サイバー保険とは?個人情報漏洩保険との違いについて解説
近年、会社の重要な機密情報や顧客の個人情報をターゲットにした悪質な攻撃が増加しています。これらの情報が悪用されてしまうと、会社や取引先への損害や高額な補償が求められる上に、社会的な信頼低下にもつながる恐れがあります。
会社の大切な情報を守るためには、セキュリティ対策と共に今回ご紹介する「サイバー保険」に加入しておくことがおすすめです。
本記事では、サイバー保険と個人情報漏洩保険の違いについて、比較しながら解説していきます。
サイバー保険とは
はじめにサイバー保険について詳しく解説していきます。
サイバー攻撃の被害に遭った際の補償・サポート等を行う保険
サイバー保険とは、名前のとおり企業がサイバー攻撃の被害に遭った際の補償や損害賠償を求められることになった場合のサポートを行う保険です。
近年、サイバー攻撃の種類や手口が多様化しており、取引先を装ってウイルス付のメールを送付したり、テレワークのセキュリティの脆弱性を突いて通話内容を傍受したりなど、様々な手口で攻撃が行われています。
サイバー攻撃の被害に遭うと、数百万円から数千万円単位の損害を被る可能性も出てきます。また金銭的な被害だけではなく、下記のような損害も発生します。
・取引先、顧客からの損害賠償請求
・取引の停止
・社会的信頼の低下
・関係者への対応費用の負担、事故対応にかかる費用支払いなど
サイバー保険に加入しておくことで、これらの支払いにも対応できるようになります。
サイバー保険の補償内容→攻撃によって生じた被害全般
サイバー保険の補償内容は多岐に渡ります。たとえば、企業が不正アクセスを受けた場合は以下のような損害が発生します。
・不正アクセスによるシステムの破壊、データ復旧にかかるコストなど
・不正アクセスの原因究明のための調査費用
・法的な賠償費用の負担
・訴訟にかかる費用
基本的にサイバー保険は、サイバー攻撃の際に発生した事件や事故に対して、広範的に補償を行っていくのが特徴です。
個人情報漏洩保険とは
続いて、個人情報漏洩保険について解説します。
個人情報が漏洩した時に適用される保険
個人情報漏洩保険とは、個人情報が漏洩したときに適用される保険のことです。
個人情報が漏洩してしまう原因はサイバー攻撃によってデータを盗まれて悪用されることはもちろん、企業での管理体制が甘く個人情報が入ったデータを紛失してしまったり、内部の人間に盗用されてしまったりなど、自社のセキュリティレベルやリテラシーが高くないために起こるケースもあります。
個人情報漏洩保険の補償の範囲→「情報漏洩」に関する部分
個人情報漏洩保険は、基本的には「情報漏洩」に関する部分の補償を行います。たとえば、不正アクセスの被害に遭ったけど情報漏洩にはつながらなかったケースであったり、サービスを停止せざるを得なくなった時の復旧費用などは、対象外となります。
しかし、個人情報漏洩は特約を付けることで補償範囲を厚くできます。
個人情報漏洩保険については、下記の記事でも詳しく解説しています。
サイバー保険と個人情報漏洩保険の違い
サイバー保険と個人情報漏洩保険の主な違いについて解説していきます。
①補償の範囲
サイバー保険と個人情報漏洩保険の大きな違いは補償の範囲です。
サイバー保険は、サイバー攻撃の際に発生した事件・事故に対して、広範的に補償を行っていきます。一方の個人情報漏洩保険は、基本的に情報漏洩に関する部分の補償を主に行っていきます。
②費用
サイバー保険と個人情報漏洩保険は補償範囲が異なるため、保険費用も異なります。
サイバー保険の方が補償範囲が広くサポートが手厚いため、割高となるケースがほとんどです。しかし、個人情報漏洩保険の場合でも特約等を追加することで、補償範囲の拡大やサポートの見直しを行えます。
実際に導入する場合、自社の規模や被害内容、保険の種類によって金額は大きく変動するので、事前に資料を請求したり、見積もりを依頼したりした方が確実です。
過去のセキュリティインシデントが料金に影響が出ることも・・・
一般的にサイバー保険の保険料は、企業の規模や売り上げ、業種によっても変動する傾向があり、サイバー攻撃のターゲットになる可能性が高いIT企業は割高に、食品会社や不動産などITとの関連性が低い企業の場合は保険料が低額になることが多いです。
また過去にセキュリティインシデントが起きた企業の場合は、保険料が割高になる可能性が高いです。過去のインシデントやセキュリティ体制に不備がある企業だとみなされないように注意する必要があります。
まとめ:補償の範囲を重視するなら、サイバー保険の方がおすすめ!
今回は、サイバー保険について個人情報漏洩保険の違いについて、比較しながら解説しました。
サイバー攻撃は、企業がサイバー攻撃の被害に遭った際の補償や損害賠償を求められることになった場合のサポート等を行う保険です。個人情報漏洩保険の主な違いは補償の範囲であり、個人情報漏洩保険の場合は、基本的に情報漏洩に関する部分の補償を行います。しかし特約を付けることによって、保険範囲を拡大することが可能です。
サイバー攻撃の被害に遭ってしまうと、下記のような損害が発生する恐れがあります。
・取引先、顧客からの損害賠償請求
・取引の停止
・社会的信頼の低下
・関係者への対応費用の負担、事故対応にかかる費用支払いなど
サイバー保険に加入しておくことで、これらの支払いにも対応することができます!
セキュリティ対策と共に、万が一に備えて「サイバー保険」にも加入しておくことをおすすめします。
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