マルウェアとは?多様化する手口とセキュリティ対策を解説
テレワークの普及に伴い、近年テレワークのセキュリティの脆弱性を突く悪質な攻撃が増加しています。
代表的な悪質な攻撃としてマルウェアがありますが、マルウェアはパソコンの情報を抜き取ったり、感染した端末以外にも被害をもたらす危険性があるため特に警戒されています。
しかし、「マルウェアってよく聞くけど、どのようなものかよく分からない」「マルウェア感染を防ぐためにはどんな対策を行えば良いのか」このように考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、近年多様化しているマルウェアの手口、対策方法について詳しく解説します。
マルウェアとは
マルウェアとは、『malicious + software(悪意のあるソフトウェア)』という造語です。
一般的には、ユーザーの端末を狙った悪質なプログラム、ソフトウェア全般のことを指します。
マルウェア自体は、30年以上前から誕生していますが、年々その種類は増えています。
さらに近年のテレワークの普及に伴い、エンドポイント(データやファイルに直接アクセスできる場所)を狙う悪質な攻撃がさらに増加している傾向があります。
マルウェアの主な感染経路
マルウェアは様々な経路で感染してどんどん拡大していくのが特徴です。
主な感染経路について解説していきます。
URLクリック
メールに記載されているURL、やWebページに表示されているボタンをクリックして感染するパターンです。クリック後にマルウェアが自動でインストールされる仕組みになっています。
ネットワーク
ネットワークを通して自己増殖を繰り返しながら感染を拡大させるパターンです。またファイル共有機能の脆弱性を突いて、共有ファイル自体が感染しているケースもあります。
メールの添付ファイル
メールの添付ファイルを開くことによって、マルウェアに感染してしまうパターンです。
USBメモリ、ディスク
USBやディスクを挿入したときに、OSによって自動的に感染するタイプのマルウェアもあります。
マルウェアの種類
ここでは、マルウェアの種類について解説します。
コンピューターウイルス
コンピューターウイルスは、ウイルスが含まれたメールを添付ファイルとして送付したり、中身を開いてしまうと悪意のある動作を行う危険性があります。
さらに、ファイルを開いたら別のデバイスへと感染を拡大する悪質な攻撃も存在します。
スパイウェア
スパイウェアとは、ユーザーの情報の収集を主な目的としています。
ターゲットの通信内容をモニタリングすることができるため、個人情報やインターネットでの閲覧データなどを取得される危険性があります。
またスパイウェアは、警察や政府機関、情報セキュリティ関連の組織でも、操作の一環で使うケースもあります。
トロイの木馬
トロイの木馬とは、普通の画像ファイル、文書ファイル、スマホのアプリケーションを装い、コンピューター内部へ侵入して悪質な働きをする手口です。
例えばターゲットのPC、スマホに侵入して個人情報を盗んで悪用したり、いつでも侵入できる状態を作ったりなど、攻撃者によって攻撃方法は異なります。
ワーム
ワームは、端末から端末へと自己増殖する機能を持っています。
感染経路は主にネットワーク経由ですが、ストレージデバイスなどの利用によって感染が拡散していく恐れもあります。
マルウェアに感染したらどうなる?
実際にマルウェアに感染したらどうなるのか、詳しく解説していきます。
パソコンが感染してしまった場合
パソコンがマルウェアに感染してしまった場合、下記のような被害を受ける可能性があります。
・パソコン内部のデータが削除、盗難、改ざんされる
・意図していない操作をしたり、操作自体ができなくなる
・バックグラウンドで処理が勝手に実行されてしまい、パフォーマンスが低下する
スマホが感染してしまった場合
スマホが感染してしまった場合は、下記のような被害を受ける可能性があります。
・データ通信料が急速に増加する
・自分の位置情報が漏れてしまう
・バッテリーの消耗が早くなってしまう
基本的にパソコンでの被害と同様になりますが、スマホが感染してしまった場合、自分の連絡先のリストに入っている人にまで被害が及ぶ可能性があります。
マルウェアに感染しないための対策
マルウェアの被害を受けないために、どのような対策を講じる必要があるのか。
代表的な対策方法は以下のとおりです。
・ウイルス対策ソフトを常に最新バージョンにする
・不審なメールや添付ファイルは開かずにゴミ箱へ
・怪しいURLをクリックしない
・重要なファイルは暗号化しておく
上記のような対策方法がありますが、最も重要なのは社内でのセキュリティ教育とルール策定をしっかり行うことです。
経営者とシステム担当者を中心にセキュリティに関する「方針」「ルール」を明確に定めておけば、社員のセキュリティに対しての意識向上、またどのような行動をとるとセキュリティ事故につながるのか危機感を持って行動できるようになります。
さらに方針やルールを策定した後でも、セキュリティ対策の見直しや技術面での対策を定期的に行うことで、セキュリティのレベルをより高くできます。
万が一マルウェアに感染したときの対処方法
万が一マルウェアに感染してしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。
主な対処方法を解説します。
①機器をネットワークから切り離す
マルウェア感染が発覚したら、他の端末への感染を拡大させないために有線のLANケーブル、無線LANでのインターネット接続を即座に切り離しましょう。
マルウェアにはネットワークを通して感染を拡大させるもの、機器の操作を不能にするもの、様々な種類がありますので、「LANケーブルを抜く」「Wi-Fiを切断する」この2つを行ってください。
②上司、セキュリティ担当者への報告
万が一マルウェアに感染してしまったら、上司、またはセキュリティ担当者へすぐに報告してください。
慌てずに自分自身で何とかしようとはせずに、上司やシステム担当者の指示に従いましょう。
③セキュリティツールでマルウェアの検出・駆除を行う
OSに付属されているセキュリティ機能やウイルス対策ソフトを使ってマルウェアの検出・駆除を行ってください。
これらの作業が難しい場合は、OSを再インストールする必要があります。その際にはデータのバックアップを事前にとって行うようにしましょう。
まとめ
今回は、マルウェアの手口、対策方法について詳しく解説しました。
マルウェアは、パソコンの情報を抜き取ったり、感染した端末以外にも被害をもたらす危険性もあり、近年特にテレワークのセキュリティの脆弱性を突く悪質な攻撃が増えているのが現状です。
色々な対策方法がありますが、最も重要なのは社内でのセキュリティ教育とルール策定をしっかり行うことです。
経営者とシステム担当者を中心に、セキュリティに関する「方針」「ルール」を明確に定めておきましょう。そうしておくことで万が一マルウェア化に感染したとしても、落ち着いて対処することができます。
またマルウェアに感染しないための事前対策、感染した後の対処方法を自分自身で理解しておくことも非常に重要です。理解を深めるためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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