業部と経理部でデータの共有はしたくないときなどは、同じLAN内で、仮想的に区切ることが可能になります。
QOSの設定
QOSは、Quality of Serviceの略です。日本語だとサービス品質になると思いますが、具体的には、IP電話やゲーム、カメラ等、ネットワークの品質が悪いと、困るものをつないでいる場合、それを優先する機能です。
メールの送受信で、1秒遅れても、正直あまり気になりませんが、IP電話が1秒途切れると、かなりの問題ですので、このQOS設定を行ったりします。
IGMPスヌーピング
スヌーピングとは盗み見という意味になりまして、データの送受信の際に、実は複数端末に一斉送信するのをマルチキャストと言います。例えば、同じ動画を配信する場合に、各端末ごとに、データを1つ1つ送るよりは、マルチキャストして、一斉送信した方が、トラフィック負荷が少なくなります。ただ、このとき、関係ないPC端末等にも、全部送信してしまいます。
IGMPスヌーピングでは、このマルチキャストを一斉に送信せず、関係するPCにのみ、通知を送る機能です。
ミラーリング
基本的にスイッチは、該当のPCにのみデータを送るようになっています。ただし、セキュリティでトラフィック監視をしたいときなどに、トラフィック監視をするPCを別に用意して、動かす時に、スイッチだと、他のPC宛てのデータが届かず、監視が出来なくなってしまいます。
こういうときに、ミラーリングの設定をしておけば、別のPCにも、同じトラフィックを流すので、監視することができるようになります。
まあでも、基本あまり使わないかと思います。
ループ検知・遮断
LANを組んだ時に、LAN内のすべての端末に一斉送信するブロードキャスト通信というものがあります。このとき、LANの配線が輪になっていると、発信したブロードキャスト通信が、輪を一周し、戻ってきて、スイッチが、それをさらにブロードキャストとして一斉送信していまいます。
これをブロードキャストストームと言い、ネットワークのすべての端末が通信不能になってしまうこともあります。いずれにしろ、ル―プがあると、ネットワークの負荷があがってしまいますので、避けたいところです。
ループ検知は、このLAN配線が輪になっているかどうかをスイッチが、自動的に把握し、またストームが起きないように、輪になっているポートのみを遮断する機能を持たせたりしています。
スパニングツリープロトコル(STP)
スバニングツリーは、ループ構成とならないように、論理的にその回線を遮断してしまい、ループ構成を回避する機能です。つまり、ループになっているLANケーブルを抜かなくても、抜いてある状態にしてしまう機能ですね。これにより、複数のLANケーブルをつないでおいて、どれかが断線等、障害が発生した時に、別のLANケーブルで通信を行うことで、冗長性を高めることができます。
ストームコントロール
ストームコントロールは、前述のループによるブロードキャストストームや、Dos攻撃等で発生する異常なトラフィック量を検知、遮断する技術です。例えば、ブロードキャスト(全体への一斉送信)は、1Gbpsのうち、10%の100Mbpsしか使えないようにしておくとか、一定量以上のトラフィックを全てカットしてしまうのなどの方法があります。
リンクアグリケーション
リンクアグリケーションは、複数の物理的なLAN配線を、仮想的に1つの論理的なLAN配線として扱う技術の事を言います。通信時には、2本のLAN配線を同時に使えますので、仮に1Gbpsのポートだとすれば、倍の2Gbpsの速度で通信が可能になります。また、1本のLANケーブルが断線したとしても、残りの1本で通信はできますので、冗長性も高まります。
基本的には、スイッチを複数設置する時に、使う設定です。逆に、リンクアグリケーションをしないで、2つのスイッチ間で2つのLANケーブルを接続すると、ループになってしまいます。
Band width(帯域幅)
QOSに近いですが、全てのポートを同じように、通信を通すのではなく、重要ではない通信をするポートに対して、帯域幅を小さくすることで、他のポートの通信がより快適に流れるようにする設定です。
アイソレート
他のポートとの通信から完全に独立させる機能です。マンションやホテルなどで使う設定です。
POE
POEとは、power on ethernetの略で、LANケーブルから、接続機器に電源供給を行う機能です。例えば、IP電話機や、監視カメラ、WIFIのアクセスポイントなどで、ACアダプタをつけなくとも、電源供給ができるようになります。
VPN
テレワークの普及で一気に知名度が上がったVPN。Virtual Private Networkの略で、仮想的に専用線が引いてあるようにして、通信のセキュリティを高める技術です。基本は、ルーターに設定することが多いですが、上位機種のスイッチではVPNの機能も持っています。
ポートセキュリティ(MACアドレス認証)
接続する端末のMACアドレスを登録しておいて、それ以外の機器が接続できないようにします。
802.1X認証
ユーザーごとにID,パスワードを入力し、認証ができた端末だけ接続する方法です。外部の人、悪意のある人が、認証無しでネットワークを使おうとすることを防ぎます。
スイッチの遠隔管理とは
最近のスイッチでは、クラウドサーバーと紐づけて、遠隔で設定、管理、監視ができるようになってきています。遠隔で一括ファームウェアアップデートや、設定変更、障害発生の通知、POEの場合、接続機器の再起動なども遠隔でできるようになってます。
TP-LINK omada SDN
スイッチにつながった全ての機器を遠隔で、ブラウザで管理ができます。英語の管理画面で、少し難しいですが、料金がかからないのが、特徴です。
ヤマハ Yamaha Network Organizer(YNO)
日本語で分かりやすいのですが、1台あたり年10,000円からの料金がかかります。
オススメのスイッチ
ということで、ハブ、スイッチングハブ、スイッチについて解説をさせて頂きました。基本的に、家庭、もしくは一般企業だと、スイッチングハブを多く利用していると思いますが、企業規模が大きくなると、L3スイッチでVLANを作ろうということになってくるかと思います。
ということで、とにかくポートを増やせればいいというより、スイッチの機能を色々使って、社内のネットワークを快適にしたいけど、あまりお金はかけたくないという場合、アンマネージプラススイッチを買っておくと、一般的な企業で大体のやりたいことができて、かつ安価なので、おすすめです。
例えば、TP-LINKだと、こんな商品です。
なんと、5000円以下で、VLANなども設定ができます。
POE機能付きだとこんな商品になります。
さらにL2スイッチだと、主にスマートスイッチになると思います。ネットギアも有名です。
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そこまで価格差がありませんので、上位機種を買っておくことをお勧めします!
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