地震が心配な方へ!耐震基準が違うと、どれほど違うのかのまとめ
新耐震設計のオフィスビルを借りられればベストですが、難しいときはこの年代を狙いましょう!耐震基準ごとにどれほど影響があるかをまとめました。
そもそも建築基準法の耐震基準とは?
建築基準法の耐震基準についての説明画像を国土交通省のHPから転載させて頂きました。
①中規模の地震ではほとんど損傷しない
②大規模の地震で倒壊、崩壊しない
という2点を目指した基準になっているようです。
つまり、大地震が来たら、倒壊はしなくても損傷は受ける可能性があるということですね。
こんなに違う!新耐震基準と旧耐震基準による被害の差
昭和56年に新耐震基準というものが施行されたのですが、
阪神大震災では、新耐震か、旧耐震かで建物の被害状況が大きく変わっています。
新耐震ですと、大破することはほとんどなく、軽微、無被害が約7割を占めていますが、
旧耐震設計の建物では、大破が約3割、中破、少破が約4割と建物への被害がでたものが、7割近くになっています。
建築基準法における耐震にかかわる改正の変遷
実は新耐震設計となった昭和56年の改正以外にも、建築基準法は頻繁に改正されています。
こちらのブログにその後の改正履歴が掲載されています。
旧耐震設計にも2種類ある?第1世代、第2世代とは?
実は、先ほどの建築基準法の改正履歴にある昭和46年の
「柱の帯筋間隔を30センチから10センチに強化」されたことにより耐震性能は大幅に強化されています。
そのため、専門家の間では、昭和46年以前を第一世代、昭和46年~56年を第二世代、昭和56年以降を第三世代と呼び区別しています。
これをみると、第一世代では、大破が約6割!!
しかし、第二世代では、RC造だと約2割となりますので、全然被害状況が違うんです。
予算の関係で、どうしても旧耐震設計のビルを借りなくてはいけないこともあると思いますが、そういうときには、せめて昭和46年以降の物件を選ぶとよいでしょう。
※図表はこちらから転載させてもらいました。
耐震診断は高額でほとんどのビルが行っていない?
耐震診断を行うとなると、ビルの規模にもよりますが、数百万円もかかります。
もし、耐震診断を行ったとしても、耐震補強の必要有とでるビルがほとんどだと思います。
実は、耐震診断の結果は、賃貸契約のときの重要事項説明にて説明が義務付けられており、今後貸しづらくなることを間違いありません。
そのため、耐震診断をするならば、耐震補強で数千万円の予算をかけられるところに限られてきてしまうため、
耐震診断はほどんどのビルで行っておりません。
物件探しでは、昭和56年築以降ではなく、昭和58年築以降で探すべき
建築基準法が変わり、新耐震設計になったのは確かに昭和56年なのですが、
ビルやマンションを建てるときに、建築申請をしてから完成までに1年程度かかってしまいます。
つまり、昭和56年6月1日に新耐震基準の建築基準法が施行されたのですが、
昭和56年5月30日に建築申請されたビルが、昭和57年に完成したりするわけです。
そのため、新耐震の事務所・マンションを借りるのであれば、昭和58年以降にできた物件を選ぶといいでしょう。
免震、制震、耐震設計のビルはどう違う?
耐震構造、制震構造、免震構造のイメージ図/B-architect
耐震構造とは
耐震構造とは、頑丈な柱や壁で地震に耐える構造のことを言います。地震の揺れがそのまま建物に伝わるため、中の家具等が倒壊しやすい特徴があります。
制震構造とは
制震構造とは、ビルに地震のエネルギーを吸収するダンパーを設置している構造です。地震の揺れを吸収するため建物内は耐震構造よりはゆれづらくなります。また高層ビルでよく用いられる工法です。
免震構造とは
免震構造とは、ビルと地盤の間にゴムどのゆれを建物に伝えない装置を設置することで、そもそもビルが揺れないようにする工法です。地震時の揺れは3分の1から5分の1程度まで軽減することが可能です。
コストも一番かかる工法になり、採用しているのは最新の大型ビルが多いです。
最新のこういった耐震工法のビルで探す場合には、
築年数が新しく、また規模の大きな建物を選ぶことになります。地区10年以内で探しましょう。
ただし、タワービルですと、いくら最新の工法で耐震設計になっていたとしてもゆれてしまうことがありました。
それを考えると、あえて5階建てくらいまでの低層の建物を選ぶというのも地震対策としてはいい選択肢になりますね。
株式会社アーデント 代表取締役。2006年にオフィス専門不動産会社アーデントを創業。その後、オフィス賃貸仲介、ワークプレイス作りに10年以上携わり、合計500社以上のオフィス移転をサポート。2018年よりクラウドPBXを中心にネットワーク、通信分野を専門に400社以上の電話、ネット環境づくりをサポート。2022年より100以上のクラウドサービスの販売を開始。
IT導入補助金を使って、50社以上にクラウドツールを提供。IT活用による業務改善のDXコンサルを提供。
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